情報マネジメント学部 勝間豊ゼミ
現代マネジメント学科
観光情報学のすすめ
本ゼミでは「観光情報」を題材として「情報の流通」の在り方を考えます。どうすれば多くの人に分かりやすく観光地の魅力を伝えられるか、どのような点をPRすべきか等、観光地の魅力を多角的に捉え、それを“情報”として広く流通させる方法を考えます。 また、ゼミ活動の目標として、社会人として活躍するために必要な「データを基にした客観的なモノの見方」についてゼミ活動を通じて身に着けてもらうことを目標としています。
ゼミの取り組み
ゼミの主題は、「観光情報学」ですが、それ以外にも多様なテーマで活動を行っています。 最近のテーマには以下のような取り組みがあります。
大磯町観光資源調査とマップの制作
大磯町を対象とした観光資源探索のフィールドワークを行っています。古民家などの「古き良き日本」、細い路地裏にあるお店をPRするための宝探しマップ等を企画しました。継続的な活動として、毎年行われる大磯まつりの参加へのアンケート調査、データ分析を実施しています。また、大磯まつりを広報するためのHP作成への協力なども行っています。アンケート調査を通じて分析した結果は、町の活性化のための意見として、大磯町産業環境部産業観光課と協力しながら観光地としての大磯町の魅力を発信するための提言を行っています。特に、学生の目線で取材し、地域の良さを伝えるためのデジタルマップの制作と情報流通の方法について考えていきます。
食品廃棄を削減しよう
SDGsに興味を持つゼミ生も多く、最近は『マイクロプラスチックの削減』、『食品廃棄問題』をテーマに取り組みました。行政や民間企業に直接、インタビュー調査をしたり、NPO等の行う活動に参加する等しながら、インターネットや文献だけでは得られない情報を自ら収集し、現状を調査しています。その上で学生の視点で考えられる提案を行っています。
ゲーム理論で考える大手回転寿司の出店計画
「ゲーム理論の入門を理解して企業戦略を分析する」をテーマに取り組みました。回転寿司チェーンは多くの支店を出店しています。出店の仕方について一定のパターンがあるように見えるため、その仕組みについてゲーム理論の基礎知識を基に理論的な分析を行いました。情報に基づくマネジメントの在り方をゲーム理論によってより正確に理解し、行動選択の違いと理由を学ぶことができました。
鉄道会社の観光戦略の違い
観光産業に於ける鉄道会社の影響力を考えました。鉄道会社の提供するPRやサービスが観光地にどのように影響するかを観光データ分析、電鉄会社へのインタビュー、現地を歩いたフィールド調査、各種サービスの体験を通じて多面的な視点から調査分析を行いました。実際の行動を行う上で今まで漠然と考えていたサービスの違いや影響力の違いを自分で体験して理解し、それが観光データにどう影響したかを客観的な理由に基づいて考えることができました。
学生によるゼミ紹介
しっかり考える重要性を学びました!
「鉄道会社の観光経営」を題材に取り組みました。小田急電鉄株式会社が推進する伊勢原市の「大山観光施策」と京浜急行電鉄株式会社が推進する「三浦半島の観光施策」について比較分析を行いました。観光データ分析、インタビュー調査、フィールド調査等の多面的な分析を行いました。勝間先生からはいつも「なぜ?」と理由を聞かれます。そして、「次はどうする?」となります。「何となく」という曖昧な答えではなく、きちんと理由を考え、その結果から次の行動を決めることを要求されました。最初は非常に厳しく感じましたが、「理由を基に自分で考えて行動する」ことが段々とできるようになりました。その考え方は現在の就職活動にも大きく役立っています。(N.Y)
クライアントを満足させることは難しい!
大磯町役場と連携し、「大磯町を活性化させる観光施策」に取り組みました。研究は2名で行いましたが、私は主に「大磯まつりのアンケート調査」を支援するためのHPの作成、さらに町の新しい観光シンボルのPRポスターの制作を行いました。最初は、「HP制作は得意だから簡単!」と思いましたが、始めてみると町の担当者細からは細かな要求が次々と出てきました。新しい観光モニュメントのPRポスターも作成していますが、リクエストが多くあり本当に苦労しています。今回の取り組みでは、「自分の考えと相手の要求との違いを埋める」ということの重要性と大変さを学びました。そのためには先ず、しっかりと聞くこと、細かく説明すること、記録を残すこと、時間を考えた調整をバランスよく行うことの重要性を理解しました。これらは実は社会人として最も重要な能力であると自分でも気づき、就職活動においても有効に活用できています。(K.Y)
学生に期待すること
ゼミ活動に於いて最も大切にしている点は、『学生自身がテーマを決定し、取り組み方を考え、多様な活動を通じて成果を出す』という自主的な活動です。今後、社会に出て必要とされる『明確な証拠に基づいて自分で考え、行動を決定する』という能力をしっかりと身に着けられるようなゼミ活動を行っています。また、インターネットや書籍に書かれている『二次情報(他人から得た情報)』を信じて満足せず、フィールドワークなどを通じて『一次情報(自分が直接体験して得た情報)』を獲得する重要性や方法を伝えて行きたいと考えています。