学長挨拶

 本学の建学の精神は、「マネジメントの思想と理念をきわめ、これを実践の場に移しうる能力を涵養し、もって全人類に幸福と繁栄をもたらす人材」を育成し、「単なる学術の修得のみに終わらず、広く世界に目を向け、他の意見を尊重し、自分をいつわらない誠実な人格を持った」豊かな人間性を形成することを謳っています。
 この建学の精神は、本学開学以来の「実学教育」を支える理念であり、以来、時代の要請、及び法人の中長期目標を達成するべく、さまざまな改革を行い現在に至っています。現在も、依然として続く新型コロナウイルス感染症拡大の状況を踏まえ、ここでは次の2点について強調したいと考えます。
 第一に、建学の精神に「全人類の幸福・繁栄、広く世界に目を向ける」とありますが、コロナ禍で一時的に停滞してはいるものの中長期的なトレンドとしてアウトバウンドとインバウンドの両方のグローバル化は明白ですから、グローバルに活躍できる人材の育成に力を入れます。
 第二に、オンライン授業等を通して学生が身に付けたICTリテラシーは、今後社会で活躍するために必要不可欠な能力になると想定できますので、さらなる強化を行います。

 本学の母体である日本産業能率研究所は1925年に創立されました。2025年に創立100周年となります。この研究所は現在学校法人産業能率大学総合研究所として活動していますが、総合研究所は創立当初から欧米の近代的経営手法を日本の産業界に紹介・普及し、個別企業向けのコンサルテーションや研修等を通して産業界と緊密な関係を築いてきております。
法人内では、産業界との密接な関係を持つ社会人教育部門と学生教育部門が有機的に運営されており、社会人向け教育の最新の知見を学生教育に活用できます。産業界の最前線で起きていることを学生がいち早く学修できる環境は本学学生の実践的能力の育成に大きな貢献をしていると自負しております。
 また、本学で他の大学に先駆けて取り組んでいるアクティブラーニングとその深化系であるPBL(Project Based Learning)も大きな特徴です。地方創生が謳われる前から本学が取り組んできた自由が丘商店街、沖縄県石垣市や伊勢原市、大磯町、二宮町等とのコラボレーションは、学生が地域における三現(現場、現物、現実)を意識しながら実践的にPDCAをまわす経験を積むことができる非常に良い機会と評価されています。
 今後も本学のこれまで培った様々な教育成果を生かし、「実学教育」を伝統とする大学の使命を礎に、教職協働にて卒業生、在学生とともに本学のさらなる発展に尽力したいと存じます。