学びの輪

学びの輪(アクティブ・ラーナーをつなぐ)

全国のアクティブ・ラーナーをつなぐ「学びの輪」。教育への想い、取り組みをリレー形式でご紹介します。
※所属は取材時のものです

第100回 神奈川県海老名市立東柏ケ谷小学校/柏ケ谷小学校(専科:外国語活動・外国語科) 東 優也 先生

学校教育のみならず、社会や家庭を取り巻く教育課題解決と共生社会の実現に向け、熱心に取り組まれている、東京未来大学の中澤純一先生よりバトンを受け取りました。
私は現在、神奈川県小学校英語専科担当教員として、2校兼務で外国語教育の指導・支援にあたっています。専門は国際理解教育やグローバル教育、英語教育です。学生時代から「人種」「民族」について研究を進めてきました。グローバル化が進展する中、「人種」「民族」概念の社会的構築性を理解し、創られた概念を解体する試みや様々な課題に潜む「人種化」された事象を自分事として考える資質能力は地球市民育成に重要と考えています。今後も地球市民育成に向け、あらゆる実践に取り組みたいと思います。
次は、社会科教育や開発教育に熱心に取り組み、緻密な単元開発と丁寧な教材研究をされる姿から多くのことを学ばせていただいている同志社中学校・高等学校の織田雪江先生にバトンを渡したいと思います。

第99回 浜松学院中学校・高等学校(社会科・技術科教諭)/はままつ国際理解教育ネット代表 中澤 純一 先生

開発教育・国際理解教育の大きな可能性と魅力に気づき、小中学校において多くの教育実践をされている、津島市立東小学校の近藤勝士先生からバトンを受け取りました。
私は中学・高等学校の教員ですが、市民団体である「はままつ国際理解教育ネット」を主宰しています。学校教育、社会教育、家庭教育を通して地域や世界の課題解決に向けた行動変容を促し、多様な背景をもつ人々が共生できる社会の在り方を追究しています。
今後も学校教育のみならず様々な場面で、多様性の尊重と社会正義の実現を目指した国際理解教育や多文化教育における研究や実践をしていきたいと思います。
次は、『「人種」「民族」をどう教えるか-創られた概念の解体をめざして-』(明石書店)の編著者の一人でもあり、研究や実践の両面から多くの刺激を頂いている海老名市立東柏ケ谷小学校の東優也先生にバトンを渡します。

後記 この4月より東京未来大学に着任することになりました。今後も国際理解教育や多文化教育の研究に邁進し、研究の成果を社会へ貢献していきたいと思います。

第98回 愛知県津島市立東小学校(校務主任)/JICA中部開発教育ナビゲーター 近藤 勝士 先生

「よりよい未来を、子どもも大人も、ともに学び・ともに創る社会」をビジョンに掲げ、国際理解教育を参加型ワークショップで提供し続け、数多くのファシリテーター・中核的指導者を輩出する、NIED国際理解教育センター代表のれいちぇる(伊沢令子さん)よりバトンを受け取りました。
私の開発教育・国際理解教育との出合いは、6年前でした。JICA中部とNIEDがタッグを組み、年間通して、質の高い学びと楽しさを提供する教師海外研修に参加させていただく機会をいただき、この研修との出合いが私の視野や価値観を広げてくれました。わたし⇒あなた⇒みんな へと広がり、つながっていく参加型学習で進める国際理解教育の無限の可能性に気付き、総合の授業だけでなく、数学科の授業においても、取り入れるようになりました。
その後、JICA中部で働かせていただく機会やJICA中部開発教育ナビゲーターを務めさせていただく中で、素敵なJICA職員の方のこんな言葉が心に残っています。『支援の仕方に正解はない。理想はJICA自体が必要なくなること』。教員も同じで、「先生はもういなくてもいい、自分(たち)で大丈夫」と言えるような人を育てていくために、これからも自分にできることをしていきたいと思います。
次は、学校内外にとどまらず、静岡の開発教育・国際理解教育を牽引されている浜松学院中学校・高等学校の中澤純一先生にバトンを渡します。

第97回 中京大学非常勤講師/NPO法人NIED・国際理解教育センター代表 伊沢 令子 先生

「こどもは社会を創る対等なパートナー」というこども観に立ちこどもの参画を応援する、オルタナティブ・スクールあいち惟の森の二宮由布子さんからバトンを受け取りました。
私は国際理解教育に取り組むNPOで、参加型の人権教育、環境教育、平和教育の担い手育成を本業としつつ、大学では「国際理解教育」と「ファシリテーション」という授業を受け持っています。
「それぞれの持ち味と能力を最大限に活かして、自分らしく他者とともに生きる社会を創るチカラを育む」という国際理解教育の理念を軸に、四半世紀余り参加型の学びの場と方法を提供してきて確信したことは、①人は自ら学び変わるチカラを持っており、人の行動変容を支えるものは、知識と気づきとスキル(自己肯定感、コミュニケーション、対立解決など)の3つである、②参加体験型の学び(ワークショップ)にはこの3つが効果的に含まれ、参加と対話を通して学びは深まる、③参加と対話は民主主義の要であり、教育は人と社会の健やかさの鍵である、ということです。
次は、学校内外で参加型国際理解教育を牽引されている津島東小学校の近藤勝士さんにバトンを渡します。

第96回 オルタナティブ・スクールあいち惟の森 二宮 由布子 先生

子どもたちが子どもたちらしくいられる教育に熱い想いをもつ、名古屋市立北高等学校の安藤理恵先生からバトンを受けとりました。
私は、名古屋市緑区にあるオルタナティブ・スクールあいち惟の森でスタッフをしています。
オルタナティブ・スクールは新たな視点を加えた教育を実践する学校のことを言います。
持続可能な社会・誰もが安心できる社会をつくるためには、その社会に合わせられる人をつくるのではなく、それぞれが考え、学び合い、行動することが必要です。
私は生徒自身が考え、学びあい、行動する機会を多く設け、教員が“転ばぬ先の杖“にならないようにすることを大切にしています。子どもも大人も、人間はみんな、失敗を繰り返し、自身や他者から学び、考え続け、創り出すことを得意とする存在であることを頭の中心に置いておきたい、そう思います。
次は校内だけには留まらず、広く“社会参加の文化“の普及活動を行なっている中京大学非常勤講師の伊沢令子さんにバトンを渡します。

第95回 名古屋市立北高等学校 安藤 理恵 先生(名古屋市立大学 名古屋市連携推進特任教授)

授業に新しいツールを積極的に取り入れている、名古屋市立富田高校の野田真吾先生からバトンを受け継ぎました。
私は、名古屋市立北高等学校国際理解コースで主担当として、カリキュラム作りや国際理解教育の実践に取り組み、現在は、名古屋市立大学にて、高大連携推進特任教授として、アクティブラーナーを育む国際理解教育の実践をしています。
JICA中部主催による開発教育指導者研修で学んだ、「参加型」で「教えない」ファシリテーションの手法を用いたESDは、私の教育観を変えてくれました。生徒たちは、グローバルイッシューを深く理解し、自分事として捉え、アクションに繋げる力を身につけて、グローバルシチズンへと変容しています。
次は、オルタナティブスクールあいち惟の森 二宮由布子先生にバトンを渡します。

第94回 名古屋市立富田高等学校 野田 真吾 先生(地歴公民科・学年主任)

いつも笑顔が素敵な中部大学の古澤礼太准教授からバトンを受け継ぎました。中部サステナ政策塾で SDGs や ESDを学んだ際に大変お世話になりました。
私は6年ほど前から「生徒の主体的な学び」をSDGsと関連させて取り組んでいます。教師がしっかりと知識や取り組み方を伝え、でも正答を教えすぎない。答えが1つではない問いに、生徒が深く考え自分の意見や疑問を持つ。毎回、書いてきた文章に個別添削&フォローしています。
ICT機器を積極的に活用し、受け持つ全授業をPowerPointで実施。オンライン授業にもスムーズに移行できました。スマホやタブレットで反復練習できるよう、Apple Booksに自作の問題集を無料出版しました。
主権者教育は、政治する「人」と会うことから。『名古屋市で高校生議会を開催したら何を要望していくか』を考え、教室に現役若手政治家を招き、一緒にグループワークをして考えを深めていきました。
大学進学への道筋は立てつつ、生徒たちにその先の人生を生きる力をつけてきたいと思います。
次のバトンは、同じ名古屋市立の高校で国際理解教育に熱心に取り組まれている安藤理恵先生にお願いしたいと思います。

第93回 中部大学 国際ESD・SDGsセンター 古澤 礼太 先生(准教授・中部ESD拠点協議会事務局長)

ESD(持続可能な開発のための教育)の活動で出会った、当時高校生だった加納健介先生からバトンを受け取りました。
私は、2005年の愛・地球博(愛知万博)でESDと出会い、今日まで活動を続けています。主な仕事は、国連大学が認定するESD地域拠点(Regional Centres of Expertise on ESD)のひとつである「中部ESD(RCE Chubu)」のプロジェクトの企画や実施です。持続可能な社会づくりやSDGsの達成のためには、学びが不可欠です。東海・中部地域では、伊勢・三河湾に注ぎ込む河川流域をひとつの大きな地域として捉え、さまざまな地域課題の解決に向けて、多様な主体の参加によるESD/SDGsプロジェクトを実施しています。現在は、「祭り×生物多様性」プロジェクトを実施しています。
次は、私たちの活動「中部サステナ政策塾」で共に学んできた野田真吾先生にバトンを渡します。

第92回 学校法人尾張学園・豊田大谷高等学校 加納 健介 先生(地歴公民科・就職指導主事)

第5回ESD※ユースコンファレンスで出会った、パートナーシップで多彩な教育活動を行う西尾亜利紗先生からバトンをいただきました。
学生時代にESDについて興味を持ち、今まで様々な取り組みを調べ、授業等で実践してきました。近年はユースコンファレンスで出会った方々とのコラボにより学内外で、リモート職場体験、福祉の出張授業、SDGsカードゲーム体験などを行いました。
「社会に開かれた教育課程」により、生徒が社会とつながり、主権者となっていくことを目指して、日々の教育活動を行っています。まずは自分自身が「やってみよう」の精神で様々なヒト・モノ・コトに出会うことを心掛けています。今年度も進路指導でオモシロイことを実践する(してもらう)予定です。
次は学生時代からESDの活動で様々な刺激をいただいている中部大学の古澤礼太先生にバトンをつなぎたいと思います。

※Education for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」

第91回 四日市市立橋北中学校 西尾 亜利紗 先生(英語科主任・家庭科主任・人権教育推進担当)

日頃の活動だけでなく、生き方そのものが地球に寄り添い、地域や人を自ずと活性化させる田口 真太郎先生からバトンをいただきました。
私が日々取り組む教育のキーワードは「本物との出会い」です。様々な環境に生まれ育った子どもたちが義務教育を修了し社会に出るまで、その期間はたった9年間しかありません。その中で、彼らの生き方の道標となる「自分が好きなもの」「心がワクワクするもの」を見つける出会いを創造することが教育の意義であると私は思っています。そのための世界共通言語となるSDGsを軸に、教師だけでなく、人、もの、経験、多様なゲストとともに学校教育の可能性を最大化し、これからも生徒の夢の種を育む授業を行っていきたいと思います。
次は、SDGsやESD、日頃気になったことを気軽に議論できる仲間の豊田大谷高等学校の加納健介先生にバトンを渡します。

第90回 成安造形大学 未来社会デザイン共創機構 研究員(助教) 田口 真太郎 先生(滋賀県社会教育委員)

Google Earthを使い地球視点でESDに取り組む新井啓太先生からバトンをいただきました。
私は滋賀県で産官学民連携のまちづくり活動に取り組んでおり、大学生や高校生に向けて「地域の本物の体験」を通した自発的な活動が起こることを支援しています。
普段から「地域の価値とは?」を説明する際には「複素数(a+bi)」の話をします。つまり、目に見える実数だけが価値ではなく、目に見えない虚数のような関係性も見なければ、地域の価値は正しく理解できないということです。
地域の風景を翻訳する力が身につけば、地域が面白くなると信じています。これからも学生と地域を繋ぎ、共に地域で学び・遊ぶ仲間を増やしていきたいと思います。
次は、ESDとローカルSDGs仲間で、生徒思いで行動派の四日市市立橋北中学校教論の西尾亜利紗先生にバトンをお渡ししたいと思います。

第89回 相模女子大学中学部・高等部 新井 啓太 先生(美術教諭・ICT担当)

柴犬をモチーフにした愛情たっぷりの作品を数多くつくり、国際色豊かな環境で子ども以上の好奇心を持って行動されている茂田先生からバトンをいただきました。
冒険家ではありませんが、南極地域観測隊に同行し、最果ての地である南極昭和基地と日本をつなぐ「南極授業」を芸術授業として展開させてもらいました。学校では「教室を飛び出す学び」と「すきま時間」を大切にしています。
生徒たちが未来を切り拓く上での背骨づくりとなる教科が美術です。表現活動を特定の技法や環境に限定せずに、自分だけの答えを掴み取ろうと試行錯誤する過程こそが重要だと考えています。教えることよりも、壁を自ら乗り越えていく生徒たちの逞しい姿から学ぶことばかり。今は想像すらできないものを、学校や授業の枠を超えて生徒たちと一緒に追いかけていきたいと思います。
このバトンは、ESDやEarthの活動仲間である「たぐっちゃん」こと、成安造形大学未来社会デザイン共創機構の田口真太郎先生へつなぎます。

第88回 Canadian Academy 茂田 可愛 先生(小学部ICTインテグレーション)

教育テクノロジーのご経験と知識が豊富で情熱的、なのにクールで頼れる「縁の下の力持ち」小池先生からバトンをいただきました。
インターナショナルスクールの小学部の授業・カリキュラムにICTを取り入れ、担任や教科の先生たちの技術的サポートをしたり、デジタルシチズンシップの授業をしたりしています。授業の「Tinkering」が最近の私のバズワードです。正しい答えや決まった道筋があるわけじゃないけれど、道具や様々なものをいじくりまわしているうちに、自らの学習を組み立て、知識を得て、どんどん進んでいくイメージです。子供たちが辿り着く未来が楽しみで仕方ありません。
次は、Google for Education認定イノベーターのチームメイトで、生徒と一緒に教室を飛び出す行動派、自分は南極までも行ってしまう「冒険家」の新井啓太先生にバトンを渡します。

第87回 和光中学高等学校 小池 則行 先生(情報科教諭・システム管理者)

その場の雰囲気がぱっと明るくなるような素敵な笑顔で魅了する、やわらかい学びの空間プロデューサーの、あいちゃん先生からバトンをいただきました。
学内では情報科教員とシステム管理者・コーディネーターとして、学外ではGEG新宿Shinjukuリーダー、Adobe Education Leaderとして、TechnologyとCreativityで教室を一杯にするよう活動しています。学内外問わず、さまざまなコミュニティに参加し、影響し合うことが、刺激と創造性の満ちた教育への原動力になると実感しています。
自分が惚れ込んだテクノロジーが生徒や教員のニーズにスコンとハマって、Wao!の瞬間を共有できるのが何より快感ですね。自分が本気でいいと思ったものは伝染するものです。そして、こちらが想像もしなかったレベルに昇華してしまう生徒の姿を目の当たりにするとき、まさに「後生畏るべし」と感じます。
次にバトンを渡すのは、海外のテック事情にも精通し、なめらかな喋りとツールの扱いを披露する姿にぐいぐいと惹きつけられる、Canadian AcademyのTech Coach 茂田可愛先生です。

第86回 茨城県常総学院中学校 祐源 愛 先生(国語科教諭)

いつも元気はつらつで、その行動力に私がいつもエネルギーをいただいている黒澤絵里香先生からバトンをいただきました祐源愛です。
「心躍らせながら学校生活を送る」がモットーです。「学ぶ」とは、大人も子どもも心を躍らせる体験のはずだと思うのです。「これはいいかも!」という授業内容が思いついたときは、(心の中で)スキップしています。まして、その授業で私自身が気づかなかった内容に生徒たちがどんどん発展させてくれるときなどは、これ以上ないほど幸せです。生徒たちの無限の可能性を肌で感じるのです。こんなにも瑞々しい瞬間に一緒にいさせてもらえるなんて、「教員」とはなんて素敵な職業なのだろうと感じます。これからも躍りながら、スキップしながら学校生活を送ります。
それでは、時に冷静沈着に的確な示唆を与えてくださり、時にその情熱で周囲をエンパワーしてくださる日本指折りのICTマスター、小池則行先生にバトンを繋ぎます!

第85回 福島県立保原高等学校 黒澤 絵里香 先生(英語科教諭)

大きな心で生徒を包み、自らも楽しみながら教科横断的な学びを提供している久保寺先生からバトンをいただきました黒澤絵里香です。
 「生徒も私もワクワク」を胸に授業をデザインしています。生徒に学びを委ねたり選択させたりすることや、生徒の中に生まれる「問い」を大切にすることが、学びを楽しく深くしてれると感じています。より善い選択をするためのより善い自分創りを目指し、社会・世界と生徒達を繋ぎながら生徒達がハッピーに生きていける選択肢を増やしていけたら、と思います。私自身も、ふくしまソーシャルワークラボやGEGなど学校外の組織に身を置き、多くの繋がりと多様な考えに触れることに幸せを感じています。
 次は、”ICTを使いこなす大和撫子”として世界進出もしている、茨城県常総学院中学校・高等学校の祐源愛先生にバトンを繋ぎます。

第84回 山梨県立山梨高等学校 久保寺 信一 先生(英語・2学年主任)

宮城県でSDGsやICTを推進なさっているスーパースター西村吉史先生からバトンを受け取りました。
「目の前の子供たちのために最善を尽くす」この思いは教員であれば誰もが抱いていると思います。しかし、残念ながら、やろうと思えばできる(かもしれない)のに、やらないまま現状維持で安心してしまっている方を数多く見かける気がします。子供たちには「失敗を恐れずチャレンジしてごらん」と言います。でも自分の一番身近な存在である教員がチャレンジする姿勢を見せていないのに子供たちはチャレンジするでしょうか?僕はそんな気持ちを抱きながら色々な新しいチャレンジを続けています。もちろん失敗もたくさんあります。でもそこから学べることはもっとたくさんあるように感じています。
このバトンは、向上心のカタマリで日々アップデートを続ける福島県立保原高等学校の黒澤絵里香先生につなぎたいと思います。

第83回 宮城県仙台第三高等学校 西村 吉史 先生(英語科教諭)

SOZO.Edの主宰として、より良い学びの実現のために進化し続ける海老沢穣先生よりバトンをいただきました、西村吉史と申します。
自分が生徒と関わる上で大事にしているのは、「生徒が幸せになること」です。そのためにも、まずは周りの人を幸せにしてあげられる知識やスキル、考え方を身につけることができるよう、日々の授業をデザインしています。自分の授業を通して、生徒が何のために学び、誰のために学ぶのかと言うことに気づき、課題解決の先にある誰かの幸せのために自分の足で走り始めてくれたら、こんなに幸せなことはありません。
これからも、自分自身が幸せ探求者として学び続ける姿を、生徒たちに見てもらえたらと思っています。このバトンは、山梨にて日々子供たちの幸せを願い理想の教育を追い求めている、山梨高校の久保寺信一先生にお渡しします。

第82回 東京都立石神井特別支援学校 海老沢 穣 先生(指導教諭)

理科×ICTの素晴らしい実践に取り組まれ、全国の私立小学校を牽引している吉金先生からバトンをいただきました海老沢です。
日本社会の多くの分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められる中、学校教育も大きな変革を迫られています。これまでの日本の教育や授業の知見を生かしつつ、新たな発想や授業デザインを取り込んでいかなくてはなりません。誰もが幸せに暮らすことのできる「ウェル・ビーイング」を教育の大きなビジョンに据え、クリエイティブでイノベーティブな社会を実現するために、どんな学びを築いていけばいいか。教師自身がアクティブラーナーとしてチェンジメーカーとして学び続けていくことが大切ですし、その学びは楽しくてワクワクするものでありたいですよね。そんな学びを生徒たちと果敢に実践されている宮城県仙台第三高等学校の西村吉史先生にバトンを託します。

第81回 宝仙学園小学校 吉金 佳能 先生(理科・ICT教育研究部主任)

いつもスマートでみんなの人気者、榎本先生からバトンを受け取った、吉金です。
私は、今年で教職14年目、ずっと理科専科として勤務しています。また2018年、私立小の先生方と「192Cafe」というコミュニティをつくり活動しています。
さて、私が目指す授業は、「鳥人間コンテスト」です。
ゴールとルールが明確であり、ゴールに向かって、チームで全力で取り組む。トライ&エラーは必須で、自然とフィードバックが生まれる。そして、終わった後の圧倒的な達成感。
小学生の段階で、そんな体験をひとつでも多くして欲しいと思い、ペットボトルロケットコンテストやエッグドロップコンテストなどの科学コンテストをカリキュラムへ位置付けています。何かを追究する時のワクワクする気持ち、それは学びの原点です。私自身も、子どもたちと一緒にワクワクできる人であり続けたいと思っています。
このバトンは、クリエイティブな学びを追究する先生たちのコミュニティ、「SOZO.Ed」代表の海老沢先生にお渡しします!

第80回 森村学園初等部 榎本 昇 先生(小学校教諭)

聖徳学園中学・高等学校でグローバルな視点からSTEAM教育を牽引する品田 健先生よりバトンを頂戴しました森村学園初等部の榎本です。
この10年間、小学生と共に身のまわりの世界にあふれる物語を映像作品として制作してきました。変わっていく世界の形をレンズで切り取りながら、人の力強い営みなどに触れることができました。以下は作品制作中の資料の中に見つけた小学生の一言です。
「先のことが分からないと怖くなるから、この当たり前を求めるのだと思います。当たり前なんてどこにもないのに。」
人は学び、物事の本質を知ることで様々な恐怖や不安から抜け出し、さらには解決さえしてきました。この不安に満ちた世界を変え得る力はまさに学びであり、その学びを支え続けるのは私たちなのではないでしょうか。
次は理科を通じて子どもたちと物事の理を追求する宝仙学園小学校の吉金佳能先生にバトンを繋ぎたいと思います。

第79回 聖徳学園中学・高等学校 品田 健 先生(Executive ICT Director・学校改革本部長)

英語の授業を通して生徒のクリエイティブな力を伸ばし、学ぶことの楽しさを実感させてくれる仲間を増やす影響力をお持ちの東京成徳大学中学・高等学校の和田先生からバトンを頂戴しました、聖徳学園の品田です。
コロナ禍は社会に大きなダメージを与えていますが、学校という存在、教員の役割、そもそも学ぶとはどういうことなのかといったことを考え直す大きな機会を与えてくれることにもなっています。このようなきっかけで教育が変化していくことは必ずしも望ましいことではありませんが、こんな時だからこそ本当に必要な学びとは何なのか突き詰めたいと考えています。
その一つとして本校ではSTEAM教育の開発に取り組んでいます。今まで先生から与えられていたに過ぎない「課題」をいかに自分の「作品」(ART)として創造するのか、生徒の学びを方向修正したいとチャレンジしています。「これこそSTEAMである」というものを定義づけるのではなく、様々な学びをSTEAM教育として活性化できればと思います。
次は森村学園小学校で児童の創造性を広げる取り組みを行なっている榎本先生にバトンをつなぎたいと思います。

第78回 東京成徳大学中学・高等学校 和田 一将 先生(英語科・ICT活用推進部長)

先生や周囲の大人が教えすぎず子どもたちに学びの裁量を委ね、Happiness Creator”世界の幸せを創り出す人材”の育成に尽力されている新渡戸文化中学・高等学校の山本崇雄先生から僭越ながらバトンを受け取りました和田一将です。
現代の子ども達は我々大人が思っている以上に、「何のために学ぶのか」「何のために学校に行くのか」という部分を気に掛けながら学校生活を送っているように感じます。
特にコロナ渦における不安定な情勢だからこそ「友達や先生たちと一緒に、学校でしかできない学び」を強く求めています。
私たち教師の役割は、学校生活において子どもたちが創造的な、楽しい「学ぶのって本当に楽しいな」と思える体験をひとつでも増やしていくことではないでしょうか。
次は聖徳学園中学・高等学校で日本のSTEAM教育を牽引する品田健先生にバトンをつなぎたいと思います。

第77回 新渡戸文化小中高等学校 山本 崇雄 先生(英語科教諭)

自らの好奇心や探究心が子どもたちのロールモデルになっている聖学院中学校・高等学校の榊原研一先生よりバントを受け取りました山本崇雄です。
世の中が誰も取り残さない寛容な世界になってほしい。そう願って教育活動をしています。しかし、残念ながら今の日本は社会的に弱い立場の人たちを取り残している状態になっています。学校ではどうでしょうか?テストという認知テスト偏重で、取り残されてしまっている子どもたちはいないでしょうか?子どもたちが自律して学び、さらに社会を変える可能性を感じながら学び続ければ、リアルな社会も変わっていくと信じています。全ての子どもたちを取り残さない学校作りを通して未来を作っていきたいです。
このバトンは、生徒のクリエイティビティをとことん伸ばし、自律的な学びを実現している東京成徳中高の和田一将先生に託します!

第76回 聖学院中学校・高等学校 榊原 研一 先生(英語科教諭)

いつまでも少年の心を忘れず、瑞々しい感性で生徒に寄り添い続ける今井 清光 先生からバトンを受け取りましたKenichi Miracle Sakakibaraです。
「英語教育自体を誰よりも楽しんでいる」という教育に携わる者として最上級の褒め言葉を頂きましたが、2020年11月現在、コロナの影響もあり勤務校は大改革真っ只中で日々のたうち回っております。これまでのやり方が全く通用しなくなる経験は年齢を重ねれば重ねるほど辛くなるものですが、自分自身をアップグレードしていく良い機会だと捉えています。
ここで一度、初心に立ち帰って、私が授業で実践して行きたいことを記してみたいと思います。

✔︎【フロー体験】役立つかどうか、出来るようになるかどうかばかり追い求めるのではなく、「学んでいることそれ自体」に没頭できる授業
✔︎【メメントモリ】明日死んだとしても後悔が残らないように、「自分が何者か」に気付くための発問がある授業
✔︎【自己効力感】人間には元来、問題に立ち向かい解決する創造力が備わっていると実感できる授業

社会構造が大きく変わろうとしている今、まずは私自身が自分を見失わず、自分が信じる教育を楽しみながら実践していきたいと思っております。
次は、誰よりも子供達の可能性を信じ、果敢に挑戦する教育界のアントレプレー、私の大好きな「教えない授業」でも有名な新渡戸文化中学校の山本崇雄先生です。
聖学院中学校・高等学校《英語教育 グローバル教育 帰国生》

第75回 東京都立科学技術高等学校 今井 清光 先生(国語・進路部主任)

高橋尚幸先生から「自然な学び」という過分なお言葉をいただきましたが、残念ながら最近は「不自然な」授業が続いています。というのも、私の説明時間が授業の半分もあるのです。担当している生徒たちは十分に力を秘めていますが、それを発揮することに慣れていません。仕方がないので、ある時期まではと割り切って、やり方を教えています。よく聞く老子の格言に「魚を与えるのではなく、釣り方を教えよ」というものがあります。たしかに、いかに魚を与えるかで四苦八苦している授業を見ると、先生も生徒も大変そうです。それよりは釣り方を教える方が建設的だとは思うのですが、その段階は最終目的地ではないはずです。釣り方をいつ使うかは生徒が判断することですし、本質を失わない程度には生徒各自がアレンジすべきです。「君たちは魚釣りを楽しんでいるかい?」の段階に進むために、釣り方を教える段階は早く終えたいところです。試行錯誤は続きます。
このバトンは、英語教育自体を誰よりも楽しんでいる、聖学院中学校・高等学校の榊原研一先生にお渡しします。

第74回 宮城県白石市立白石第一小学校 高橋 尚幸 先生

遠藤直哉先生からバトンを受け取りました、高橋尚幸です。
パワー溢れる遠藤先生とは異なり、私は普通の小学校教員です。ただ、子供たちが自律的に学ぶ教室を目指して、試行錯誤を続けている中で、学習レポートを書きまくる授業や、時間割を各自が設定する授業など、ちょっと変わった授業にたどり着きました。
また、地方で働く私は、子供たちが積極的な理由で地元に残り、幸せな人生を送って欲しいと願っています。そのためには、小中学校時代の人間関係が重要であるという仮説を立て、検証してきました。現時点で辿り着いた答えは、「自然な姿」であることの大切さ。学校の様々な不自然さを少しずつ剥がしながら、日々の授業を作っています。
このバトンは、東京都立科学技術高等学校の今井清光さんにお渡しします。私が知る限りでは、高等学校で最も「自然な学び」を作っている先生の一人です。

第73回 会津若松ザベリオ学園中学高等学校 教頭 遠藤 直哉 先生

「自走エンジン」で東北を牽引する延沢恵理子先生からバトンを受け取りました、自他共に認める「暴走特急」の遠藤です。今年の4月、公立から私立へと大きく路線を変更し、暴走を続けております。
 私は、「結果」だけを学ぶ学問には意味がないと考えています。問いに対する答えは、新しい問いを生みます。もっと日常の中に「なんで?」「だから何?」があっていい。例えば、「うんこはなんで臭いんだ?」を生理学や進化学的にじっくり考えると意外と難しいんですよ。そうした課題発見力を培うためには、日頃から生徒に「日常の当たり前を疑う」という心を植え付ける教員が必要です。「常識に縛られない教員」がもっといてもいい。そんな私が、私立という水を得てしまった。今、学校の中に「変えて委員会」と「猫カフェ」を作りたいと思っています。(理由は割愛)楽しい学校を作りますぞ~! 
 このバトンは、小学校で「子どもたちが自分で時間割を作って自ら学ぶ」という実践を行っている高橋尚幸先生に渡します。小学生から本当の主体性を育てることができたら、どんなに楽しい未来になるだろう・・・わくわくします。

第72回 山形県立東桜学館中学校・高等学校 延沢 恵理子 先生(国語・高校1年次主任)

国語教師の枠を飛び越えて、「学びに向かう力」を測定し、実践に豊かに繋ぐ齋藤祐先生からバトンを受け取りました山形の延沢です。
私は、長く高校のキャリア教育に携わり、この3年は中学に移籍して、学びへのワクワク感、「自走エンジン」を有するタフな生徒の育成を目指してきました。現在も、単なる自己表出に留まらない、客観性を問い、向上的変容を迫る、骨太の授業や新たなキャリア教育を探究中です。「問い」は、思考を変え、行動を変え、生き方を変えていきます。縁あって出会った「命の塊」たちに、そんな宝を持たせて、終わりのない冒険の旅に送り出したい。この時代に東北に生きる者として、東北の子らを世界へ繋ぎたい。そう願って、学びの輪を広げ、そこで出会った仲間と共に、私自身の探究を楽しんでいます。
このバトンは、震災後のフクシマの復興を願い、「当たり前を疑う」授業実践を重ね、自らも生き方を問い、公立高校を飛び出した、東北の雄、会津若松ザベリオ学園中高の遠藤直哉先生にエールを込めてお渡しします。

第71回 中央大学附属中学校・高等学校 齋藤 祐 先生(国語科教諭)

探究学習を学びのスタンダードにすべく奮闘されている、桐蔭学園・登本洋子先生からバトンを引き継ぎました、中央大学附属中学校・高等学校の齋藤祐です。
国語科なのにSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の運営委員となり、ついには、こんな論文まで発表するようになりました。
学びに向かう力をどうハカるか?—コンピテンシー自己評価アンケート分析—
新型コロナウィルスのおかげで、やれオンラインだ、動画配信だという声が飛び交っていますが、それらはあくまでも教育の「手段」にすぎません。対面であれ遠隔であれ、どのような「目標」を設定し、そのうえで、どのような活動を場面として提供できるか、学校や授業、引いては教員の役割そのものが問われているのではないかと感じています。
このような時期だからこそ、狭義の「学力」ではなく、生徒の「学びに向かう力」を育む実践を模索していきたいと思っています。
このバトンは、山形県初の公立中高一貫校である、東桜学館中学校・高等学校で、日々、生徒の学びを支援されている同志・延沢恵理子先生にお渡しします。

第70回 桐蔭学園 登本 洋子 先生(情報科教諭・探究統括主任)

探究的な学びとICT活用をけん引されている菅原先生からバトンを頂戴し、至極光栄です。また、みなさまの学びの輪に加えてくださり、ありがとうございます。
私は、教科「情報」をこよなく愛する「情報」の教員で、中学・高校、中等教育学校にて探究統括主任を務めています。
この学びの輪のバトンのように、教育は次の世代へと受け継いでいくバトンだと考えています。その次の世代に渡したいものが「情報」と「探究」にはたくさん詰まっているので、日々「情報」と「探究」に情熱を注いでいます。現在、自宅学習・分散登校によってオンライン学習を行っていますが、オンライン学習であっても情報を根底に、「探究」することを継続しています。
先生方と探究の学びの輪をさらに広げていきたいです!どうぞよろしくお願いいたします。
探究マップの考案者で、生徒の学ぶ力を熱く引き出す中央大学附属中学校・高等学校の齋藤祐先生に学びの輪のバトンをつなぎます。

第69回 宮城県仙台市立錦ケ丘小学校 菅原 弘一 校長

沖縄の高校生たちとの素敵な出会いを作ってくれた登川先生からバトンを受け取りました。宮城県仙台市立錦ケ丘小学校の菅原弘一です。
本務の傍ら「探究的な学び」を実現するための研修等のお手伝いをしています。先行き不透明な時代,変化に対応するために大切なのは「学び続ける」ことだと思っています。そして,何かを知りたいと思う「心」やおもしろいと思う「感覚」を磨くことが,その原動力になると考えています。私が,授業づくりで大切にしているのは,「知りたい気持ちをふくらませる」仕掛けです。子供たちには,「知るっておもしろい・探究するって楽しい」そんな気持ちを大切にしながら,自分自身が成長するための学びを積み重ねてほしいと願っています。
バトンは,文部科学省のお仕事でご一緒させていただいた,『学びの技』の伝道師・桐蔭学園の登本洋子先生に渡します。

第68回 沖縄県立宜野座高等学校 登川 美奈子 先生(英語・進路指導部)

アイデアも実行力も想像の上を行くパワフル同年生、神谷先生からバトンを受け取りました沖縄県立宜野座高校英語科の登川美奈子です。今年度は進路指導部でキャリア教育研究協力校・総合的な探究・インターンシップ・HR係を担当しています。
現任校は、小規模校で教員数も23名しかいませんが、少ないことを強みに小回りを利かせ、一人一人が自分の役割を果たしながら生徒の成長のために向かっている環境で私自身も成長させて貰っています。「人との関わりを通して協働し創っていく」を目標に今の環境で私についた力が、これからの世界を生き抜く生徒たちに必要な力なのではないかと常々思いながら、試行錯誤の日々です。
バトンは、仙台市でのキャリア教育の取組、探究的な授業づくりなどをはじめ、「探究」をご自身で体現しつつ、新しいアイデアで私をインスパイアしてくださる仙台市立錦が丘小学校校長 菅原弘一先生へお渡しします。

第67回 沖縄県立北中城高等学校 神谷 百恵 先生(数学・キャリア教育担当)

同級生にして学びの大先輩、酒井先生からバトンを引き継ぎました沖縄県立北中城高校の神谷百恵です。今年度はキャリア教育を担当しています。
現勤務校は初任校から数えて5校目。特色の異なる学校に共通して求められているものは、まさに「キャリア教育」でした。そしてたどり着いたのは、生徒の「これまで」を「これから」につなげる授業。自分の成長を実感したときの生徒の誇らしげな顔、他者の良さを認めたり他者から認められたりしたときの嬉しそうな顔。その積み重ねが自信となり、将来を見通す力になると信じています。
生徒の「今」を「未来」へつなぐ橋渡しができる『教師』って素晴らしい仕事ですね。これからも全国の先生方と一緒に、学び続ける教師でありたいと思います。
バトンは、キャリア教育研究指定校で奮闘している同級生、登川美奈子先生に渡します。

*NHKEテレで、仕事の「やりがい」と「ミライ」を考えるキャリア教育番組ミライのしごとーくが放送中です。指導案・ワークシートの作成をお手伝いさせていただきました。よかったらぜひご覧ください!

第66回 立命館宇治中学校・高等学校 酒井 淳平 先生(数学科教諭・高3学年主任・研究主任)

尊敬している偉大な忍者、児浦先生よりバトンを引き継ぎました酒井淳平です。
私は今、学年主任・研究主任として総合的な探究の時間のカリキュラム開発・授業実践に取り組んでいます。「与えてもらう“お客さま”から、何かを産み出す“生産者”へ」。学校として大切にし、生徒に繰りかえし伝えているこのメッセージですが、より良い教育を創っていくマインドを持てるかどうか、実は教員にこそ言えるように感じています。探究のカリキュラム作りも学年運営も試行錯誤の毎日ですが、日々の教育活動を通じて教員がチームとなり、その結果生徒も教員も成長していく、そんな学校になればと思っています。そのためにもまずは自分から。いろんな方たちと一緒により良い教育というものを探究したいと思っています。
バトンは文科省のキャリア教育関係の仕事などで何度かご一緒させていただいた、パワフルな弾丸娘、沖縄県の神谷百恵先生に渡します。

*NHKEテレで、仕事の「やりがい」と「ミライ」を考えるキャリア教育番組「ミライのしごとーく」が放送中です。指導案・ワークシートの作成をお手伝いさせていただきました。よかったらぜひご覧ください!

第65回 聖学院高等学校 児浦 良裕 先生(数学)

産能大フォーラムで授業を一緒にやらせていただいた、憧れの平川裕美子先生からバトンを引き継ぎました、聖学院中高の児浦良裕と申します。

●私は民間企業で16年勤めてから教員になりました。そこで、教員というよりは仕事人として、大切にしていることを書いてみました。仕事には「3つのシキ(識・織)」が大切であると考えています。
●1番目は知識です。何か問題があったとき、解決策を見つけるために、どこに何があるのか、誰に何を聞けばいいのか、自分のINDEXを作ることがまずは大切です。そうすると、様々な方向にアンテナが立てられるようになります。
●2番目は意識です。問題意識のアンテナを高め、自分や他者、社会を多面的に批判的に洞察する目を養うことが大切です。そして、その問題意識をもとに課題設定し、その解決のために根拠を持って主張し行動することが大切になります。
●3番目は組織です。知識や意識をベースに、個人ではなくチーム・組織のためにビジョン構築、課題設定、チーム構築、協働貢献していくことが大切になります。ここが最も難しいし、成果を上げるために最も重要なシキとなります。
●これら3つのシキは、教員はもちろん、生徒達にも共通していると思います。今の仕事やプロジェクトはどのシキの段階にあって、どのシキが足らないのか、意識して見るようにしています。
●それでは、このバトンを探究や数学教育の師匠であり、同級生でもある、立命館宇治の酒井淳平先生へバトンをお渡しします。

※4/13に「今日から使えるワークショップのアイデア帳 会社でも学校でもアレンジ自在な30パターン 」(翔泳社)を共著で出版します!良かったらご感想をお聞かせくださいませ。

第64回 福岡県立大牟田北高等学校 平川 裕美子 先生(国語・1学年主任)

福岡県は勿論のこと全国の先生方を励まし導いてくださる、憧れの和田美千代先生からバトンを引き継ぎました平川裕美子です。
「眼前のベルトコンベアに流れる荷物をひたすら箱に詰める作業…先の工程も、今の作業がどう役に立つのかもわからず、つらかった。」初任の頃に聞いた、企業研修での同僚の感想です。この時、はっとしました。授業も同じではないか…と。
それから、単元を通してどんな力をつけるのか、その力がどう役に立つのかを、生徒が見通せる授業を目指すようになりました。やがて、その思いは「単元を貫く問い」となり、さらに、生徒自身が疑問点を挙げ、それを解決するために本文を深く読み、導き出した自分なりの答えを伝える授業スタイルになりました。近年、この授業スタイルが探究のサイクルと全く同じであることに気づき、やはり学びの本質は教科でも探究でも同じなのだと感じています。
次は、産能大フォーラムの体験授業担当でご一緒させていただいた児浦良裕先生にバトンを渡します。

第63回 福岡県立城南高等学校 和田 美千代 校長

私をオンラインの世界に誘ってくれた松嶋渉先生からバトンを受け継ぎました和田美千代です。
長年、普通科高校の進路指導部で働き、高校生が大学受験を乗り越えて、一人立ちしていく瞬間にゾクゾクするほどの悦びを感じてきました。彼らに寄り添い伴走するコーチみたいなものですかね。その過程で「想い」のある人の強さを感じ、生徒主体の進路学習ドリカムプランを開発し、アクティブラーニングから探究へと展開してきました。根っこにあるのは「人を駆動するエンジンは何だろう」という問いです。まだまだ答えは見つからず私自身が学び続けています。そしてまた、それが楽しくて仕方ない。(時々学びすぎて故障します笑)それぞれが自分の内発するものによって生きられる社会であればいいなあと思っています。
次は福岡県のホープ、平川裕美子先生です。

第62回 山口県教育庁 松嶋渉 先生

広島県の教育の未来を担う新鋭山崎先生からバトンを引き継ぎました山口県の高校教師、松嶋です。
現在は、教育委員会事務局で仕事をしていますが、それまでは社会とつながった本質的な学びを追求し、地域との連携・協働やICTを活用した教育を実践してきました。その実践は、目の前の生徒たちの状態・状況や地域や地域外の方とのつながりの中から生まれてきたもので、試行錯誤の連続でした。
これからも生徒たちの状態・状況を見取り、生徒たちが主体的に学ぶための学習環境と学習文化を創っていくために、学び続け、産能大フォーラムのような素晴らしい実践家と出会える場を生かし、多くの方と交流して、より良く変容していけるように在り続けたいと思っています。
バトンはアクティブ・ラーニング界のお母さん、尊敬する和田美千代先生に渡します。

第61回 広島県立広島観音高等学校 山﨑友亮 先生(数学科教諭・1学年担任・(問い立てラボ世話係))

高校のときの思い出は?
そこに数学の2文字はでません。毎日数学の授業があったのに・・・,勉強であれだけ青春の時間を費やしてきたのに・・・。
さらに質問,
現在数学を使っている実感はありますか?あるいはもう一度数学を勉強したいですか?
ほとんどの方がNo!
自分は数学教師として何をしているのだろう・・・。
受験のためだけの授業になっていないだろうか,得意な人だけが数学を楽しんではいないだろうか。いつから学ぶことが楽しくなくなったのでしょうか。
仕事も勉強もどうやったらオーナーシップをもってワクワクできるのだろうか。
そんな私は現在,授業では「街歩き数学」や「なんでも数学」に挑戦し学び続けています。
私の場合,飯盛先生が運営するedcamp Hiroshimaに偶然参加して学ぶ楽しさに衝撃を受けました。そこで出会った山口県の松嶋先生に次はバトンタッチです。

第60回 広島城北中・高等学校 飯盛聡士 先生(理科(化学)・中2学年主任・edcamp Hiroshima世話人)

いつも生徒とともに学ぶ姿勢を貫いておられる豊田拓也先生よりバトンを受け取りました。
私の所属学年では、「今しかできないことを・ここでしかできないことを」をスローガンとして掲げ、日々の営みが本当に「今・ここ」なのかということに神経を研ぎ澄ませるよう生徒に伝えています。インターネットが発達した現在、時間と距離がこれまでとは比較にならないほどに縮まり、知識の伝達という機能だけでは学校そのものの存在意義が問われる時代になってしまいました。そのような中、私は「知識構成型ジグソー法」を授業に採り入れ、伝えたい・聴きたい意欲、伝える・聴く責任がある状況を創り出し、「分かり方は人それぞれである」「使いながら学ぶ」ことを体得する授業を展開しています。
次は、広島市近隣の教育に携わる方々の学びの場である「問い立てラボ」世話人、広島観音高校の山﨑友亮先生にバトンを繋ぎます。

第59回 熊本県立八代清流高等学校 豊田 拓也 先生 (数学・進路指導主事・高大接続改革プロジェクトリーダー)

すべての生き物をこよなく愛し、常に学び、挑戦し、魅力溢れる教育実践をされておられる跡部弘美先生からバトンを預かりました。
この10数年、考え方や解法が習得できた生徒が、時間が経つと「わからない」「できない」に変わってしまう現状を何とか改善したいと悩む中で、小林昭文先生やALくまもとのメンバーと出会いALを意識した授業づくりに挑戦を始めました。生徒がアクティブラーナーに育つためにも、まずは自らもアクティブラーナーでありたいとリアル&オンラインでの学習会に参加し「つながりながら学ぶ」日々です。個人思考⇔シェア⇔演習⇔アウトプットのバランスを考えた授業づくりに試行錯誤の毎日、激変する社会で生き抜くための力を身に付けてもらうためにも、学校と社会をつなぐ架け橋的存在を目指し、学び続けます。
次は、edcamp広島を企画・運営し、先進的な教育実践を続けておられる広島城北高校の飯盛聡士先生にバトンをつなぎます。

第58回 福岡県立福岡高等学校 跡部 弘美 先生(生物)

生徒のことを一番に考え、カウンセリングマインドを大切に精力的に英語教育に臨まれている園元恭子先生からバトンをいただきました。
私は50年以上の歴史のある九州高等学校理科教育会「生物研究ノート」の編集に長年携わってきました。その中で、たくさんの先生方と関わり合い、生徒の思考力をどう育てていくのかをずっと考え続けてきました。生物部の活動の中では「研究する」とはどういうことなのかを生徒とともに試行錯誤してきました。アクティブ・ラーニングとの出会いは、全国の教科を超えた先生方との繋がりとなりました。SDGsという地球規模の目標にも出会いました。これらがすべて繋がって今の私の授業が出来上がっています。「自ら学び続け、何事も自分ごととして立ち向かうことができる」そんな生徒を育てたいと思っています。
次は、いつも背中を追いかけている「ALくまもと」の豊田拓也先生にバトンを繋ぎます。

第57回 鹿児島純心女子中・高等学校 園元 恭子 先生(英語・教師学インストラクター)

社会と結びつくキャリア教育にも積極的に取り組んでいらっしゃる松本涼一先生からバトンをいただきました。
私が教師として大切にしていることは3つです。1つ目は教科指導において、生徒が自ら学びを深める楽しい授業を常に求め続けることです。2つ目はユニバーサルデザインの視点をもち、授業を構成することです。多感覚指導でスモールステップを踏み、生徒に自由度を与え、1人ひとりの理解定着を図る工夫をしています。3つ目はカウンセリングマインドを身につけることです。A・Lの授業は教師と生徒、また生徒同士が互いを尊重し、信頼し合える土壌がなければ、うまくいきません。私はコミュニケーションスキルを体験的に学ぶゴードンメソッドを究め、生徒とともに毎日、生き生きと授業を楽しんでいます。
次は知的好奇心旺盛で教科を越えて学びを深め、「生徒ともにいる教育」を実践されている福岡の跡部弘美先生にバトンをつなぎます。

第56回 福島県楢葉町立楢葉中学校 松本 涼一 先生(英語・キャリア教育推進担当)

どんなに大変な時も常に前向きな前田先生からバトンをいただきました。
私の勤務校では、キャリア教育に力を入れています。模擬会社を設立し、地元の企業と協働して商品開発、販売活動を行います。会社の理念は「町内外の人たちに楢葉町の良さを知ってもらい、笑顔になってもらうこと」です。生徒はこの理念を、震災後の避難生活でたくさんの方々からいただいた恩にお返しをしたい、との思いで考えました。活動を通して生徒は、協力して仕事をすることや、見通しを持って粘り強く取り組むことなどの力を身につけます。苦労の連続ですが、商品が売れた時は喜びもひとしおです。教科で学んだことを繋ぎ合わせながら、社会に出て生きる力になるよう、授業デザインしていきたいです。
次は、ゴードンメソッドで授業づくりをされている、鹿児島の園元恭子先生にバトンをつなぎます。

第55回 新潟明訓高等学校 前田 由紀恵 先生(英語)

「生徒のファンになる」という言葉がすべてを物語る、根っこのあたたかい指導で、想いを伝え合う生徒を育てる大野理智子先生からバトンをいただきました。
授業での私のこだわりは発問です。筆者のメッセージを捉えているかを確かめ、自分に置き換えて思考し意見を構築する、そのためのグループの話し合いに導くために段階的に問いかけます。生徒同士が思わず話し合いに夢中になり時を忘れる様子を見るのが好きです。自分の考えを英語に変換し何とか表現できたときの生徒の顔が大好きです。脳が動き、口が動き、心が動き、「えっ、もうチャイム?今日は早かったね。」という言葉で終わる授業を目指しています。
では次は、福島県で、子供たちの未来を作る授業とキャリア教育に取り組み、誰からも愛される人間力と緻密な設計で教室を学びのワンダーランドに変える、福島県楢葉町立楢葉中学校の松本涼一先生につなぎます。

第54回 東成瀬村立東成瀬中学校 大野 理智子 先生

他教科の先生ともコラボしながら多方面で活躍されている土屋進一先生からバトンを受け取りました。
「日本で一番美しい村連合」の1つである東成瀬村、その村で唯一の小さな中学校に勤務しています。授業では、形だけのドリルをできるだけ排除し、authenticなcontextの中で生徒達が自分の思いを語り合える授業を目指しています。例えば、新文法導入においても「教師のモデルトークを聞く」→「個々の考えをマッピング」→「基本文の確認」→「マッピングを元にやり取り」→「話したことを書く」という流れで、聞くこと、話すこと、書くことを統合的に鍛えます。英語で表現することを通じて一人一人のよさを引き出せるような授業をして行きたいと考えています。次は、新潟の高校で常に熱い想いをもって授業をされている「ことばの魔術師」、前田由紀恵先生にバトンを渡します。

第53回 西武学園文理中学・高等学校 土屋 進一 先生(英語・教科長)

生徒の学びに向かう力をグングン引き出し、アクティブラーナーの育成に力を入れている、聖徳学園中学・高等学校の小野和彦先生からバトンを賜りました。
私は、現在、「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業とはどのようなものかを考えながら、授業をデザインし、生徒と共に私自身も学びながら、理想の授業を追い求めています。具体的には、世界史とコラボしたCLIL型授業生物 (うま味・グルタミン酸)×英語、生物 (メンデルとダーウィンの進化論)×英語、古文(反実仮想)×英語の教科横断型授業、教科書の題材と関連したトッピクでのプレゼンテーションの授業などを実践しています。また、近年、模擬国連を授業の中に導入し、生徒の国際問題への関心の醸成や論理的な発言力,交渉力の涵養を図り、生徒の英語力の伸長とグローバルな視点を持った生徒の育成に取り組んでいます。
次は、安心して英語で即興的な「やり取り」ができる学習集団を作っている秋田県東成瀬村立東成瀬中学校の大野 理智子先生にお繋ぎします。

【関連リンク】
『ELEMENTⅠ』を用いたCLIL型授業(世界史✕英語)
『ELEMENTⅠ』を用いた生物×英語の教科横断型授業
入試問題を用いた教科横断授業(生物×英語)
英語の仮定法と古文の反実仮想による教科横断授業
主体的・対話的で深い学びを促す模擬国連を取り入れた授業

第52回 聖徳学園小学校、中学・高等学校 小野 和彦 先生(英語)

英語が嫌いの子どもがとても多い気がする。特に中学、高校生は、「受験科目」という意識が強く、受験のために文法を理解し、単語を暗記しなければと思っているようだ。言葉の習得は暗記なのだろうか?といつも疑問に思う。言葉は自然に真似することで身につけられる。私は、英語を自然な形で身につけ、英語を使うことが楽しいと思ってもらえる授業をデザインすること。また子どもたちの頭の中に物事を英語で考え、夢を英語で見られる「英語脳」が構築することを目標にしている。英語は人とのコミュニケーション手段の一つだ。英語が苦手から脱却し、学校教育の中で、異文化を学び、英語を使える力を少しでも伸ばしてあげることが使命だと思っている。現在は小学生から高校生まで、iPadなどを活用したAL型の、あまり教えすぎない、教え込まない授業を心がけている。

第51回 岐阜聖徳学園大学 准教授 加藤 拓由 先生

ESDを軸に全校体制で学習環境を整え、英語科の教員としてもご活躍の、福山市立福山中・高等学校の上山晋平先生からバトンを賜りました。
本学では、教育学部卒業生の7割以上が教育現場で即戦力として活躍しています。学力向上や、いじめ問題、働き方改革など、教育現場には正解のない問いがたくさんあります。それらに対応できる、しなやかな教師力をつけるために、授業でも様々な正解のない問いに挑戦しています。
写真は「世界一大きな授業」(http://www.jnne.org/gce/about.html)で、識字の重要性について学び合う様子です。学生たちは、識字率向上のために教育が果たす役割について再認識すると共に、それを子どもたちに正しく伝えて行くことの重要性について熱く語り合っていました。
次は、生徒の学びに向かい力をグングン引き出し、アクティブラーナーの育成に力を入れている、聖徳学園中学・高等学校の小野和彦先生にバトンをお繋ぎします。