2020.06.03
新型コロナウイルス感染症の影響への対応・措置に係る本学の基本的な考え方について
産業能率大学 通学課程在学生 保護者各位

新型コロナウイルス感染症により、多大な影響を受けられておられる皆様に対しまして、心からお見舞い申し上げます。
首都圏も含め 緊急事態宣言は全面解除されたものの、第2波・第3波の到来も危惧されており、依然、感染予防対策の徹底が重要な状況にあります。
本学におきましては、学生の皆様の健康と安全の確保を第一に考えるとともに、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う家計急変により修学に支障を来し退学する学生を一人も出さないことを最優先に考え、種々取り組んでいるところです。その一環として、学生の学びを支援することを企図し、5月22日「まなび支援金」の給付についてご案内させていただきました。

時を同じくして、5月22日、「要望書」を学生より受け取りました。改めまして、本学の基本的な考え方につきましてご説明申し上げます。
何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
【学費に関する考え方】
授業料および施設費に関する本学の考え方についてご説明させていただきます。
授業料は、学位を授与するため、教育研究活動の維持・向上をしつつ、教育を修了することを目的として総額で設定されており、必要とされる総額を年数(学部生であれば4年間)で等分して納めていただいているものであります。
そのため、新型コロナウイルス感染症から学生の皆様を守るため、授業形態が、通常の対面授業とは異なるオンライン授業となっても授業料に変更が生じるものではないと考えています。
また、施設費については、大学における施設の利用料ではなく、教室や図書館等の付属施設の設備を維持・改善するための費用となっています。現時点では、感染症予防の観点から、学内への立ち入りはできませんが、大学の施設に関しては、教育環境の改善のため、継続的に修繕や改築計画を進めています。すなわち、施設費は特定年度の在学生ごとに施設の利用度に応じて決めているわけではなく、どの年度の在学生においても、大学設備の維持・改善の観点から平等にご負担いただくこととしています。

なお、図書館に関しては、データベースや電子書籍を自宅からでも利用できるよう整備いたしました。電子書籍を中心に新規書籍の購入やサービスの拡充も継続的に進め、一層の充実を図り、学内への立ち入りが可能となり次第(6月12日(金)から構内立ち入りを一部解除する予定です。)、学生の皆様がいつでも自由に利用できるよう準備を進めています。

図書館データベース・電子書籍の利用について
https://www.sanno.ac.jp/undergraduate/library/news/20200501_01.html

学生の皆様にはご不便をおかけしておりますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

【修学支援に関する考え方】
修学支援に関する本学の考え方についてご説明させていただきます。
本学では、学生一人ひとりの成長を支援することを最優先に、修学に関する様々な支援に取り組んでいます。このことは、現在のオンラインでの授業においても変わりません。その中で限られた資源をどのように活用するか慎重に検討した結果、オンラインでの学修を進めるうえでさらに学びを深めていただくために、一人当たり一律2万円の「まなび支援金」を給付することとしました。学生の皆様が学修用書籍の購入や通信環境の整備等に活用することを期待しています。
また、前学期の学費納入に際しては、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う家計急変による学費未納者への緊急措置として、新たな延納制度(納入期限を8月末まで延長)を設け、救済策を講じるようにします。
併せて、国においても、「高等教育の修学支援新制度」において、新型コロナウイルス感染症の影響により家計が急変した場合にも適用されることとなりました。また「学生支援緊急給付金」として、学生本人のアルバイトや保護者等の収入の大幅な減少により、大学での修学が困難になっている学生を対象として、20万円または10万円を現金給付による支援が決定しました。これらの支援を学生が有効活用できるよう、申請等、受給に対するサポートについて、ニーズに即した遠隔システム利用による説明会、個別相談など、適切な対応を行います。
更に、遠隔授業時においても、授業の質的向上を図るとともに、在学生による新たな遠隔授業支援業務の創設など、雇用(学内アルバイト)の場を可能な限り確保できるよう検討を進めています。

学生から提出いただきました 要望書への回答については、この文書を持って回答とさせていただきます。
今回、要望書の内容を確認させていただき、学生のみなさんの不安に思うことについて更に理解を深めることができました。それらの不安が少しでも解消できるよう、これからも努めていきたいと考えております。

5月25日付の週刊東洋経済臨時増刊号「本当に強い大学2020」にて、オンライン授業でも演習授業を円滑に行っている好事例として、本学の授業が紹介されました。教職員一同、今後も学生の学びたい気持ちを尊重し、授業にも工夫を重ねていく所存です。

本学の各種支援策については、今後も適宜、全学生に対して、学生ポータルサイト「Ca-in」にて配信を行っていきます。

末筆ながら、健康に留意され、何卒ご協力とご理解のほど、お願い申し上げます。

産業能率大学

学長 浦野 哲夫