世田谷の魅力を発信する「世田谷みやげ」

経営学部 教授 中島 智人

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世田谷の魅力を発信する「世田谷みやげ」

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 産業能率大学 経営学部は、東京都世田谷区等々力にあります。私たちのゼミでは、これまで世田谷区内の大学のゼミで構成される「せたがやまちなか研究会」に参加し、他大学・他ゼミとの交流を深めるとともに、世田谷区やその外郭団体が主催するイベントにも積極的に参加してきました。現在は、「社会課題を解決する事業体のマーケティングとマネジメント」をテーマに、区内で活動するNPOや企業と連携した実践的な活動に取り組んでいます。
 本コラムでは、地域の特産品を通して世田谷の魅力を発信する取り組みである「世田谷みやげ」を、私たちのゼミ活動の視点から紹介します。


1. 世田谷の魅力を伝える多彩な「世田谷みやげ」


 「世田谷みやげ」は、「もらって、うれしい」をキーワードに、地域の素材や歴史、文化を生かした商品や体験を選定する事業です。2006年に52品からスタートし、20周年を迎えた2025年を経て、2026年現在では体験型を含む114商品が指定されています。

 指定商品は、「体験」「洋菓子」「和菓子」「パン」「食品」「飲料」「酒類」「雑貨」「衣料」「化粧品」「工芸品」の各ジャンルに分類され、創業100年を超える老舗から新しい店舗まで、世田谷らしさを感じられる幅広い商品が選ばれています。

 新たな「世田谷みやげ」は毎年選定されます。審査は、2024年に世田谷みやげアンバサダーに就任した世田谷区出身の編集者・評論家、故・山田五郎さんをはじめとする9名の指定審査会委員が担当し、「世田谷との関わり」や「世田谷の魅力を表現していること」、「オリジナリティやこだわりがあること」などの基準に基づいて選定されます。

 指定商品には、区内イベントへの出店機会の提供や、パンフレット・ホームページによるPR、指定賞(盾)やのぼり旗など販促ツールの利用、さらに世田谷区ふるさと納税返礼品へのエントリー資格などの特典があります。詳しい情報は、事務局である公益財団法人世田谷区産業振興公社が運営する観光サイト「あなたの知らない世田谷」で紹介されています。




2. 「ストーリー」が広げる「世田谷みやげ」の楽しみ方


 「世田谷みやげ」は、「世田谷らしさ」があることに加え、「区民だけでなく区外の人にも伝わるストーリーがあること」を重視して選ばれています。

 『世田谷ライフ+magazine20253月号の特別綴じ込み「完全保存版 世田谷みやげ20年史」では、審査委員のうちの3名が、それぞれ異なる視点から「世田谷みやげ」を紹介しています。編集者・評論家の山田五郎さんは世田谷産の素材や地域の歴史・文化に着目し、俳優で農業にも携わる小林涼子さんは豊かな自然を感じられる商品を紹介しています。また、『世田谷ライフ+magazine』編集長の笹木靖司さんは、地域とのつながりを感じられ、世田谷の魅力を再発見できる品々を取り上げています。


 私たちのゼミは、昨年11月に三軒茶屋で開催された「世田谷まちなか観光メッセ」に参加しました。当日は、せたがやまちなか研究会に所属する他大学の学生とともに、「東急世田谷線開通100周年記念事業 世田谷線沿線まちづくり これからの100年を考えるワークショップ」に参加し、地域住民や地元企業の皆さんと世田谷の未来について意見を交わしました。
 会場には「世田谷みやげ紹介コーナー」も設けられ、ゼミ生は日頃の活動をもとに独自の「ストーリー」を考え、「世田谷みやげ」の新しい楽しみ方を提案しました。


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3. ゼミ活動から見つけた「世田谷みやげ」の新たな魅力

子どもたちが安心して楽しめる体験を届ける

 私たちのゼミでは、奥沢地区で子ども向けイベントを継続的に実施しています。その経験から、「子どもたちが安心して楽しめる体験」という視点で、用賀のキャンディ専門店「TIK TOK HANDMADE CANDY」を紹介しました。同店では、「かわいい・楽しい・美味しい」をコンセプトに、安心・安全な素材にこだわったキャンディを工房で製造しています。


福祉作業所で働く障害のある方と地域をつなぐ

 「世田谷みやげ」には、障害のある方が働く福祉作業所で生まれた商品も数多く指定されています。

 私たちのゼミは、就労支援を行う「喫茶JOY」や、世田谷区立知的障害者生活介護事業所「奥沢福祉園」と連携して活動しています。これらの施設で生み出される商品は、売上が働く方々に還元されるだけでなく、地域住民と障害のある方々をつなぐ役割も果たしていると考えています。


エシカルな消費から社会課題を考える

 人や社会、環境に配慮した消費行動である「エシカル消費」は、日々の買い物を通じて社会課題を考えるきっかけを与えてくれます。

 私たちのゼミでは、純オーガニックコットン製品を展開するブランド「メイド・イン・アース」と連携し、和綿の栽培・普及活動に取り組んでいます。「世田谷みやげ」には、区内で栽培された世田谷和綿を使用したハンカチや、天然由来成分99%で子どもから高齢者まで安心して使えるねんどの歯磨きなど、環境や安全性に配慮した商品も数多くあります。



4.おわりに

 「世田谷みやげ」は、指定商品を取り扱う区内各店舗で購入できます。また、区内イベントでの販売に加え、三軒茶屋駅近くの世田谷産業プラザ1階にある「喫茶JOY」には、世田谷まちなか観光情報コーナーが常設され、一部の「世田谷みやげ」も販売されています。世田谷を訪れた際には、ぜひ「世田谷みやげ」を手に取り、その一つひとつに込められた地域の魅力やストーリーに触れてみてはいかがでしょうか。




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文中の参考文献・Webサイト


世田谷区産業振興公社「世田谷みやげ」(あなたの知らない世田谷 世田谷区観光サイト) 2026723日閲覧)

世田谷区産業振興公社「世田谷みやげ20262026723日閲覧)

世田谷区産業振興公社『世田谷ライフ+magazine 20253月号別冊「完全保存版 世田谷みやげ20年史」2026723日閲覧)

東急電鉄株式会社「世田谷線沿線これからの100年を考えるワークショップ」レポート2026723日閲覧)



 【追悼】山田五郎さんを偲んで

 本コラムの執筆中に、世田谷みやげ指定審査会委員・世田谷みやげアンバサダーを務められていた山田五郎さんの訃報に接しました。山田さんとは、20171月に開催された「世田谷まちなか観光メッセ」のパネルディスカッション「まち歩きで味わう世田谷の魅力」でご一緒させていただいたほか、昨年の「世田谷まちなか観光メッセ」でも、保坂展人世田谷区長とのトークイベントに参加されるお姿を拝見しました。
 世田谷の魅力を広く発信し続けられた山田さんのご功績に深く敬意を表するとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。