十勝帯広地域との交流

1.十勝帯広地域との交流
 2017年よりこれまで十勝帯広地域との交流を、ゼミ活動を通して行っています。当初は主要産業である農業をメインに地元で採れた農産物(ジャガイモやカボチャなど)を本学のある自由が丘の街の春や秋に行われるお祭りに参加して販売するなどしていました。しかし、コロナ禍を経て最近では帯広地域にある地元の複数の企業に時期を分けて、3年生(ゼミ生)たちが希望する企業にインターンシップとして参加し、経営課題について企業の方々にご指導をいただきながら、現地で合宿し、文字通り寝食を共にして絆を深めて提案(実際に経営陣を前にプレゼンテーション)を行うなどしております。
2.経営学部の学びと企業経営のリアルから得る学習効果
 これらのインターンシップに関しては、はじめは単なるインターンシップ(大学の夏季休暇中に参加)として捉えていましたが、これまで3年間継続的に行ってみると、いろいろな学習効果が見えてきました。今回は紙面の都合で、以下に簡潔にご紹介します。

 ・実際の企業経営の現場やビジネスの最前線にリアルに触れることができる

 ・経営理論など自分たちの大学での学びを活かし、成果を上げて成長を実感できる

 ・合宿形式(8~9月、1週間程度)の濃密な時間を共有することにより、組織(ゼミ)内の人間関係の醸成と自分の組織内での役割の大切さ、リーダーシップを実践的に学ぶことができる

 ・そして秋には、ゼミ内で先輩から後輩へインターンシップでの学びや課題を発表し継承、発展させていくことの大切さを学ぶことができる

 ・最後に何と言っても、何事にも代えがたい北の大地北海道・帯広の様々な素晴らしさに触れることができることは筆舌に尽くしがたい


 当インターンシップでは帯広市の方が宿泊施設を用意してくださり、そこで学生たちは合宿をしながら、まさに同じ釜の飯を食べながら、互いを叱咤激励、志を高め合い、時に徹夜で企業向けプレゼン資料の準備やプレゼンテーションの予行演習などをします。そして帯広の自然やおいしい食材に癒され、その素晴らしさを満喫して経験を積み、一回りも二回りも成長した姿で戻ってきます。
3.学習成果
 上記に継承していくことの大切さを述べましたが、当ゼミではそれを必然的な形で実行していく仕組みがあります。それはゼミ内を疑似会社化して運営しており、ゼミ内には社長や部長もいて、管理部やプロジェクト事業部などもあります。経営学で学んだ組織運営を実際に必然的な形で学びます。
 ご紹介した十勝帯広地域との交流は「帯広プロジェクト事業部」に属するゼミ生たち数名が現地との窓口となってインターンシップ活動を担い、現地滞在時での管理やインターンシップを終えた後学期に行う報告会(11月ごろ)まで続きます。報告会は3年生の参加者からゼミの後輩である2年生に向けて行われ、ここには十勝帯広地域の関係者の皆様にも参加してもらいゼミの時間を使って行っています。内容としては来年度に向けての3年生から2年生への学びや課題の継承が行われ、十勝帯広地域の皆様からのアドバイスや今年度の講評、来年度に対する期待などもいただきます。
 そして、その後も大変ありがたいことに、2024年現在でも、参加した3年生たちが進級して4年生になっても、十勝帯広地域の関係者の皆様とは折に触れ、交流は上京時やオンラインなどで続き、ご指導をいただいております。
※名前の部分は伏せさせていただいています。
4.まとめとして
 これらの活動からゼミ生たちは、大学やアルバイト先以外でのビジネスの最前線で活躍されているビジネスパーソンとの長期間に渡る交流により、大学で学んだ知識を活かす形で実践的な企業経営の知識や経験談、社会常識などビジネスパーソンとしての「リアル」が継続的に学べる機会が得られます。これらは学生たちの学びに深化をもたらし、その後のビジネスパーソンとしてのキャリア形成の一助となっていきます。まさに北の大地十勝帯広地域で、産官学での産業界により近い学びの場である教育環境が形成され、実践的教育が必然的な形で実現しているといえます。
 さらに当ゼミでは、後学期に毎年これらの学びの集大成としてビジネスコンテストである日経STOCKリーグ(主催:株式会社日本経済新聞社、後援:野村證券株式会社)に参加をしておりますが、昨年度はブランド・ロイヤリティについて、十勝帯広での学びをベースに作成したレポートが評価され、審査員特別賞を受賞するという栄誉、学習の成果を発揮することができました。今夏も3年生たちは期待を胸に北の大地へ向かいます。