私の視点 Vol.3
自由が丘で活動する
現場の視点とは
自由が丘の現場で活動する
4人の対談
私の視点 Vol.3
自由が丘で活動する現場の視点とは
SANNOの学びの特色のひとつに、地域や企業が抱える課題を学生が見出し、解決策を提案。さらに共に解決に向けて取り組むという実践的な授業PBL(Project Based Learning)があります。そのひとつ「自由が丘イベントコラボレーション」は、キャンパスがある自由が丘をフィールドに、学生が街と一体となって活性化に取り組むというもの。この経験が学生の成長に何をもたらすのか?自由が丘の発展に尽力されている経営者のお二人と、卒業生、在学生に、それぞれの視点で語ってもらいました。
プロフィール
西村 康樹 NISHIMURA YASUKI
古書店「西村文生堂」代表
自由が丘商店街振興組合 出版企画事業部長
産業能率大学 兼任講師

自由が丘にある1948年創業の古書店を経営。古書を取り扱うだけでなく、本のある空間のコーディネート事業にも注力。また、自由が丘商店街振興組合では「自由が丘オフィシャルガイドブック」等の編集責任者を務める。1998年より産業能率大学の兼任講師として「自由が丘イベントコラボレーション」、「自由が丘スイーツプロモーション」等を担当している。TV・ラジオへの出演、雑誌などへの執筆や講演など多数。
古山 喜章 FURUYAMA YOSHIAKI
自由が丘クリニックグループ COO
株式会社THE MEDICAL 代表取締役社長
自由が丘駅前中央会 理事

16歳で化粧品ブランドのEC事業を立ち上げ、イベント企画や広告事業など様々なビジネスを手掛ける。現在は家業である美容医療の経営を行いながら、起業を目指す若者を応援するラジオ番組「Hurry up! 〜コロンブスの卵たち~」(FMサルース、FMしながわ)ではパーソナリティを務めている。また、自由が丘に根差した活動として、自由が丘商店街振興組合が主催するイベントの企画・運営にも携わる。
倉持 有沙 KURAMOCHI ARISA
ユニオンテック株式会社
プロモーションデザイン部 プロジェクトマネジメントG
産業能率大学 経営学部 経営学科 2017年卒業

在学中は「自由が丘イベントコラボレーション」でキャプテンを務め、イベントの企画から運営までの全体統括を担った。大学卒業後、店舗やオフィスなどの空間デザインから内装工事までを手掛けるユニオンテック株式会社に就職し、プロジェクトマネージャーを務める。現在も「自由が丘イベントコラボレーション」の授業にオブザーブし、後輩にアドバイスを行うなど自由が丘との連携をライフワークとしている。
ユニオンテック株式会社
大竹 志歩 OOTAKE SHIHO
玉川聖学院高等学校卒業
産業能率大学 経営学部 経営学科 4年

高校生の時に、自由が丘のイベントにボランティアとして参加し、学生と活動を共にしたことを機に、産業能率大学を志望。進学後は「自由が丘イベントコラボレーション」「自由が丘スイーツプロモーション」等の授業で、お店とのメニュー開発やタピオカ店と連携したキャンペーンなど、街の活性化に取り組んだ。現在は、後輩をサポートする立場で、YouTubeでの街の情報発信などのプロジェクトに携わっている。

ゼロから創り出すことの面白さ
西村

まずはメンバーの簡単な自己紹介から。僕は自由が丘にある古書店、西村文生堂の西村です。書籍を使用した空間ディスプレイや書棚のコーディネートも行なっています。その関係で、自由が丘のオフィシャルガイドブックを作る活動や街のイベントに携わるうちに産業能率大学と関わるようになり、10年以上前から「自由が丘イベントコラボレーション」の授業で講師を務めています。

古山

自由が丘クリニックの古山です。まだ高校生だった16歳の時にネットショップ業界で仕事を始め、そこからビジネスの世界に入っていきました。自由が丘最大のイベント「女神まつり」をはじめ、自由が丘の街の活動にも積極的に関わる中で、SANNOの学生とも繋がるようになりました。

倉持

卒業生の倉持です。空間プロデュースなどを手がけるユニオンテック株式会社に入社して4年目で、今は内装関係のプロジェクトマネージャーの仕事を担当しています。「自由が丘イベントコラボレーション」の授業にアドバイザーとして参加するなど、卒業してからもSANNOと関わらせてもらっています。

大竹

産業能率大学4年の大竹です。自由が丘にある中高一貫校の出身なので、自由が丘通学歴はなんと10年になります!高校2年の時に「女神まつり」のボランティアを経験し、街の方々と一緒にバリバリ活動している大学生を見て、自分もあんな風になりたいと思ったのがSANNOに進学したきっかけです。

西村

大竹さんが入学前からやりたかった「自由が丘イベントコラボレーション」というのは今年で12年目を迎えるSANNOのPBL授業のひとつで、当初は10名くらいの学生ボランティアを募るところからスタートしました。 それが今では300名近い学生が運営に参加してくれて、SANNOの学生なしにはイベント運営が成り立たないといっても過言ではないくらい重要な存在になっています。
イベントとか街づくりの授業って他大学にもあるけれど、予算も場所も用意されていて、学生は企画だけ考えるという授業が一般的。でも、「自由が丘イベントコラボレーション」はゼロから学生が組み立てるところが面白いんです。

大竹

これほど地域の人や企業の人と密接に関わって活動できる授業は他にはないと思いますし、そこが一番の魅力です。私たち学生に対して、一人の大人として向き合い、街の視点、企業の視点から、きちんとアドバイスしていただけるので、学生もそのレベルに合った思考が身についていくと思います。先輩はどうでしたか?

倉持

そうですね。ゼロからイチを創り出す経験って他ではなかなかできないと思うし、実践的なレベルが高いと思います。自分がやりたいと思ったら「やるしかない!」いう状況に追い込まれるけれど、場合によってはできないこともあります。ただ、その「できなかった」ことも貴重な経験のひとつだと思うんです。

古山

いい意味で大人に揉まれますよね。企画を出して、街の大人とか先輩たちから「これはダメだと思う」「こうした方がいい」とか言われながらやっているという、本当にすごい授業だと思います。一部上場企業から、学生が協賛を引っ張ってくるなんて、なかなかできることじゃない。客観的に見ても「自由が丘イベントコラボレーション」を経験したSANNOの学生たちはもう社会人1~2年生と同じレベルだと思いますよ。

最高の結果を出すための苦労はビジネスと同じ
西村

それだけに大変なことも多いよね。倉持さん、特に大変だったことはある?

倉持

新しく七夕イベントをやろうとしたときですね。10月の「女神まつり」までの間に、新しい試みとしてファミリー層をターゲットに七夕イベントをやりたいと私が言い出したんです。
そうしたら自由が丘の街の人たちや学生たちの間で意見が割れてしまって。「女神まつり」に向けて忙しくなるタイミングでイベントなんてできないという声も少なくなかったけれど、私は絶対にやれると強い意志をもって臨みました。
実現するために何が必要かを考えて、必死で周囲を説得して体制づくりをして。最終的には自由が丘の街の方々にも理解していただいて実現できましたが、あの時が一番大変でしたね。

西村

企画をやるかやらないかということも含めて、僕たち大人は介入しないから、学生同士で意見がぶつかることはあるね。それは大変だと思う。大竹さんはどう?

大竹

厳しい世界だってことは分かっていましたが、今思うと全てが大変でした。目の前の課題を一つひとつ解決していくことが成功につながると信じていました。
私自身は企画立案するのが得意なわけではないので、どうやったら貢献できるかを考えたんです。それで気づいたのはメンバーをどう巻き込んでいくかが、プロジェクトを進める上ですごく重要だということ。
私は全力でこの活動に取り組みたいという気持ちでやっていたけど、授業やバイトなどで学生は忙しいから、どうしても温度差が生じてしまう。そういうときに、どうやって仲間を巻き込むかというところですごく悩みました。

古山

それ、大人の世界でもありますね。「チームでやりましょう」って言っても「考えたのは私じゃないからサポートに回ります」っていう意識の人がいる。だけど、本当は全員が全力でやらないと成功しない、そういう時にどうやって巻き込むかというのは本当に難しいですよね。大竹さんはどうやって解決したの?

大竹

例えば、メンバーとよく話をして意見を引き出したり、授業での発表はメンバー全員が順番に担当するようにしたり。発表では質問にも答えないといけないから、情報をインプットしておく必要がある。その過程で少しずつ企画が自分のものになっていくという感じです。そうやって一人ひとりがプロジェクトに意志をもって参画するチームを作るように意識することで、プロジェクトがうまく回りだしたという実感があります。

西村

授業といっても単に課題をこなすんじゃなくて、企業から協賛金をもらってやっているわけだから、最高の結果を出さないと失礼になるというシビアな世界。そこが魅力でもあり、難しさなのかもしれない
今の話を聞くと、やっぱり大竹さんはマネジメント能力に長けているよね。また、この人とこの人が協力したらもっと面白いことができるというマッチングさせる能力もあるしね。

街の人との関わりの中で学生は成長していく
倉持

この授業は基本的に全て学生に任されているので、学生自身が考えて授業を運営し、企画を立てていくのですが、学生の力だけでは解決が難しいこともたくさんあります。迷ったり、困ったときは先生や街の方たちが相談に乗ってくださったり、ヒントをくださる。そこから後は自分たちで結果を出さなければならないので、まさに企業と同じです。

西村

僕を含めて街の大人は学生を子供扱いしないからね。厳しいけどそこが学生たちを成長させるポイントでもあるんだよね。

古山

毎年、1、2年生はみんな同じことを言うんです。「先輩がすごすぎる。自分は絶対あんなふうになれない」って。だけど、その学生たちも3年生になると「なんだか自信がついてきた」と言うようになって、4年生になった時には後輩から憧れのまなざしで見られる存在にまで成長していることが多い。
大人の目で客観的に見ても、3、4年生はパフォーマンスのレベルが社会に通用するぐらいになっている。2年間でこんなにレベルが上がる授業は他にないと思います。それは、著名な方や経営者など、その道のプロフェッショナルから様々な指摘をされ、厳しいハードルを乗り越えてきたからこそ。ある意味、恵まれた環境の中で成長できる授業だと思います。

培われた力は社会で活きる
倉持

SANNOの授業で様々な業界の人と関わり、プロジェクトに取り組む経験ができたことは就職にも役立ったし、社会に出てから活かせることが多いと実感しています。
私の場合、ディスプレイへのこだわりや空間をデザインするというニーズがあることを西村さんから教えていただいたので「空間デザイン」をキーワードに就職活動を行い、今の仕事に就きました。
また、仕事の上では、最初のうちは「これが何につながるんだろう?」と分からないことも多いのですが「とにかく行動する力」って結構大切なんですね。そういう「まずやってみる」姿勢、行動力はSANNOで身についたと思います。
それから、「自由が丘イベントコラボレーション」で鍛えられたコミュニケーション力は今の仕事でも大きな力になっています。

西村

倉持さんはそういう人脈の作り方が学生時代から上手だったね。知り合いになっただけで終わりにしないところがすごい。大竹さんは就職先が決まったって聞いたけど、SANNOの授業とか経験が活かされたという実感はある?

大竹

経営学部で学んだ知識はもちろん「自由が丘イベントコラボレーション」で培ったマネジメント力やプロジェクトの推進力、提案力を活かしたいと考えて就職活動を行いました。その結果、複数の企業からスカウトメールをいただいたので、これまでの4年間で取り組んできたことが社会から評価されたということを実感しました。来年4月には、内定をいただいている経営コンサルタント会社に就職することになっています。

これから大学へ進む人たちへのメッセージ
西村

今年はコロナ禍で街も大学もいろいろなことが変わってしまったけれど、今、大竹さんが取り組んでいることについて教えてください。

大竹

現在、取り組んでいるのは、自由が丘地域密着番組を制作し、YouTubeで配信するプロジェクトです。コロナ禍で、これまでと同じようにイベントができなくなり、季節ごとに街をあげてイベントを実施してきた自由が丘も大きな打撃が受けています。そんな中で私たちもオンライン授業で「リモートでできることはないか」と考えて課題を出し、自由が丘のネットワークをフルに活かしたYouTube番組の制作を企画しているところです。
番組の構成を考えたり、企業に出資を募ったり、出演交渉を行うといった経験を通して、多くのことをを学べています。さらに、下級生たちは動画撮影や編集などのスキルを身につけることができています。これも他大学ではできない体験だと思います。

西村

最後に、皆さんから一言ずつ、これから大学へ進もうとしている高校生にメッセージを。

古山

本当の意味で、社会で通用する力をつけられるのが「自由が丘イベントコラボレーション」の授業だと思うんです。先ほどから皆さんが言っているようにリアルなビジネスを扱うため厳しい面もありますが、それを敬遠せずにぜひ覗いてみてください。自分の殻を破りたい人やレベルアップさせたい人にとって、こんなにいい授業はないでしょう。

倉持

未来って、今の自分の行動でしか創ることができなくて、大学4年間をどう過ごすかによって、その後の人生が大きく変わると思います。私が SANNOで得た経験や人との出会いは大切な財産。大学生活の楽しみ方は人それぞれですが、その4年間を本当の意味で楽しめるかどうかを判断して大学に進学してほしいですね。

大竹

地域や企業の方とのコラボレーション授業は、全部が楽しいわけではなくて、大変なこともたくさんあります。私はそんな中でも何か残したいと思って、努力した結果、壁を乗り越えることができました。また、そのことを周囲の方に評価していただけたことを誇らしく思えるし、貴重な経験をたくさんさせていただきました。これから大学に進む皆さんにも、ぜひ、SANNOでしかできない体験をしてほしいと思います。

西村

社会人になってから頑張るのでは遅くて、大学時代に準備をしてきた人としなかった人では、社会に出てから圧倒的な差が生じます。大学では社会に出る準備のためにじっくり時間を使って経験値を上げることがとても重要だと思います。そして、SANNOにはそれができる環境があると自信を持って言えます。これからも共に成長し続けるSANNOと自由丘に注目してもらえたら嬉しいです。

自由が丘×SANNO 最新のコラボレーション情報
8月1日(土)のSANNOのオープンキャンパスにて、「自由が丘を舞台にした本気の授業」というテーマでスペシャルプログラムを実施。大竹さんがMCを務め、西村氏、古山氏をゲストに履修生とトークライブを行いました。その他、この日のために制作したPRムービーやスイーツプロモーションの講師スーパーパティシエ 辻口 博啓 氏のメッセージ動画も放映し、自由が丘とのコラボレーションの魅力を紹介しました。
最後に、古山氏がパーソナリティを務めるラジオ番組「Hurry up! ~コロンブスの卵たち~」の8月12日(水)の回で、西村氏、大竹さんがゲスト出演することを発表。
今後も様々な方法で情報発信を行う、自由が丘×SANNOのコラボレーションにご注目ください。
ラジオ番組「Hurry up! ~コロンブスの卵たち~」毎週水曜日19:00~19:45
「FMサルース」(84.1MHz) 「FMしながわ」(88.9MHz) ネット視聴可
8月12日(水)に西村氏、大竹さんがゲスト出演
リンク https://www.fm-shinagawa.co.jp/program/hurry-up/
アプリケーションFM++(プラプラ)でご視聴の際はこちら
自由が丘×SANNO PBL-Project Based Learning-の紹介
SANNO REAL|学生たちの挑戦【イベントコラボレーション】前編
来場者50万人を超える自由が丘のイベント成功に向けて、イベントの企画に挑む学生たちに密着。2018年、当時2年生の大竹さんが本気で取り組むからこそ見える課題や成長について語っています。
SANNO REAL|学生たちの挑戦【スイーツプロモーション】
世界的パティシエ 辻口博啓氏×自由が丘とのコラボレーションによる授業「自由が丘スイーツプロモーション」。学生たちは、辻口シェフと共にスイーツの街「自由が丘」のブランディングというミッションに挑戦する。本気で挑戦する学生の姿をリアルに紹介します。
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