経営学部 松尾尚ゼミ

マーケティング学科
消費者インサイト(ホンネ)の研究
買うつもりがないものを衝動買いした経験はありませんか?人は自分でも予期しない行動をとってしまいます。そして、その心理を知ることができれば、ビジネスに生かすことができます。松尾ゼミでは、消費者がモノを購入するまでの心理分析と、消費者の潜在ニーズを明らかにするインサイト調査を、企業タイアップの形で行います。

ゼミの取り組み

松尾ゼミでは、リアルビジネスを体験・体感します。マーケティング知識を生かしてふたつの企業とのPBLに取り組みますが、机上の議論で終らせるのではなく、企画実行による達成感を得ることに重きを置きます。

※PBLとはProject(またはProgram、Problem) Based Learningの略称で、知識を詰め込むだけの受け身な学習方法ではなく、学生が自ら問題を発見し、解決することを重視した能動的学習方法です。産業能率大学では、PBLが多くの先生に支持され授業に取り入れられています。
石巻PBL:石巻水産物の魅力拡大と魚食拡大に向けた戦略立案
宮城県の石巻魚市場買受人組合様から課題をご提示頂き、年間PBLを行いました。「石巻の水産業を振興し、地域創生につなげるために直接販売のチャネルを構築する」というテーマのもと、石巻水産物の新たなチャネル構築に向けた戦略立案と実行を行いました。 松尾ゼミの活動の特徴として、実際のリサーチを通じて仮説を導き、戦略実行することが挙げられます。2023年度は、ゼミ生全員で石巻市を訪れ、実地調査を行いました。現地に行くことで初めて、現地のビジネスに携わる方々やビジネスを支援する自治体が持つ石巻に対しての“熱”を実感することができました。そして、調査結果を様々な角度から分析することで、本当の課題を見つけることができるとわかりました。石巻プロジェクトは私たちの代以降も続く予定であり、長期目標を現地企業複数社が合同しての直販小売店を設立することとしています。その第一ステップとして、どのようなチャネルを構築するべきかを企画し、効果測定・検証のため、2023年10月に開催された「自由が丘女神祭り」に「石巻ブース」として出店を果たしました。そこでは、売上だけでなく、マーケティング戦略の基礎となる消費者ニーズやインサイトを深く知ることができました。また、ゼミ生全員が共通の目的を持ってプロジェクトを行えたことで、ゼミとしてのまとまりを得ることができました。 (4年 伊藤 秀虎)
朝日放送テレビPBL:テレビ局の新規ビジネスの提案~ふるラボ認知度向上のためのマーケティング戦略~
民放テレビ局の主力事業は、番組制作・放映とそこから得られるCM収入です。しかし、将来のテレビ局を考えた時、新規事業が必要であるとの課題認識のもと、朝日放送テレビ株式会社から課題を提示していただき、「ふるラボ認知度向上のための施策」を実施しました。「ふるラボ」とは、朝日放送テレビが運営している地上波放送局初のふるさと納税サイトです。「ふるラボ」の認知拡大に向けて、3年間で学んだマーケティングの知識を活かしながら取り組みました。まず、ふるさと納税の仕組みを理解するところから始め、次に、他社にはない「ふるラボ」の強みを見つけていきました。「ふるラボ」の強みは、テレビメディアや映像コンテンツを利活用できることや、自治体との距離が近いことでした。これらの強みを活かした戦略を考える中で、キーワードは、消費者にお得感を伝える「経済的インセンティブ(=利益)」に加えて、精神的な満足・充足を提供する「心理的インセンティブ」の追求です。これは、ゼミ生が行ったアンケートやインタビューの調査から発見したインサイトでした。そして、このふたつのインセンティブを充たすためのイベント企画を提案し、朝日放送テレビとの議論を経て、実現できる運びとなりました。朝日放送テレビとのやりとりを通じて、社会人である社員の方々ならではの視点を知ることができ、多くのことを学びました。また、ふるさと納税といった社会課題をテーマとしたからこそ、大きな達成感を実感しました。学んだことや感じたことを忘れず、今後も活用していきたいです。(4年 國乘 萌)
ディベート形式での業界研究
就職活動を成功させるための大事な要素である業界研究ですが、業界研究をディベート形式で行うのが松尾ゼミならではの特徴です。2年次後期の初顔合わせの時期に、チーム対抗のディベートを行うことで業界について詳しくなるとともに、ゼミ生の人となりを知る機会とします。 ゼミ生は6つの業界に分かれ、その業界に未来があるかないかを肯定側(2名)・否定側(2名)に分かれて対戦形式で討論します。ディベートで必要なのは、相手を論破するための、情報収集と論理構築力です。情報収集では、根拠あるデータを用い、その業界の成長性や将来性を事前に調査分析します。ディベート本番では、調査内容を相手や傍聴者に納得してもらうための論理的な話の組み立てを心がけています。ディベートというゲーム感覚でできる業界研究を通じて、就職活動の際必要となる企業を見る目を養い、リサーチ・分析・実行力が必要となる今後のゼミでのマーケティングプロジェクトにつなげます。

学生によるゼミ紹介

真面目に楽しく、意欲的に活動したい方におすすめです

松尾ゼミは一人ひとりが主体的に行動することで、個性を活かし、それぞれが違った色で輝くゼミです。3年次にはふたつのプロジェクトを並行して行うため、決して容易ではありませんが、課題や問いに対して主体的に取り組む姿勢から、考え抜く力や、チームに分かれグループワークを通して対話し共闘することで、協働力・論理思考力を培うことができます。また企業へプレゼンテーションを行うことや、企業とともにイベントへ参加することができる環境は、リアルビジネスの視点を学びたい、実践的な活動経験を積みたいと考える学生にとって、他にはない環境だと感じます。そんな松尾ゼミは時には熱く、時には楽しく日々の活動に取り組んでいますが、個性あるゼミ生みんなに共通していることがあります。それは松尾先生の優しい人柄に惹かれ、松尾先生の経験やキャリアから学びたいという思いと、大学生活を通して何かを成し遂げたいという野心です。素直で明るく、個性豊かなゼミ生と過ごす日々は私自身にとっても刺激的で毎日が宝物です。松尾ゼミは、大学で何かを成し遂げたい、主体的な仲間と学びを深めたい、明るく楽しく意欲的に活動したい、、、そんな想いを秘めている方におすすめです。(4年 篠原 健伸(ゼミ長))
学生に期待すること
未来は、まだ何も書かれていません。可能性は無限です。どんなに困難なことでも、どんなに批判を受けても、ゼミに理解者がいれば、やり続けることができることを知ってほしいと思います。「月に手を伸ばせ、たとえ届かなくとも!」これが松尾ゼミの信条です。