経営学部 松尾尚ゼミ

マーケティング学科
消費者インサイト(ホンネ)の研究
買うつもりがないものを衝動買いした経験はありませんか? 人は自分でも予期しない行動をとってしまいます。そして、その心理を知ることが出来れば、ビジネスに生かすことができます。松尾ゼミでは、消費者がモノを購入するまでの心理分析と、消費者の潜在ニーズを明らかにするインサイト調査を、企業タイアップの形で行います。
ゼミの取り組み
松尾ゼミの2022年度は、「コロナ禍が続くことで内向きになりがちな時期だからこそ、ポジティブに学びを進めたい」という想いのもと、1年を通じて以下の2企業とのPBL(Project Based Learning)に取り組みました。
石巻魚市場買受人組合PBL:石巻水産物の魅力拡大と魚食拡大に向けた戦略立案
私たちは海水利用総合エンジニアリングを行う株式会社東京久栄様を通じて、宮城県の石巻魚市場買受人組合様から課題をご提示頂き、約1年PBLを行いました。「石巻水産物の魅力拡大と魚食拡大」というテーマのもと、前期では「魚離れ」に関する消費者心理の解明、後期では石巻水産物の価値発見から需要拡大に向けた戦略立案と実行を行いました。
松尾ゼミの活動の基本は、机上の議論ではなく、実際のリサーチを通じて仮説を導き、戦略実行していくことです。今年度は、前期と後期に計2回、ゼミ全体で石巻市を訪れ、実地調査を通じて石巻の方々の温かさを体感できました。現地のビジネスに携わる方々、ビジネスを支援する自治体、そして観光客のインサイトに触れる機会を得たことは貴重であり、また、ゼミ生全員が共通の目的を持って課外実習を行えたことは、ゼミのチームワークを作ることにつながりました。
前期では主にデスクトップ調査とインタビュー調査を行い、その結果、消費者は「魚離れ」と言われるほど魚を食べていない訳では無いということを明らかにしました。
後期では前期の調査結果から、魚を選んでもらうための“動機づけ”の必要性を考え、「思い入れの形成」を軸に戦略立案を行いました。あるグループでは「思い入れのある料理メニュー作成」が“動機づけ”に繋がると考えたことから、これまでの調査を基にターゲット設定、料理メニュー考案、プロモーション策の立案を行いました。戦略立案の中で、私たちの価値観に偏らず、設定したペルソナの立場になってインサイトを掴み、ニーズを満たす料理メニューを考案し、戦略立てることに苦労しましたが、石巻港仲買人である布施太一様のご協力もあり、鍋メニューの開発を行うことが出来ました。
私たちが立案・実行した戦略が、今後石巻水産物の魅力拡大と魚食拡大にどれだけ貢献出来るのか、ゼミ生一同楽しみです。(文責 長砂 真央)


川崎水族館(カワスイ)PBL:川崎水族館の魅力度向上施策
私たち17期松尾ゼミ生は、昨年に引き続き川崎水族館カワスイとのタイアッププロジェクトを行っています。カワスイは日本では珍しい淡水魚を中心とする都市型水族館です。 「カワスイの魅力度向上」という17期のテーマのもと、前期は授業で学んだマーケティングリサーチの知識をもとに観察調査を行い、5つのグループに分かれてマーケティング戦略立案を行い、カワスイ側に提案を行いました。そして後期には、各グループが前期提案内容について実行に向けて活動をしました。
5つのグループのうち、「カワスイスクール」の企画、実行をしたグループを取り上げて紹介します。カワスイスクールは、長期休みに開催する小学生向けのイベントです。私たちは、子どもの頃の経験が現在の進路選択に影響を与えていると考えました。「気づいたら学んでた」をテーマに、餌やり体験を通して飼育員の仕事を学ぶカワスイスクールの企画をしました。実際に小学生を相手にイベントをしてみると、思いもよらない点に興味を持っているなど、経験しなければわからない気づきを多く得ることができました。
今後は、イベントを経て得た気づきをもとに消費者インサイトや実行前と実行後のGAPをまとめ、これからのカワスイスクールに行かせるような提案をしていきます。(文責 3年 小林 舞)


ディベート形式での業界研究
就職活動を成功させるための大事な要素である業界研究ですが、業界研究をディベート形式で行うのが松尾ゼミならではの特徴です。2年次後期の初顔合わせの時期に、チーム対抗のディベートを行うことで業界について詳しくなるとともに、ゼミ生の人となりを知る機会とします。
ゼミ生は6つの業界に分かれ、その業界に未来があるかないかを肯定側(2名)・否定側(2名)に分かれて対戦形式で討論します。ディベートで必要なのは、相手を論破するための、情報収集と論理構築力です。情報収集では、根拠あるデータを用い、その業界の成長性や将来性を事前に調査分析します。ディベート本番では、調査内容を相手や傍聴者に納得してもらうための論理的な話の組み立てを心がけています。ディベートというゲーム感覚で出来る業界研究を通じて、就職活動の際必要となる企業を見る目を養い、リサーチ・分析・実行力が必要となる今後のゼミでのマーケティングプロジェクトにつなげます。(文責 T.M)
学生によるゼミ紹介
意欲的に活動したい人におススメです!

松尾ゼミはプロジェクトにとにかく力を入れ、ゼミ生全員が熱心に活動するゼミです。3年次には2つのプロジェクトに並行して取り組むため、決して容易ではありませんが、たくさんの障壁に直面することで主体的な思考力やグループとして1つの結論を導き出す力を培うことができます。また、企業の方に直接プレゼンテーションをできるため、ビジネスの視点を学びたい、実践的な活動経験を積みたいと考える学生にとって、他にはない環境だと感じます。
そんな松尾ゼミですが、ゼミ生は心優しい学生で溢れています。その理由の一つは、ゼミ生みんなが松尾先生を好きだからだと私は考えます。学生一人ひとりを大切にする松尾先生の人柄に惹かれ、松尾先生のもとで学びを深めたいという人が集うからこそ、素直で明るい学生が多く、実家のような温かさのあるゼミです。休み時間には自然とお菓子交換し始めるなど和気あいあいとした雰囲気があるのもこのゼミならではの魅力だなと感じます。
今よりも自分を高めたい、チームで物事を成し遂げたい、明るく楽しく意欲的に活動したい、そんな想いを持っている方におすすめしたいゼミです。(文責 ゼミ長 菊島 悠太郎)
学生に期待すること
未来は、まだ何も書かれていません。可能性は無限です。どんなに困難なことでも、どんなに批判を受けても、ゼミに理解者がいれば、やり続けることが出来ることを知って欲しいと思います。「月に手を伸ばせ、たとえ届かなくとも!」これが松尾ゼミの信条です。