プロが教える「進路づくり」 第11回 <2020年度連載>

第11回 入試期間中、保護者にできること

ご家庭でできるのは、まず心身の健康維持サポート

心身の健康のサポート
1月から大学入学共通テストを皮切りに、いよいよ一般選抜がスタートします。

入試が集中するこの時期に受験生の保護者ができることは、まず心身の健康を維持するサポートでしょう。受験生にとって最も怖いのは体調不良。風邪やインフルエンザへの対策に加え、現在は新型コロナウイルスのリスクも気にかけなければなりません。外出時のマスクや手指の消毒などは、この1年の間にどのご家庭も徹底されてきたことと思います。加湿器などを使い、空気が乾燥しないようにすることなども大事ですね。時間がない! と焦ってしまうシーズンですが、なるべく湯船に浸かり、睡眠を十分にとった方が結果的には万全の体制で受験に臨めます。食事については栄養バランスの良いものをしっかり食べるなど、基本的なことを守っていれば問題ありません。
メンタル面でのサポート
メンタル面でも色々と悩みが多い時期です。受験である以上、思っているように結果が出ないこともあるでしょう。高校に通学する機会も減り、友達とコミュニケーションする機会も減りますから、ストレスもたまってきます。大事なのはメリハリ。食事時などは受験と関係のない、いつも通りの話を家族と楽しむくらいでも良いと思います。そういった「ゆるむ」時間を少しは持った方が、長期にわたって勉強に集中できるという人は少なくありません。ここまでくれば、誰よりも受験生自身が「勉強しなきゃ!」と思っているはずです。人にもよるでしょうが、あまり追い立てるようなことはしない方が良いのでは、と私は思います。
アドバイスのタイミングが大事
大学の入試が多様化したことで、受験のチャンスは増えています。3月中からでも出願できる入試日程もありますし、大学側もそれをアピールしています。保護者の方も、「こんな学部もあるらしいよ」「ここは資格も取れるんだって!」など、本人によかれと思って様々なアドバイスをしがちですが、たとえ有益な情報でも志望校の受験前に言われたら集中力が途切れます。
大事なのはタイミング。受験シーズンが始まる前に、「○月○日の、○○大学の入試が終わったら、それまでの振り返りと、その後の作戦会議をしよう」などと家族で決めておく方が、本人も前向きに臨めると思います。

各種の手続日や、コロナ禍に伴う変更などには注意を

受験スケジュールの把握と管理
保護者にできるサポートはほかにもあります。たとえば、受験スケジュールの把握と管理。現在は大学ごとに、非常に多様な入試が行われています。受験する先の【出願日】【試験日】【合格発表日】【入学手続締切日】をカレンダーに記入し、間違えないようにしておきましょう。本人もわかっているとは思いますが、入学金の振り込みなど、重要な手続き日程を保護者も把握してくれているというだけで、学習に集中しやすくなると思います。なお入学手続きは、一次、二次の二段階に分かれているケースが多いですので、こちらもしっかり確認を。
経済的なサポート制度
入学手続きの締切は、大学によっては申請によって延長する、あるいは入学金を返還するといった受験生を経済的なサポートする制度があるケースもあります。たとえば産業能率大学の場合、二次手続期限までに辞退の申し出をすると、一次手続金(入学金)を全額返還してくれます。こうした情報は、保護者の方がチェックしておくと安心です。入学までに必要な資金を用意する、というのも保護者の重要な役割ですね。こちらについてもコロナ禍にともなう支援制度などが利用できる場合がありますので、合格した大学へ問い合わせてみることをお勧めします。
コロナ禍の影響による変更
なお、コロナ禍の状況を受けて、予定されていた二次試験の中止を急遽発表した国立大学もあります。異例の対応ではあると思うのですが、今後も同様のケースが出ないとは限りません。出願する大学のウェブサイトは、小まめにチェックした方が良いかもしれません。
最後に
受験生は、受験当日まで伸びます。あきらめないことが何よりも大事なこと。これまで努力してきたことをしっかり発揮できれば大丈夫と信じて、最後までがんばってください。保護者の方もぜひ焦らずに、あたたかく見守っていただければと思います。
頑張る受験生を経済的に応援!
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一般選抜、大学入学共通テスト利用併願で割引適用
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■一次手続金(入学金)返還制度
入学辞退の場合、3月11日まで一次手続金(入学金)を全額返還します。
対象:一般選抜前期、一般選抜中期、未来構想方式、大学入学共通テスト利用方式
倉部 史記
「高大共創」のアプローチで高校生の進路開発などに取り組む。日本大学理工学部建築学科卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。私立大学専任職員、予備校の総合研究所主任研究員などを経て独立。進路選びではなく進路づくり、入試広報ではなく高大接続が重要という観点から様々な団体やメディアと連携し、企画・情報発信を行う。全国の高校や進路指導協議会等で、進路に関する講演も多数努める。著書に『看板学部と看板倒れ学部 大学教育は玉石混合』(中公新書ラクレ)『文学部がなくなる日 誰も書かなかった大学の「いま」』(主婦の友新書)など。
(ウェブサイト)http://kurabeshiki.com/