私の視点 2021
卒業生に聞く、
未来に求められるIT人材になるには
~SANNO教員×卒業生 対談~
私の視点 2021
卒業生に聞く、未来に求められるIT人材になるには
社内情報システム・インフラを支えるエンジニアとして株式会社一休で活躍する大多和亮さん(2015年卒)と、ゼミの恩師である川野邊誠教授による対談。デジタル業界に求められる人材や、2021年4月に誕生した「デジタルビジネスデザインコース」の意義、時代のニーズに合わせて変化するSANNOの魅力について、現場の声とともに伺います。
川野邊

情報マネジメント学部の川野邊誠です。デジタルビジネスデザインコースを立ち上げたこともあり、今日はITの仕事に携わる大多和さんにお話を伺いたいなと。よろしくお願いします。

大多和

大多和亮です。2015年にSANNOを卒業し、現在は株式会社一休でコーポレートエンジニアとして情報システムを担当しています。在学当時は川野邊ゼミで先生にお世話になりました。

川野邊

コロナ禍でなかなか会えなかったから、お久しぶりですね。早速だけど、一休での仕事内容を教えてもらえますか。

大多和

一休は高級宿泊予約サービスである「一休.com」を運営する会社ですが、僕は社内の情報システムを担当しています。具体的に言えば、SaaS(Software as a Service)を中心としたコーポレートITの導入・構築・運用、オフィスの移転に伴うインフラの整備やセキュリティ関連など、会社の情報インフラ全般を支える仕事です。

大多和 亮株式会社一休
コーポレートエンジニア
ITと経営が同時に学べる、SANNOならではに惹かれた
川野邊

そもそも、なんでSANNOに入ろうと思ったの?

大多和

昔からコンピューターが好きで、高校は県内で唯一情報工学科のある学校に進学しました。当時はITだけじゃなくマーケティングにも興味があったので調べたところ、情報と経営が同時に学べるSANNOのことを知ったんです。工学部や理工系の大学に進学するよりもいいなと思いました。

川野邊

当時は「情報システムコース」もあったわけだけど、「コンテンツビジネスコース」を選択したのはどうして。

川野邊 誠情報マネジメント学部 教授
大多和

システムを作る側よりもビジネス展開する側にまわった方が、自分には向いているんじゃないかと思ったんです。

川野邊

なるほど。SANNOじゃなきゃ学べないことを重視してたんですね。

大多和

その通りです。

川野邊

じゃあ、どうしてうちのゼミにしようと思ったの?

大多和

1年生の頃から聴講で参加させていただいたりしていたんですけれど、先生のゼミは噂通り、学部のなかでは一番厳しくて忙しく…(笑)

川野邊

それは個人の感想だね(笑)。でも、結局はうちのゼミにしたよね。

大多和

いざゼミ選択のときに改めて複数のゼミを見学して、先輩とも活発に議論が交わせる川野邊ゼミでとことん学びたいなと思ったんです。

大きな刺激を受けた、時代の最先端に触れる授業
川野邊

SANNOで印象深かった授業は?

大多和

ゲーム業界や映像業界で活躍している方のお話が聞けるエンターテインメントビジネス講座ですね。毎回本当に楽しみにしていた記憶があります。

川野邊

トレンドの最先端でビジネスプロデューサーとして活躍している人たちを呼ぶから、確かにあれは刺激を受けるよね。コースに関係なく履修者は200人います。

大多和

SANNOでしか受けられない授業ですよね。

川野邊

ちなみに卒業論文のテーマは覚えてる?新しいデジタル技術を使って、教員と学生が楽に出席管理ができるシステムはできないか…っていう私のニーズに応えた研究をしてくれたんだけど。

大多和

もちろんです。当時iOSのiBeaconという新しくできたテクノロジーがあり、その無線通信を使って授業の出欠を取るアプリケーションの考案という卒業論文を書きました。

川野邊

スマートフォンさえ持っていれば自動で出席が取れるし、途中で抜けてもわかるという。でも思っていたようなシステムにまでは持っていけなかったよね。

大多和

はい、途中からはシステムの提案や企画に絞るといった方向に転換しました。

川野邊

試作システムまでで卒論は終えたけど、新しいデジタル技術を使って身近な問題にアプローチするっていうのは非常に面白かったし、そういうセンスがある人なんだと思って見ていました。

流れの速い業界だからこそ、多様性が求められる
川野邊

コーポレートエンジニアの仕事のやりがいは、どこに感じていたりするの?

大多和

他のエンジニア職と違うのは、ユーザーである社員と一番近いところで接することができる点です。あと最新のデバイスやサービスにも触れられるので、新しいものが好きな人には向いている仕事ですね。

川野邊

会社の許可を取って副業で仕事を請け負ってもいるよね?

大多和

大企業である一休と小さな会社では、求められるスキルが全然違うんです。双方の経験を積むことで、同年代のエンジニアより扱えるシステムの数はかなり広いと自負しています。

川野邊

大多和さんは多様性の人だね。

大多和

今後もコーポレートエンジニアの仕事を続けていきたいなと思っているんです。何かひとつに特化したスペシャリストではなく、臨機応変に活躍できるジェネラリストとして、色々なことに挑戦していきたいなと。

川野邊

大多和さんは学生時代から新しい物好きで、情報収集能力もすごくて。しかも体験するだけじゃなく、Webメディアで発信もしていますよね。

大多和

そうですね。同じ業界の中にもアウトプットをしている方が大勢いて、僕自身もそういうところから影響を受けたので、今度は自分の情報が誰かにとって有益なものになったらいいなと。仕事で得た知識も、できるだけアウトプットするようにしています。

川野邊

僕は実際に体験する人のことを “一次情報ホルダー”って呼んでいるんだけれど、そういうのは大事?

大多和

日々触れる情報には書き手の意思などが含まれているから、新製品に触れるにしろ食事にしろ、一次情報に触れることは心がけていますね。あとは「一休.com」が高級旅館や高級レストランにスポットを当てているので、自社ビジネスを理解するために体験しているところもあります。

川野邊

裏を返せば、今の若い世代はあまり自ら情報を取りに行ってないと。

大多和

情報は見ていても、自ら調べる学生は少ないと思うんです。僕たちの仕事でも今後一番求められてくるのは、情報に対して主体的に学べる人だと感じています。一次情報に触れる人が、これからは強いんじゃないでしょうか。

時代のニーズに合わせて、自在に変化するSANNOの魅力
川野邊

今回デジタルビジネスデザインコースを立ち上げたんだけど、このコースについては素直にどう思った?

大多和

SANNOは昔から新しいコースなどの展開方法が上手いなと。プログラマーやシステムエンジニアは市場で溢れているんですけれど、逆にITのプロデュースをする人が不足しているのは採用活動でも感じているところです。

川野邊

新しい技術情報に限らず、新しい概念も自らの五感を使って体験してくことを、このコースで学ぶ学生には提供していきたいなと思っていて。さらに学生には学んだことを加工して、つながりを見つけていってほしい。いろんな事象と技術の接点を見つけて、それをビジネスとして昇華できるような人を育てたいです。

大多和

確かに、そういう人は今後市場価値が高い人材になっていきますね。

川野邊

さまざまなサービスを組み合わせていって、新しいものを作っていくっていう発想は、ビジネス面でも強みを発揮する。それを統合的にマネジメントできる人は世の中で必要とされるはず。2021年度からスタートして、4年後にはその子たちが社会に出るじゃない。現場の人間からすると、どういった能力を持って出てきて欲しい?

大多和

掛け算ができる人材というんでしょうか、開発やシステムが使えるだけじゃなく、もうひとつ得意分野がある人というか。

川野邊

なるほど。そんなデジタル業界を志す受験生たちは今、コロナ禍でこれまで以上に大学選びに迷っているかと思います。皆さんにアドバイスをお願いします。

大多和

テクノロジーの進化は速いので、大学で学んだことがそのまま卒業後に活かせるかといえば難しい状況です。だからこそ偏差値や知名度にとらわれず、変化に強い学校を選ぶことをおすすめします。

川野邊

今の話で確信したのは、新コースのコンセプトや輩出していきたい学生像が、まさしく時代のニーズに合っているなと。ただし、5年後にはまたニーズも変わる可能性もあるから、このコースは世の中の変化に対して、柔軟かつ迅速に対応していくっていうことも備えています。

大多和

なるほど、期待できますね!

川野邊

カリキュラムもバージョンアップできる仕組みや、仕掛けも用意している。時代、そして現場の声に応えられるコースなので、ぜひ新コースに期待してください。今日はお話ありがとうございました!

大多和

こちらこそ、ありがとうございました!

プロフィール
大多和 亮 OTAWA RYO
株式会社一休 コーポレートエンジニア
2015年に産業能率大学を卒業後、新卒で入社した不動産情報メディア企業を経て、2018年に株式会社一休へ中途入社。コーポレートITの導入・構築・運用から、オフィスインフラ、セキュリティ、ヘルプデスクまで幅広く担当する傍ら、個人事業主としても活動。スタートアップ企業のコーポレートIT 導入・構築の支援・アドバイスを行っている。
川野邊 誠 KAWANOBE MAKOTO
情報マネジメント学部 教授
2021年4月より誕生したデジタルビジネスデザインコース主務者。SANNOでは、音楽や映像などの“像情報”といった、非常に身近でありながらも未知なる部分を解明すべく、像情報と人間との関係に深く着目して研究。講義では知識・技術の他、“日々観察する事”と“論理的に物事を考える事”の大切さを伝えていくほか、新コースではデジタル・テクノロジーをプロデュースできる人材の育成も図る。
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