情報マネジメント学部の川野邊誠です。デジタルビジネスデザインコースを立ち上げたこともあり、今日はITの仕事に携わる大多和さんにお話を伺いたいなと。よろしくお願いします。
大多和亮です。2015年にSANNOを卒業し、現在は株式会社一休でコーポレートエンジニアとして情報システムを担当しています。在学当時は川野邊ゼミで先生にお世話になりました。
コロナ禍でなかなか会えなかったから、お久しぶりですね。早速だけど、一休での仕事内容を教えてもらえますか。
一休は高級宿泊予約サービスである「一休.com」を運営する会社ですが、僕は社内の情報システムを担当しています。具体的に言えば、SaaS(Software as a Service)を中心としたコーポレートITの導入・構築・運用、オフィスの移転に伴うインフラの整備やセキュリティ関連など、会社の情報インフラ全般を支える仕事です。
そもそも、なんでSANNOに入ろうと思ったの?
昔からコンピューターが好きで、高校は県内で唯一情報工学科のある学校に進学しました。当時はITだけじゃなくマーケティングにも興味があったので調べたところ、情報と経営が同時に学べるSANNOのことを知ったんです。工学部や理工系の大学に進学するよりもいいなと思いました。
当時は「情報システムコース」もあったわけだけど、「コンテンツビジネスコース」を選択したのはどうして。
システムを作る側よりもビジネス展開する側にまわった方が、自分には向いているんじゃないかと思ったんです。
なるほど。SANNOじゃなきゃ学べないことを重視してたんですね。
その通りです。
じゃあ、どうしてうちのゼミにしようと思ったの?
1年生の頃から聴講で参加させていただいたりしていたんですけれど、先生のゼミは噂通り、学部のなかでは一番厳しくて忙しく…(笑)。
それは個人の感想だね(笑)。でも、結局はうちのゼミにしたよね。
いざゼミ選択のときに改めて複数のゼミを見学して、先輩とも活発に議論が交わせる川野邊ゼミでとことん学びたいなと思ったんです。
SANNOで印象深かった授業は?
ゲーム業界や映像業界で活躍している方のお話が聞けるエンターテインメントビジネス講座ですね。毎回本当に楽しみにしていた記憶があります。
トレンドの最先端でビジネスプロデューサーとして活躍している人たちを呼ぶから、確かにあれは刺激を受けるよね。コースに関係なく履修者は200人います。
SANNOでしか受けられない授業ですよね。
ちなみに卒業論文のテーマは覚えてる?新しいデジタル技術を使って、教員と学生が楽に出席管理ができるシステムはできないか…っていう私のニーズに応えた研究をしてくれたんだけど。
もちろんです。当時iOSのiBeaconという新しくできたテクノロジーがあり、その無線通信を使って授業の出欠を取るアプリケーションの考案という卒業論文を書きました。
スマートフォンさえ持っていれば自動で出席が取れるし、途中で抜けてもわかるという。でも思っていたようなシステムにまでは持っていけなかったよね。
はい、途中からはシステムの提案や企画に絞るといった方向に転換しました。
試作システムまでで卒論は終えたけど、新しいデジタル技術を使って身近な問題にアプローチするっていうのは非常に面白かったし、そういうセンスがある人なんだと思って見ていました。
コーポレートエンジニアの仕事のやりがいは、どこに感じていたりするの?
他のエンジニア職と違うのは、ユーザーである社員と一番近いところで接することができる点です。あと最新のデバイスやサービスにも触れられるので、新しいものが好きな人には向いている仕事ですね。
会社の許可を取って副業で仕事を請け負ってもいるよね?
大企業である一休と小さな会社では、求められるスキルが全然違うんです。双方の経験を積むことで、同年代のエンジニアより扱えるシステムの数はかなり広いと自負しています。
大多和さんは多様性の人だね。
今後もコーポレートエンジニアの仕事を続けていきたいなと思っているんです。何かひとつに特化したスペシャリストではなく、臨機応変に活躍できるジェネラリストとして、色々なことに挑戦していきたいなと。
大多和さんは学生時代から新しい物好きで、情報収集能力もすごくて。しかも体験するだけじゃなく、Webメディアで発信もしていますよね。
そうですね。同じ業界の中にもアウトプットをしている方が大勢いて、僕自身もそういうところから影響を受けたので、今度は自分の情報が誰かにとって有益なものになったらいいなと。仕事で得た知識も、できるだけアウトプットするようにしています。
僕は実際に体験する人のことを “一次情報ホルダー”って呼んでいるんだけれど、そういうのは大事?
日々触れる情報には書き手の意思などが含まれているから、新製品に触れるにしろ食事にしろ、一次情報に触れることは心がけていますね。あとは「一休.com」が高級旅館や高級レストランにスポットを当てているので、自社ビジネスを理解するために体験しているところもあります。
裏を返せば、今の若い世代はあまり自ら情報を取りに行ってないと。
情報は見ていても、自ら調べる学生は少ないと思うんです。僕たちの仕事でも今後一番求められてくるのは、情報に対して主体的に学べる人だと感じています。一次情報に触れる人が、これからは強いんじゃないでしょうか。
今回デジタルビジネスデザインコースを立ち上げたんだけど、このコースについては素直にどう思った?
SANNOは昔から新しいコースなどの展開方法が上手いなと。プログラマーやシステムエンジニアは市場で溢れているんですけれど、逆にITのプロデュースをする人が不足しているのは採用活動でも感じているところです。
新しい技術情報に限らず、新しい概念も自らの五感を使って体験してくことを、このコースで学ぶ学生には提供していきたいなと思っていて。さらに学生には学んだことを加工して、つながりを見つけていってほしい。いろんな事象と技術の接点を見つけて、それをビジネスとして昇華できるような人を育てたいです。
確かに、そういう人は今後市場価値が高い人材になっていきますね。
さまざまなサービスを組み合わせていって、新しいものを作っていくっていう発想は、ビジネス面でも強みを発揮する。それを統合的にマネジメントできる人は世の中で必要とされるはず。2021年度からスタートして、4年後にはその子たちが社会に出るじゃない。現場の人間からすると、どういった能力を持って出てきて欲しい?
掛け算ができる人材というんでしょうか、開発やシステムが使えるだけじゃなく、もうひとつ得意分野がある人というか。
なるほど。そんなデジタル業界を志す受験生たちは今、コロナ禍でこれまで以上に大学選びに迷っているかと思います。皆さんにアドバイスをお願いします。
テクノロジーの進化は速いので、大学で学んだことがそのまま卒業後に活かせるかといえば難しい状況です。だからこそ偏差値や知名度にとらわれず、変化に強い学校を選ぶことをおすすめします。
今の話で確信したのは、新コースのコンセプトや輩出していきたい学生像が、まさしく時代のニーズに合っているなと。ただし、5年後にはまたニーズも変わる可能性もあるから、このコースは世の中の変化に対して、柔軟かつ迅速に対応していくっていうことも備えています。
なるほど、期待できますね!
カリキュラムもバージョンアップできる仕組みや、仕掛けも用意している。時代、そして現場の声に応えられるコースなので、ぜひ新コースに期待してください。今日はお話ありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました!