初年次PBL

4年間学ぶ上でのファーストステップ

柏木 瑠菜 経営学部1年 神奈川県立大磯高等学校出身

同じスタートラインに立つからこそ、入ったスイッチ

SANNOは、PBL(課題解決型授業)をはじめとした実践的な授業の多さが特長ですが、それは、入学直後のオリエンテーションプログラムから始まります。自分にできるかとても不安になりましたが、他の1年生も同じはず。「やるしかない!」とやる気にスイッチが入りました。 オリエンテーションプログラムは3日間行われます。ゼミ内(全ての1年生が30人程度の初年次ゼミに所属)で4〜5名のチームに分かれ、課題を解決する企画案を考えてプレゼンテーションに臨みます。評価をチーム対抗で競い合い、選ばれたチームはゼミの代表としてゼミ対抗戦に進むことができます。

課題を解く企画力とチーム力を磨いた3日間

課題は、北海道帯広市で実施する「ふるさとワーキングホリデー※(以下ワーホリ)」の企画でした。プランを自由に設定できる市役所の職員という設定で、学生の興味を引く参加者募集企画の立案にチームで取り組みました。
私たちは、他のワーホリ事例を調べて学生のニーズを探り、帯広市の特長や魅力に関する情報を集めることから始めました。その中で注目したのは、帯広市で毎年行われている“3大祭り”でした。全国的な認知度は低いものの、プロモーションの方法しだいで県外にも広くアピールできると考えました。
悩んだのは、ワーホリとしていかに企画を成立させるかでした。ボランティアを募ることが多い“お祭りの手伝い”では、自治体に賃金を払ってもらうことは期待できません。そこで、帯広市の酪農家をピックアップし、作業を補助することで給料と宿泊場所を得られるように交渉しました。つまり、お祭りのプロモーションは地域創生やブランディングを学べる場として活用し、収入は酪農を通じてを得てもらうセット企画として提案することにしたのです。
初対面のチームメンバーと議論を重ね、打ち解けていくうちに気づいたことがあります。それは、個々に得意分野があるということです。企画書の作成、発表のシナリオ作り、当日のプレゼンターなど、強みを活かして役割を分担することで、チームとして成果を最大化しようと考えました。

身についたのは、他の学びにも活かせる基礎力

私たちはゼミ代表に選ばれ、ゼミ対抗による全体発表ではオーディエンス賞をいただくことができました。評価につながったのは、他チームの企画にはない視点に加えて、設定した学生のターゲットだと思います。大学生の中でも地域のプロモーション活動やブランディングに関わりたい人に募集対象を絞りました。
一方で反省点としては、ワーホリを実施する帯広市のメリットについて考察が足りなったことです。学生と自治体がWin-Win(ウィンウィン)の関係になれる企画を追求し、次回の初年次PBLでは最優秀賞を狙います。
オリエンテーションプログラムを受けて良かったと思うのは、課題解決のためのプロセスや思考法を体験的に学べたことです。また、チームによるプロジェクトを成功させるポイントもつかむことができました。これらは他の学びにも活かせる基礎力といえます。4年間学ぶ上で有意義なファーストステップになりました。

※ふるさとワーキングホリデー 
2017 年にスタートした「地域で働いて収入を得ながら、休日は自由な休暇を過ごすことができる制度」。滞在期間が2週間~1ヵ月程度と短期間で、移住の必要がないため、大学生にとっては休みの期間を利用して参加しやすい。仕事(業務)内容や賃金、勤務時間、実施期間、滞在先(宿泊先)などは自治体が自由に設定することができる。産業能率大学と帯広市は2023年7 月、人材育成、地域活性化を目的に連携協定を締結している。

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※2024年度掲載