横須賀・葉山地域との連携活動レポート

JAよこすか葉山「すかなごっそ」との交流の経緯
JAよこすか葉山とは、情報マネジメント学部 インターンシップ科目での学生派遣受け入れをいただくなど長年にわたって連携をしてまいりました。その後、就職した卒業生との繋がりから、大型農産物直売所である「すかなごっそ」と協働で、ゼミでの連携活動がスタート。農家のみなさんの思いなども取り入れた、店舗PR動画を作成しました。2018年に三浦ゼミにて連携活動を引継ぎ、後学期から2年近くをかけて商品の企画開発を行い、2020年3月に地域の特産物である三浦大根を原材料とした「三浦大根の生ふりかけ」が完成し発売されました。

連携強化を意識し、瑞木祭(学園祭)においても、すかなごっその取扱商品の中から模擬店での販売商品をセレクトし仕入れ、葉山牛コロッケやおやきを販売しています。特に2年連続で出店した葉山牛コロッケは、リピーターもいらっしゃるほどの人気でした。
活動内容
2018年の商品企画から始まり、製造業者などとの調整、2019年はメニュー提案やインスタグラムなどプロモーション方法の検討と実施、そして現在は、平日のさらなる集客のための提案に向けたリサーチを行っています。3年にわたる連携活動を通じて、マーケティング活動のほぼすべてを網羅した経験をする機会を学生に提供することができました。

コロナウィルス感染拡大防止のため、春に実施予定だったイベントはことごとく中止となりましたが、今はマーケティングの知識をもう一度洗いなおしてリサーチの準備を進めています。また、「三浦大根の生ふりかけ」のPRをなんとか遠隔でもできないかという思いで学生がアイディアを出し、POPの作成と店内放送のシナリオ作成・録音を企画準備しています。

ゼミでの活動の様子

商品完成プレイベントの様子

ゼミでなければできない活動を
商品開発に2年近くという長い期間を要しましたが、私としてはそれでよかったと思っています。産業能率大学には魅力ある実践的な授業が多くありますが、半期14回という授業回数の限界を感じることも正直あります。対してゼミの場合は、上級生から下級生へと引継ぎを行いながら継続的な活動が実施できるため、授業回数の制限を取り払って、連携先と納得いくまで徹底して「より良いものを作る」、「良い提案をする」ことに取り組むことができます。企画の甘さを指摘され、粘り強く何度もやり直しをしなければならないことなどは、現実の社会では当たり前のことです。私からは、「妥協するくらいなら世に出さない方がいい」と常々学生に発信しています。

自分たちの作った野菜に誇りを持っていらっしゃる農家の方や、その支援を行い、魅力的な商品や店舗作りに日々真剣に取り組んでいるJA職員の方々と間近に接することで、最初は「いつものお勉強モード」だった学生たちが、みるみる「本気」になっていく様子は頼もしくもあります。地域創生・産学連携を通じた学びは、マーケティングやマネジメントだけでなく、「誇りをもって働くということ」を直に感じることのできる最大で最高のキャリア教育なのかもしれません。
情報マネジメント学部 准教授 三浦 智恵子