ミュージック・エンタテインメント

音楽業界の“今”が学べる!「ミュージック・エンタテインメント」科目

音楽業界のトップで活躍する多才な方々を講師に迎えて実施される「ミュージック・エンタテインメント」科目。毎回人気の授業となっています。 2020年度前学期は7名の外部講師を迎え、それぞれの分野から音楽業界を掘り下げ、学生にわかりやすい内容でオンラインにてご講義いただきました。

5月27日 Joey Carbone 氏 (作曲家・プロデューサー)

アメリカ在住でありながら日本の音楽業界で長年活躍しているカルボーン氏に、ロスの自宅兼スタジオより講義してもらいました。ZOOMによるリモートならではの講義に、学生も興味深く聞き入っていました。多くのジャニーズ系楽曲を作曲してきた同氏が実例とともに、時には手もとでピアノを弾きながら、日米でのヒット曲の傾向の違いや、その点を踏またうえで、日本で作曲家として成功をするために心がけてきたことなどをきめ細かく説明していただきました。

6月17日 大高 英慈 氏 (株式会社ヤングスタッフ 代表取締役)

FMラジオ用に音楽番組の制作を手掛けるヤングスタッフ社の大高社長は、音楽番組の魅力、音楽そのものや音楽がリスナーに与える付加価値や影響について講義をしてくれました。音楽番組での選曲や曲の配置のキモは『心地よい裏切り』とのこと。また、ラジオ大国アメリカ(人口は日本の2倍、面積は日本の25倍ながら、ラジオ局数は日本の1万倍)でカバー楽曲が重宝される理由もご開陳いただきました。

6月24日 motsu 氏 (エイベックス・マネジメント株式会社 所属 歌手・ラッパー)

アニメ『妖怪ウォッチ』の主題歌を歌うキング・クリームソーダの‶ゲラッパー“として、紅白歌合戦2回出場を誇るmotsu氏には、BUZZのおこしかた、いかに自身のキャリアの中で、復活を繰り返してきたか、を語っていただきました。学生も知っているアーティスト本人が、自ら語る言葉には重みも風格も感じられました。(本物のラップもご披露いただきました)。

7月1日 堤 聖志 氏 (株式会社ネイキッド サウンドデザイナー)

プロジェクションマッピングの第一人者であるネイキッド社で、映像に付帯する音楽や効果音などを担当する堤氏、同社の過去作品を題材に、音楽が映像に与える付加価値や、その重要性を語ってくれました。また同社の組織としての魅力もご開陳いただき、講義後には相当数の学生が同社に興味を持った様子でした。映像作品が完成するまでの、クライアントとのやり取りや進行管理の様子も説明していただきました。

7月8日 野本 晶 氏 (MERLIN JAPAN株式会社 ゼネラルマネージャー)

世界の音楽産業において、インディレーベルを束ね、デジタル音楽配信上で経済的なしわ寄せが弱者にいかないようにサポートをしているMerlinネットワークの日本の代表として、野本氏には世界の音楽産業の動向、日本の今後の可能性などを、具体的な数値や調査結果などをもとにお話しいただきました。また以前のお立場(レコード会社、デジタル配信プラットフォーム会社)などでのご経験も踏まえ、日本ではなぜ音楽ストリーミング配信がなかなか根付かないかなどの考察もご披露いただきました。

授業外学習 —録画配信— 出口 豊 氏 (株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ 執行役員 第3マネジメント本部 本部長)

ソニー・ミュージックグループの一角で、アーティストマネジメントを担うソニー・ミュージックアーティスツにて、長らくアーティストの育成や新しい可能性の開花に尽力してきた出口氏には、インタビュービデオという形式で授業に参加いただき、マネジメント会社がどのような役割を担っているのか、アーティストとの信頼感やパワーバランスがどのようなものなのかを語っていただきました。マネージャーは「歌手のかばん持ち」というようなイメージがいまだにある中、実際にはどのようなことが行われているのかが垣間見えた講義でした。

授業外学習 —録画配信— 佐藤 ヒロオ 氏 (音楽食堂ルースター 代表取締役)

荻窪で長きにわたりライブハウス「ルースター」を経営している佐藤氏には、インタビュービデオという形式で授業に参加いただき、ライブハウスとして長く成功してこられた秘訣や、アーティストのブッキングにかかる考え方、アーティストへの経済的還元の方針など、他では絶対に聞くことのできない講義をしていただきました。録画のタイミングが4月の、まだコロナ禍がこれほど長期にわたると考えていなかった時期でもあり、ライブコンサートの楽しみ方に関しては将来的な予測ができていませんでした。一時的に閉店に追い込まれた緊急時案としてライブハウス経営者に何ができるかの模索などもあからさまにお話しいただきました。