地域ブランド創造プロジェクト
地域創生×SDGs×SANNO
産官学連携で「湘南オリーブ」に取り組む
Part.1
Part.2
温暖な気候と海、そして豊かな自然に囲まれた湘南は、かつてはみかん栽培で栄えた地域でもありました。ところが、現在の湘南エリアは、温暖化や農業離れが進み、休耕地の増加という問題を抱えています。こうした課題を解決するために今注目されているのが、オリーブ栽培です。湘南産オリーブのブランド化、関連商品の開発、新しいビジネスの創出、さらに耕作放棄地問題の解決に向けて、神奈川県二宮町、オリーブ栽培事業を展開する株式会社ファームビレッジ湘南、株式会社ユニバーサル農場、産業能率大学の4者が連携し、新たな可能性を探究していきます。


株式会社ファームビレッジ湘南 眞壁 潔氏
オリーブを柱に湘南地域の 未来型事業を創造したい
湘南地域はかつてみかん農業が盛んな地域でした。しかし、都心から近いこともあり、平日は企業で働き、休日に農業を行うという兼業農家がほとんどでした。こうした背景もあり現在は、廃業する農家が増え、農地は放棄され、山が荒れるという問題を抱えています。一方で、自然と都会的な雰囲気を兼ね備えた湘南エリアは、関東でも有数の人気スポットでもあります。そんな湘南地区の特徴を活かし、地域の問題を解決しつつ、新たな魅力を創造するコンテンツとしてオリーブ栽培事業に着手しました。温暖な気候を好むオリーブは湘南とマッチするとともに、捨てるところがないエコな植物です。さらに美容や健康にも有効な植物として注目が集まっています。湘南オリーブの活動は、始まったばかりです。本格的な事業化にはもう少し時間がかかるでしょう。次の世代を担う学生の皆さんの自由な発想力を借りて、湘南オリーブの可
能性を探っていたきたいと思います。

情報マネジメント学部教授 松岡 俊
オリーブを素材に地域について学び、 地域創生の視点を身につけて欲しい
地域にはそれぞれに魅力があると同時に、個別的な課題や事情を抱えています。よって、地域創生に万能薬はないというのが私の見解です。ですから学生には、狭い意味での企画提案にとらわれるのではなく、地域について深く知るという視点を身につけて欲しいと思っています。それらは、耕作放棄地の実態や背景にある理由、地方行政の取り組みや法制度、事業化に向けてのプロジェクトマネジメントのノウハウなど、実装のための知識や知見です。知識と企画力とを組み合わせ、他の地域にも転用できる地域創生モデルの創造を目指し、湘南オリーブブロジェクトに取り組んで行きたいと思います。

情報マネジメント学部 杉本 大斗
神奈川県立霧が丘高等学校出身
神奈川県立霧が丘高等学校出身
自分事として地域の課題解決に 取り組む意識が芽生えました
2022年度スタートした「地域ブランド創造プロジェクト」を履修したのは、一期生としてゼロから湘南オリーブのブランディングに関わりたいと思ったからです。前期はユニバーサル農場を訪問し、オリーブの栽培方法や生育の条件、商品化に至るまでの課題などについて学びました。オリーブの品種は世界に1,000以上あると言われ、二宮町で現在栽培されている品種は10数種類にのぼります。用途ごとに適した品種があり、それらの知識を活かしてレストランメニューの開発にも取り組みました。オリーブは消費者から「どこが産地でも同じ」と認識されている傾向があります。そこで後期は、地域色と季節感を色濃く出せる特産品として、学生が手摘みしたオリーブをフレッシュな新漬けにして「バモリーブ※」と名付けて販売し、好評を得ました。プロジェクトへの取り組みを通して、地域創生は単体で取り組むのではなく、さまざまなステークホルダー(直接的・間接的な利害関係者)との連携があって初めて、地域のブランド化につながることに気づきました。
※バモリーブ(vamos olive)は、スペイン語の「vamos」(バモス:「行くぞ、いいぞ、頑張れ」などの励ましの語)と「olive」とを組み合わせた造語です。「頑張れオリーブ」の意味を込めて商品名にしました。
※バモリーブ(vamos olive)は、スペイン語の「vamos」(バモス:「行くぞ、いいぞ、頑張れ」などの励ましの語)と「olive」とを組み合わせた造語です。「頑張れオリーブ」の意味を込めて商品名にしました。


