私の視点 2024
「主体的に動く」が、
私たちの今を作る。
人生を変えたイベコラという授業
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私の視点 2024 Vol.3
「主体的に動く」が、私たちの今を作る。
人生を変えたイベコラという授業
大学での学びはその後の人生にも大きな影響を与えるものです。卒業後の就職へのヒントを得たり、人生におけるライフワークを見つけたり、かけがえのない生涯の仲間と出会えたり。産業能率大学の「自由が丘イベントコラボレーション(以下、イベコラ)」もまた“人生を変える授業”として、多くの学生が履修してきた特色授業です。自由が丘の街と人、在学生、卒業生も含めたコミュニティの中で、どのように学び、何が人生を変えたのか。今回は卒業生である倉持有沙さん、川島飛鳥さんにお話を聞きました。
商店街から企業まで様々な講師陣とイベントによる街おこしをゼロから実践
『自由が丘イベントコラボレーション』とは?
自由が丘商店街が実施する3つのイベント(スイーツフェスタ、女神まつり、サンクスリバティ)の場で、学生が企画立案・運営に携わります。イベントやプロジェクトを成功に導くためのノウハウを体験的に学ぶプロジェクト型 授業で、 2024年度で16年目を迎えました。
― おふたりはなぜ、イベコラを履修しようと思ったんですか。
川島

私はもともと、将来イベントプランナーになりたいと思っていたので、イベントの企画から運営まで実践的に学べる授業があるというのを知って興味を持ちましたね。イベコラを履修したくてSANNOを受験しました。

倉持

私は 1年生の時、友達に誘われてスイーツフェスタのボランティアに参加したのがきっかけです。最初はそこまでイベントの企画とか運営に興味があったわけではないんですが、活動し始めたらものすごくハマってしまって。

川島

たしかに参加すると、あの熱量とか一体感に圧倒されるよね!

倉持

そうそう。イベント終了後に涙する先輩たちの姿を見たら、なんかすごくいいなって。あんな風に私も熱くなれるものに取り組みたいなと思って、2年生の時に受講することを決めました。

― 授業ではどんなことを学べるんですか。
倉持

自由が丘の街が活動の舞台になるので、まずは自由が丘の歴史や文化について学ぶ講義がありますね。あとは3つのイベントに向けて動いていくので、企画やイベント実施に向けた準備をしながら、講義や実習の中で講師の方からフィードバックをもらっていくという実践的な学びがあります。

川島

グループに分かれて企画を立てるんですけど、講師の方からは「その企画なら自由が丘のこの企業さんと一緒にやってみたら」というアドバイスや具体的な実現方法に関しての助言をもらうこともできます。

倉持

講師はSANNOの先生と自由が丘商店街振興組合を代表して来てくれる方、それから外部講師の人まで幅広かったよね。

川島

私たちの代では、コカ・コーラボトラーズジャパン㈱の方が外部講師として来てくれたね。企業視点での企画の立て方からプロジェクトを実現させるためには強い意志と行動力が必要だというマインド面まで幅広く話をしてもらえて、そこで教えてもらったことをヒントに企画を立てたりもしたね。

倉持

イベコラの授業は少し変わっていて、履修を終えた3年生が2年生に講義をするということもあるんだよね。昨年度の経験を活かして、後輩たちのプロジェクトをサポートしたり。外部講師の方も3年生が築いたネットワークを活かしてお呼びしたりもしました。

川島

1年生からボランティアとして参加もできるし、卒業生のボランティアも多いよね。

倉持

イベコラの中で独自のカルチャーが出来上がっていて、やる気があれば年次関係なく誰でも活躍できるというのはひとつの特徴だね。

川島

私はイベコラのあの雰囲気を“ベンチャー”って呼んでいるんだ(笑)。本物の会社のような組織の中で、仕事のようにプロジェクトに取り組む。まさにベンチャー企業のような雰囲気だよね。

活躍の場は自ら作り、企業へプレゼン
― 特に印象に残っているイベントはありますか。
川島

やっぱり一番規模の大きい、女神まつりですね。毎年50万人が来場するとても大きなイベントです。

倉持

自由が丘の街にとっても一大イベントなんです。街のイメージを左右するものだから、私たち学生にとってもプレッシャーは大きい。でも、企画から企業へのプレゼン、営業、イベント準備に当日の運営まですべてを経験できたのですごく思い出深いよね。

川島

私たちの年のテーマは「感謝」だったので、それにちなんで自由が丘の公式キャラクター「ホイップるん」をモチーフにダリアの花を使用したフラワーアートのフォトスポットを企画したよね。ダリアの花言葉「感謝」になぞらえて、来てもらった方々に思い出を持ち帰ってもらいたいなということで。

倉持

企画はSANNOの学生の完全持ち込みなので、ゼロから考えて講義の中で企画検討をして講師の方にフィードバックをもらって、地元企業協力のもと、自由が丘商店街振興組合の方々と一緒に作り上げていく感じです。

川島

フォトスポット企画も地元の園芸会社さんに協力していただいて、一緒にやらせてもらったな。

倉持

飛鳥はフォトスポット企画のリーダーだったよね。結構大変だったんじゃない?

川島

実際やるべきことは盛りだくさんだったね。花はどうやって手配するか、花を植える場所はどう確保するかとか、どんどん準備を進めていかなきゃいけなくて。授業で交渉術や信頼関係を築くということについて学んでいたので、それを一つずつ実践していくという感じだったな。

倉持

そうだよね、イベントを実行まで持っていく上で、関係作りってかなり大事だよね。

川島

やっぱりただ「場所を貸してください」「協力してください」って伝えるだけじゃダメで。一緒になって街を盛り上げていきたいという意志を、私たち学生も積極的に行動で示さなきゃいけない。だから私は毎朝緑道の掃除に参加させてもらったりしてたよ。

倉持

イベントを企画して実行するノウハウだけじゃなく、そこに至るまでのプロセスの中でも社会で活かせるスキルをたくさん教えてもらったよね。

― 倉持さんは自主企画で「七夕まつり」も企画されましたね。
倉持

はい。もともと七夕まつりというイベントは自由が丘の街にはなかったものなんです。ちょうどタイミング的に自由が丘が目黒区商店街連合組合へ呼びかけて一緒に何か企画ができないかと考えていた時期だったようで、自由が丘と中目黒の2箇所開催イベントとして企画しました。

川島

女神まつりが10月開催だから、その前の7月という時期もちょうど良かったね。実践経験が不十分な中で一大イベントの女神まつりを私たちでできるのか正直不安はあったから…、七夕まつりでの経験が、その後の自信にもつながったな。

倉持

やる気さえあれば、企画を自主的に立てて実行することができるんだって、あの時の経験で思ったの。チャンスは自ら行動して作っていくというのもイベコラを通して実感したことかな。

苦しい経験さえも、自分の成長の一歩
― プロジェクトを進める中で、苦労はありましたか。
倉持

たくさんありましたね。街の方々は本気なので学生の持込企画に対して、時には「これはやる意味がある企画なのか、誰のための企画なのか」と鋭い意見をもらうこともありました。

川島

特に有沙は、3年生でイベコラのキャプテンになったから、そういう経験はたくさんあったんじゃない?

倉持

そうかもしれない。キャプテンとして、イベコラのカルチャーを伝えていかないといけないし、後輩たちの企画に対してフィードバックしたり、学生と自由が丘の街の方との間に入って、人や企業をつないだりもする。そういう役回りだったから、人と関わっていく中での大変さはあったね。

川島

私は苦労というか、苦い経験としては女神まつりの時にフラワーフォトスポットを作るリーダーという立場だったのに、提供してもらった花を枯らしてしまって。

倉持

そういえば、そんなこともあったね!

川島

今でこそスケジュール管理をするスキルは身についたけれど、当時は全然うまくできず。右も左もわからない中で、やることを詰め込み過ぎてしまって、花のケアをおろそかにしちゃったんだよね。

倉持

街の人はどういう反応だったの?

川島

当然怒られたよね。自分がリードしている企画なのに、責任をしっかりと負いきれていなかったことについて、もっと集中して企画に取り組まなければ、とものすごく反省したの。

倉持

うんうん。真剣に取り組むからこそ、失敗してしまったとしても学ぶことが多いよね。

川島

とにかく誠意や姿勢を見せなきゃと思って、街の人とコミュニケーションを取ったり、積極的に行動することを心がけて挽回に努めたな。私はあの経験が一番自分の成長につながったと今でも思ってる。

― 街の方々と今でも交流はあるんですか。
倉持

はい、みなさん顔見知りなので会えば挨拶もしますし、プライベートでお店に遊びに行ったり、一緒に仕事をさせてもらうこともあります。実はイベコラがきっかけで、私は自由が丘に引っ越しもしたんです!

川島

おまけに、今は“街の人”としてイベントにも関わっているよね?

倉持

そうなの。自由が丘青年部という団体に所属していて、自由が丘商店街振興組合のみなさんと街を盛り上げるために、今は街の人という立場で活動してるんです。

川島

私も一度イベコラで講義をさせてもらったりしたし、イベントがあるたびにボランティアとして手伝っていたりしているよ。卒業してもずっと関係は続いているよね。

イベコラでの学びは、社会に出た後の土台になる
― 卒業後にイベコラでの活動が活きているなと感じる瞬間はありますか。
倉持

すべてにおいて活きているなと感じます。社会人になった当初から誰よりも積極的に行動するとか、具体的なこともそうですけど、精神面や仕事に対する姿勢はイベコラでの経験が大きいなと思います。

川島

イベコラで学んだ地域創生や街とのプロジェクト経験を活かして、今は東京のベンチャー企業にリモート勤務しつつ、地元の茨城を拠点に活動しています。

倉持

飛鳥の地元での活動は、イベコラでの実践そのものだよね。

川島

そうだね。宿泊コミュニティスペースの運営をしたり、街で実施するイベントの企画はイベコラのノウハウがダイレクトに活きるし、街の人との関係作りもイベコラでの経験があったからできているなって感じるな。

倉持

実はつい最近も私たちふたり、自由が丘でイベントやったんですよ。

川島

そうなんです、ふたりとも地元が茨城ということもあって、今年の5月に茨城の魅力を発信する「IBARAKI LIFE IS ORDINARY」というイベントを自由が丘の施設で開催したんです。

倉持

イベント出店の企業さんへ営業回りをしたりとか、クラウドファンディングで資金を集めたりとか、新しい取り組みもあって結構楽しかったよね。

川島

イベントを実現できたことも嬉しかったんだけど、ちゃんと人のつながりを作れたことも個人的には嬉しかったな。私たちだけじゃなく出展者さん同士もイベントをきっかけに仲良くなってくれて。

倉持

正直、仕事をしながらこういった活動をするのは、楽しくもあるけど大変。それでも取り組む理由は、イベコラで学んで街のため、誰かのために動きたいっていう使命感があるからなんだよね。

川島

取り組むためのノウハウを得て、経験もしてきたからね。

倉持

活動したほうが街のために良い、だから私がやる。そういうシンプルな想いで今はいるかな。

自由が丘で開催したイベント「IBARAKI LIFE IS ORDINARY」
― イベコラでの経験が大いに活きていますね。イベコラを通しておふたりが得たものってなんでしょう。
倉持

究極的な言い方をすると“生き方の学び”だと思います。何かに熱くなること、そして本気で取り組むことを、街の方や講師の先生、一緒に履修する同期からも学べて、自分の中で明らかに視点が変わったと思います。

川島

同じ志で取り組める仲間ができたことは、私の人生にとって大きなことかなって。

倉持

企画を考えたり、準備したり四六時中みんなと一緒にいて、家族じゃないけど仲間以上の、言葉では言い表せないような関係性だよね。

川島

うん。ただの友達ではない、同志のような存在。

倉持

私、イベコラの活動になんであんなに熱くなれたのか理由を考えてみたんだけど、やっぱり成長を感じられたからだと思うんだよね。イベコラでの活動を通して自分の価値を認識することができたし、得るものが大きかったと感じるんだ。飛鳥は、イベコラって私たちにとってどんな存在だと思う?

川島

立ち帰れる場所…「原点」かな。自分のベースを作ってくれた場所でもあるし。思い通りいかない時にも、イベコラを履修してた時の自分ならどうしたかなとか、お世話になったあの街の人だったらどう考えるかな、みたいに今でも考えるよ。今の自分を作ってくれているなと思う。

倉持

私も自分にとって大事なコミュニティだな。

― これからイベコラを履修される方や高校生に向けてメッセージをお願いします。
川島

今、必ずしも人と接することが得意、企画をやりたいという人じゃなくても、ぜひイベコラにチャレンジしてほしいです。もちろんイベコラには最初から目的や目標を持って履修する子もいるけれど、それ以上に「自分を変えたい」って子もいるので。

倉持

うん。自分を変えたいとか、何か熱くなれるものに出会いたい。そういう子にぜひイベコラを履修してみてほしいね。

― 熱いお話、ありがとうございました。今後のイベコラの活動も楽しみです!
川島

ありがとうございました!

倉持

ありがとうございました!

プロフィール
倉持 有沙 ARISA KURAMOCHI
ユニオンテック株式会社
シニアプロデューサー・マネージャー
産業能率大学 経営学部 経営学科を2017年に卒業。在学中は「自由が丘イベントコラボレーション」でキャプテンを務め、イベント企画から運営まで全体の統括を行う。大学卒業後は店舗やオフィスなどの空間デザインから内装工事までを手がける企業に就職、マネージャーとして活躍している。現在も「自由が丘イベントコラボレーション」の授業にオブザーブしつつ、イベント企画へ携わっている。
川島 飛鳥 ASUKA KAWASHIMA
株式会社PR Table 営業企画部 事業広報
ゲストハウス水戸宿泊交流場 運営・PR
産業能率大学 経営学部 マーケティング学科を2017年に卒業。大学在学中に参加した島おこしインターンシップ「島キャン」をきっかけに、人を通してその地域の魅力を伝えられる人材になりたいと、働く人から企業の魅力を伝える採用ブランディングサービス「talentbook」を運営する現所属企業へ入社。同社にてマーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスなどを経験し、PR担当に。2021年4月からは本業の傍ら、水戸宿泊交流場で運営やPRに携わり東京と茨城を行き来する生活を送る。現在は茨城県在住。
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