経営学部 松尾尚ゼミ

マーケティング学科
消費者インサイト(ホンネ)の研究
買うつもりがないものを衝動買いした経験はありませんか?人は自分でも予期しない行動をとってしまいます。そして、その心理を知ることが出来れば、ビジネスに生かすことができます。松尾ゼミでは、消費者がモノを購入するまでの心理分析と、消費者の潜在ニーズを明らかにするインサイト調査を、企業タイアップの形で行います。

ゼミの取り組み

松尾ゼミの2020年度は、「コロナ禍により内向きになりがちな時期だからこそ、ポジティブに学びを進めたい」という想いのもと、前期1企業、後期2企業とのPBL(Project Based Learning)に取り組みました。
「ザ・キッスPBL ペアリングの拡販戦略の提案」
前学期は、オンライン形式でジュエリー企業のザ・キッスとタイアップしたPBLを行いました。企業側から提示されたテーマは、“ペアリング”に対する若者ニーズの調査と拡販戦略の提案でした。 ターゲットは10代後半から20代全般の若者、まさに私たちです。プロジェクトを始めるにあたり、テキストマイニングを行いました。テキストマイニングとは、消費者がSNS等でつぶやく言葉(テキスト)を分析して、頻出語や語句の関連性を見つけ、消費者の傾向を見出し、そこから戦略を導く手法です。テキストマイニングの結果だけを見ると、“ペアリング”市場の拡大は難しそうだ、という印象がありました。しかし、この結果だけで諦めてしまっては、課題解決にはなりません。販売拡大の可能性を探るために、第二ステップとして学生インタビューを行いました。目的は、言葉や購入動機(または買わない理由)の背景にあるホンネを明らかにすることでした。インタビューから見えてきたのは、指輪への興味はあるものの、“ペア”に対するこだわりが薄いということでした。だとすれば、購入動機につながる新たな理由を作ることができれば、購買者を増やせるかもしれない。そう思い、私たちのグループでは、ターゲット世代に話題の「自分好みのカスタマイズ」に着目しました。指輪自体ではなく、パッケージに目をつけ、自分たちでオリジナルのパッケージを作ることができるサービスを付けて、個性を出すというプランを考案しました。このプランに対して企業の方々からは実現性の高い企画と評価をいただきました。このPBLを通じて調査の大切さを実感しました。納得感のある企画を完成させるためには、現状を冷静に見て状況を読む分析力や、分析結果から答えを導き出す思考力・判断力を駆使することが必要です。ひとつの視点だけでは、見えなかった解決策が複数の調査を掛け合わせていくことで新たな視点やアプローチの仕方に気付き、人を惹きつけるアイデアが生まれました。(渡邉 莉子)
「シミックPBL 子宮頸がんの検診率向上策を提案」
マーケティングの究極的な目標は、社会全体をより良くすることです。その観点で、後学期はシミック・ヘルスケア・インスティチュート株式会社のご協力により、子宮頸がんの検診率向上という社会問題に取り組みました。子宮頸がんは発症原因が明らかになっており、防ぐことができるがんとも言われています。既に子宮頸がんの啓発について、国や企業、NPOなどが様々な取り組みを行っていますが、日本では子宮頸がん検診受診率が先進国の中で圧倒的に低いのが現状です。そこで松尾ゼミでは、子宮頸がんのリスクを宣伝するのではなく、検診をすることによるベネフィットや楽しさをいかに提供できるかというファンセオリーの視点で戦略を検討しました。ゼミでは、一般女性の同がんに対する認識調査や、同がん患者のブログなどからそれぞれのインサイトの理解、GAPマトリクス分析やドキュメント分析など、これまで学んだマーケティングリサーチの手法を活かして分析を実施しました。1月の最終報告会では、企業の方から今後実現に向けて検討するので、ゼミ生にも協力してほしいとのお言葉をいただきました。今後もこのような社会問題解決に、マーケティングの視点から取り組んでいきたいと思います。(杉浦 はるか)
「川崎水族館(カワスイ)PBL 水族館来館者数増の戦略提案」
後学期取り組んだ2つ目のテーマがカワスイとのプロジェクトです。川崎駅前にあるカワスイは、「世界の美しい水辺」をテーマに、多摩川からアジア、アフリカ、南米アマゾンの熱帯雨林まで、世界の様々な環境に暮らす生きものを最新の照明・音響・映像技術を駆使して展示するショッピングモール内にある個性的な水族館。ゼミ生が自らカワスイ側に提案し、同水族館との交渉を経て、産学連携プロジェクトとして取組むこととなりました。ゼミでは、数人で構成されたチームに分かれ、現地調査、文献調査をもとにデータ分析を実施。学生ならではの視点と調査に基づいた分析結果をもとに、カワスイの新たな魅力を見出し、「カワスイに行くことがいかに楽しいか」を伝えるため、体験型プログラムやSNS運用の戦略提案を行いました。カワスイプロジェクトは始まったばかりです。2021年度も継続したいとの先方からのご要望もあり、後輩に引き継いで松尾ゼミの企画を実現したいと思っています。(藤島 愛子)
「ディベート形式での業界研究」
就職活動を成功させるための大事な要素である業界研究ですが、業界研究をディベート形式で行うのが松尾ゼミならではの特徴です。ゼミ生は6つの業界に分かれ、その業界に未来があるかないかを肯定側(2名)・否定側(2名)に分かれて対戦形式で討論します。ディベートで必要なのは、相手を論破するための、情報収集と論理構築力です。情報収集では、根拠あるデータを用い、その業界の成長性や将来性を事前に調査分析します。ディベート本番では、調査内容を相手や傍聴者に納得してもらうための論理的な話の組み立てを心がけています。ディベートというゲーム感覚で出来る業界研究を通じて、就職活動の際必要となる企業を見る目を養い、リサーチ・分析・実行力が必要となる今後のゼミでのマーケティングプロジェクトに繋げます。

学生によるゼミ紹介

「消費者の“ホンネ”を見つける場」

松尾ゼミでは、まずどのようなプロジェクトをやりたいかをゼミ生の議論を経て決めます。タイアップする企業は毎年変わるため、そこも面白いところです。プロジェクトが決まったら半年間に渡り実際にフィールドワークを行って、消費者のインサイトを調査したり、今まで学んできた知識を活用したりして企業様に提案をします。チームで取組むことが非常に多く、みんなで協力して目標に向かって取組むことができる場です。また、チーム活動のため、自分たち次第で良くも悪くもなります。私たち15期生は一人一人の個性が強いですが、オンオフの切り替えが上手で真面目な人がたくさんいます。楽しむ時は楽しむ、やる時はやるゼミです。そしてゼミ生同士の仲もとても良く、合宿をしたり定期的にご飯会を開催したりしています。ゼミを通して学校生活を充実したい、成長したいと思っている人におすすめです。 (ゼミ長・渡邊 莉子)
学生に期待すること
未来は、まだ何も書かれていません。だから、可能性は無限です。どんなに困難なことでも、どんなに批判を受けても、理解者が1人でもいれば、やり続けることが出来ることを知って欲しいと思います。