日本のこれからを創る!プログラミングスクールのマーケティング支援を事業化

事業プランを実行する“超実践的な学び”とは?

左)柴田 遼空 経営学部2年 東京都立駒場高等学校出身(右)唐木 将彦 経営学部2年 東京都立小平南高等学校出身

第1クールでは「インターネットを販路として活用するビジネス」がテーマ

2019年度からスタートした「学生起業家輩出プロジェクト」。
6カ月の期間を3クールに分けて、事業化を実施します。第1クールでは「インターネットを販路として活用するビジネス」のテーマで事業化に取り組みました。

ここで紹介するのは『プログラミングスクールのマーケティング支援』をテーマに取り組んだ学生チームの活動です。
プログラミングのスキルは、日々進歩するAI(人工知能)やIoT技術の開発に欠かせないものです。2020年からはプログラミング教育が小学校で必須化されますが、エンジニア不足はますます深刻化になると言われています。一方で、民間のプログラミングスクールは数多く存在しますが、働く社会人を対象にした講座がほとんどで、その内容・期間・費用なども千差万別。学生にとっては、通える条件や希望に合うスクールを発見しにくい状況にあります。

こうした社会の背景やマーケットに注目したのが、経営学部の唐木さん・柴田さんをメンバーとするチーム。プログラミングのスキルを習得したい学生と、新規顧客を取り込みたいスクールの橋渡しをする仲介ビジネスを、インターネット上で展開しようと事業化に挑みました。
立ち上げから約3週間で 当初の利益目標70万円を達成
そのビジネスモデルは、①「リーズナブルもしくは無料の講座がある」「短期間で習得できるコースがある」など、学生のニーズに応えるスクールを調査、②ピックアップしたスクールの講座情報を、立ち上げたWebサイトに掲載してSNSで広報、③スクールのホームページリンクを貼り、体験会の参加が決まった場合のみスクール側から仲介料を得る、というもの。結果としては、Webサイトの立ち上げから起業経験終了までの約3週間で、計37人が各スクールの体験会に参加。当初の計画通り70万円の利益を達成しました。
とはいえ、「全てが手探りの状況で順風満帆には進まなかった」と話す唐木さん・柴田さん。4月開講以降、1.5ヶ月間を経て、起業経験を振り返ってもらいました。

Interview|参加メンバーの声

Q.学生起業家輩出プロジェクトに参加した理由を教えてください。
唐木:産業能率大学で経営やビジネスを学びたいと思ったのは、もともと“自分が主体となって活動できるビジネスパーソン”になりたいという想いがあり、“雇われない生き方”を目指したいと考えていたからです。起業家を養成する講座の開講を知り、事業プランを考えるだけではなく実行までできるプログラムと聞いて、本気で目指してみようとスイッチが入りました。

柴田:家族が事業を営んでいたこともあり、中学生の頃には“いつか自分も起業してみたい”と思っていました。ですから、学生起業家輩出プロジェクトはまさに自分が待ち望んでいたプログラムだったのです。授業で学んだ経営理論やデータ分析手法などを、自ら立てた事業プランの実行に活かせる“超実践的な学び”である点に惹かれて参加しました。

Q.売上目標を達成されましたが、教訓となったことはありますか?

唐木:SNSを広告媒体にすれば集客できると考えていましたが、全く集まりませんでした。そこで広報の方針を、プログラミングのスキル習得に興味がありそうな学内外の大学生への対面営業に切り替えたのです。結果的には、その判断の速さが功を奏して売上目標の達成につながりました。リスクが生じた場合はスピーディに改善することの大切さを痛感しました。

柴田:起業を経験し、改めて実感したのは“0から1を生み出す難しさ”です。見知らぬ人に自分たちの事業の魅力を伝える。そのこと自体に高いハードルを感じました。とはいえ、結果を出せたのは、目標がブレることなく、独りよがりのビジネスにならなかったからで、メンバー同士で事業の目的を明確にし、連絡・報告・相談を頻繁に行ったことが勝因だと思います。
Q.他のメンバーと協働することで学んだことはありますか?
唐木:柴田君の強みはリーダーシップで、目標の達成に向けて事業を推進させていく力に長けています。一方で、私はリスクに目を向けながら問題を一つひとつ解決していくタイプなので、非常にバランスが取れていました。人とパートナーシップを組む上で大事なことは、“コンセプトを共有し続けること”で、想いを素直にぶつけ合える関係性が望ましいと思いました。

柴田:唐木君は視野がとても広く、私が気づかない問題にも気づいてくれるので、致命的な失敗をすることなく事業化を進められました。起業にあたっては、人となりを含めて相手の長所や弱点を知ることが大切だと思います。知っていれば柔軟に振る舞い、上手く付き合いながら事業を進めることができるからです。自分の思考や行動にどのような特性があり、どんな相手を起業のパートナーに選ぶべきか。学生起業家輩出プロジェクトはそれを学ぶ機会にもなりました。
Q.最後に将来の目標を教えてください。
唐木:自分が考えた事業プランをベンチャー企業に売り込み、そこから事業を発展させていくのが夢です。
柴田:私はいったん企業に就職し、事業運営のノウハウなどを吸収したいと考えています。その上で、自分が手掛けたい事業プランを練り、いつか起業したいです。