マーケティング・イニシアティブの特徴

磨いてほしいのは、“探索的”な問題発見力です

経営学部 杉田 一真 教授

開講の背景

従来のPBL(課題解決型学習)を“超える”プログラム
産業能率大学では、これまでもPBL(課題解決型学習)の機会を数多く提供してきました。企業や地域とのコラボレレーションによって成果をあげてきましたが、その一方で、今後、現行のプログラムだけでは満足できない学生が増えていくという問題意識を持っていました。高校で探究学習が進み、今後、本学の入学者の中に”PBL経験者”が増えいくことは間違いありません。高校教育の変化に対応した新たな取り組みが必要だと考えました。
具体的には、学生が企業と協働する機会を、点から線の状態へとつなぎ伸ばすことで、絶え間なく成長できる環境を整えたい。成果だけではなく、成果に至るプロセスにおいても、学生が企業から評価を得られる機会を設けたい。そして何よりも、企業が社会課題の解決者として発展を目指すようになった今、それに近い状況で取り組めるプログラムを実現したいと考えました。従来のPBLを超えるプログラムとして設計したのが、マーケティング・イニシアティブです。

特長や狙い

問題の発見から解決策の提案まで“ビジネスプロフェッショナル“とともに考え抜く
従来のPBLでは、企業から学生に対して“学習のために用意された課題”が与えられることが一般的です。したがって、企業活動において重要な“問題を発見するプロセス”を体験することができませんでした。これでは、問題発見力を身につけることはできません。問題発見力は、明らかになっていない問題を、主体的に“探索”してこそ養われるものです。だからこそマーケティング・イニシアティブでは、関心のある企業が抱える問題を整理し、取り組むべき課題を明らかにするというステップを設けました。
そして、最大の特長といえるのが、ビジネスプロフェショナルと協働して取り組む点です。ビジネスの最前線で活躍するプロフェッショナルが、課題の発見から解決策の提案に至るすべてのプロセスに伴走し、実務経験にもとに多様な視点やアプローチを示してくれます。このことが数々の刺激と大きな成長を受講生にもたらすことは間違いありません。

学生に対する期待

“挑戦することを楽しめる人”ほど成長できる
プログラム終了後には、ビジネスプロフェッショナルとの対話の時間を設けています。ビジネスプロフェショナルが卒業生であれば、自分の半歩先を行くロールモデルとして仕事や将来のアドバイスを得る絶好の機会になるでしょう。 “学びに始まりキャリアで終わる”ことも、マーケティング・イニシアティブの魅力といえます。
また、1年次から3年次の夏休み期間中に毎年開講され、取り組む課題の難易度も年々上がっていきます。マーケティング・イニシアティブが、日頃の授業やゼミ活動などで力を蓄えた受講生が“再会する場”になり、1年間の成長を競い合い実感できる機会になることを願っています。プログラムの充実度は自分しだいで変わります。旅行にたとえれば、パッケージツアーではなく、自分で行先を決める一人旅です。マーケティング・イニシアティブには、“挑戦することを楽しむ”産業能率大学の魅力が凝縮されています。