マーケティング・イニシアティブ社会からの声

チェンジメーカーこそが求められている

株式会社 ユーグレナ 代表取締役社長 出雲 充 氏

先が見えない時代に問われるものは

私は、学生時代に栄養豊富な藻の一種であるユーグレナ(和名:ミドリムシ)に出合い、ユーグレナによって「人と地球を健康にする」という志をもって、株式会社ユーグレナという会社を創業しました。食品や化粧品の製造・販売等の事業を行うバイオベンチャー企業です。
現在は本当に変化の激しい時代で、先の見通しがまったく立たない時代です。そういう時代に問われているのは、自分でテーマを設定して、そのテーマを深く掘っていくことです。テーマが大きいから偉い、小さいからダメだということではありません。社会の課題にしても、おかしいと思うことに気づくことが大切です。そして「自分だったらもっとこうしたい」というように、その気づきをテーマに仕立て上げることができるかどうかが重要です。このことは、自分の内面から出てくるものをテーマとして設定するということにほかなりません。

社会が求める人材とは

ではユーグレナ社が具体的にどんな人材を求めているかというと、それは変化を先導していくチェンジメーカーです。スキルよりもそういうマインドセットをもった人であるかどうかを我々は見ていますし、おそらく大企業でも採用に当たっては同じところを見ています。大企業にしても自ら変わっていかなければ、今後生き残っていけません。それがデジタルトランスフォーメーションであり、グリーントランスフォーメーション、コーポレートトランスフォーメーションです。とにかく変化することは不可避で、その変化を先導するチェンジメーカーはどんな企業も世界中が必要としている人材なのです。
 
タフなチェンジメーカーになるために必要なことは、0を1にする成功体験です。学生のうちに何回も何回もチャレンジして、何回も失敗するかもしれないけれども、自分は0から1を作り上げたという体験は素晴らしい財産です。そこで得るものがレジリエントなアントレプレナーマインド。それが日本では一番足りないと言われています。 
ただ、チャレンジする精神は、多くの場合、自然に生まれるわけではありません。もちろん自然にチャレンジ精神にあふれている人もいますが、そういう人は少ない。だからこそ、大学や企業もただ「チャレンジしなさい」と言うだけでなく、そのためのプロジェクトを用意することが大切です。1回だけではダメで、何回も何回もチャレンジできる場を用意することが必要です。
マーケティング・イニシアティブは4年間で、何回も超実践型のPBL が埋め込まれているので、そうした時代と社会の要請に応えた人材を育てる画期的なプログラムだと思います。