フォーラム参加者の声

長崎県立松浦高等学校
校長 舟越 裕

あらゆる世代の教員に課題解決のヒントを与え、
マインドセットの好機となるフォーラムです。

アクティブフォーラムには2013年から参加を続けています。その理由は、教員が抱える課題に対して「解決策を考えるヒント」を提示してくれる機会だからです。解決の成功事例やノウハウをもつ教員を講演者として全国各地から招き、質疑応答や意見交換ができる環境を用意してくれる。そうした支援の仕組みを構築し、ファシリテーションに長けている点で、産業能率大学は非常に心強い存在です。
教育現場は新たな教育トレンドへの対応を迫られ、教員は絶えず変化を求められています。現在は、導入されて久しいキャリア教育やアクティブラーニングによる成果を追い求める一方で、探究学習やICT活用教育などの導入によって「生徒の学びをどのように進化させるべきか」と試行錯誤を重ねているのが実状です。教員がもどかしさを感じているのは、各教科に落とし込んだ探究的な学習方法や、観点別での適切な評価方法など、具体的な手法を見出せていないことにあると感じます。
このような課題を踏まえ、2022年8月には長崎県で教育改革推進フォーラムを開催していただきました。『探究は生徒の学びを変えられるのか?』を議題とし、探究学習導入のステップ、ICTを活用した授業設計、学校改革の進め方など、さまざまなテーマで講演が企画されました。教科や講演者も含めた「選択肢の多さ」は、一貫したアクティブフォーラムの魅力といえます。単一のテーマで行われるセミナーや勉強会と比べて、参加者が個々の状況に応じて課題を解決しやすいからです。また、講演を聴くだけに留まらず、自由闊達な議論ができるグループワークの時間が設定されていることも魅力の一つです。他の参加者との「対話」を通して、普段の教育現場では得られない情報や視点を得ることができます。授業の引き出しを増やし、他地域の教員と相対化できるため、自分の現在地を把握しながら実践性の高いスキルの習得機会になっていることは確かです。参加費が無料ではないことも、むしろ参加者の満足度を高めていると思います。問題意識の高い教員が自ずと会場に集まり、有意義な対話を通して得た多くの収穫を教育現場に持ち帰ることができます。
アクティブフォーラムは、教育改革に前向きな教員の向上心や推進力を一層高めてくれます。一方で、教育改革の動向を静観し、旧来の学習指導スタイルから抜け出せない教員にとっても、固定概念を覆すマインドセットの機会となり得るプログラムです。そうした意味でも、あらゆる先生方に参加されることをお勧めします。