プレスリリース
豊田ゼミ 「70年代~2000年代のヒット曲の歌詞を調査」
各年代の心に響く言葉を探る
経営学部 豊田雄彦教授のゼミは、マーケティングに活かすリソースを探る目的で70年代から2000年代までの毎年のレコード・CD売り上げベスト10計400曲の歌詞を調べ、その動向を調査しました。各年代の心に響く言葉を探ることにより、ターゲットとのコミュニケーションをより効率的にできるのではという仮説に基づき調査を行いました。
【注目の結果】
◆全品詞でみると各年代に共通してもっとも出現する単語は否定助動詞「ない」
◆年代が進むにつれ「女」「男」という単語の出現回数が減少する
◆英語の歌詞は80年代にはいると急増する
◆「電話」「ポケベル」「携帯」といった通信手段を示す単語は時代を反映しているが、電話は年代が上がるにつれ増えている。
◆「愛」「恋」「心」「人」「夢」「涙」は各年代共通のモチーフとなる単語である
◆年代が進むにつれ「女」「男」という単語の出現回数が減少する
◆英語の歌詞は80年代にはいると急増する
◆「電話」「ポケベル」「携帯」といった通信手段を示す単語は時代を反映しているが、電話は年代が上がるにつれ増えている。
◆「愛」「恋」「心」「人」「夢」「涙」は各年代共通のモチーフとなる単語である
【結果からの考察】
◇「女」の出現数は70年代 50回、80年代 36回、90年代 11回、2000年代はわずか2回となり、女性を表す単語として避けられるようになっている。86年に男女雇用機会均等法施行、92年には共働き世帯数が専業主婦世帯数を超える、93年に中学校での家庭科男女共修などの不合理な性差解消の動きと連動していると考えられる。
◇80年代に入り英語の歌詞が増加した理由は、邦楽の洋楽化が定着し、英語をリズムにのせやすくなったこと。洋楽ブームの影響などが考えられる。
◇「手紙」は、70年代は出現数 7回、80年代は 4回、90年代は 2回となり、2000年代は現れない。2000年に50%を超えた携帯電話、37%を超えたインターネットの普及率向上の影響が考えられる。
◇恋愛やそれに伴う感情はヒット曲の歌詞の主要なテーマであるが、使用される単語はその時代の社会通念、生活習慣の影響を受ける。
◇その時代に流行った曲を聴いて育った人にターゲティングする際、こうした語彙群や言い回しが役立つ可能性があるが、現在の社会通念に反する可能性もある。
◇80年代に入り英語の歌詞が増加した理由は、邦楽の洋楽化が定着し、英語をリズムにのせやすくなったこと。洋楽ブームの影響などが考えられる。
◇「手紙」は、70年代は出現数 7回、80年代は 4回、90年代は 2回となり、2000年代は現れない。2000年に50%を超えた携帯電話、37%を超えたインターネットの普及率向上の影響が考えられる。
◇恋愛やそれに伴う感情はヒット曲の歌詞の主要なテーマであるが、使用される単語はその時代の社会通念、生活習慣の影響を受ける。
◇その時代に流行った曲を聴いて育った人にターゲティングする際、こうした語彙群や言い回しが役立つ可能性があるが、現在の社会通念に反する可能性もある。
【各年代のヒット曲の歌詞にある名詞の出現順位の変遷】
|
1970年代 |
1980年代 |
1990年代 |
2000年代 |
||||
順位 |
抽出語 |
出現回数 |
抽出語 |
出現回数 |
抽出語 |
出現回数 |
抽出語 |
出現回数 |
1 |
人 |
59 |
愛 |
72 |
愛 |
66 |
夢 |
75 |
2 |
女 |
50 |
夢 |
61 |
心 |
51 |
愛 |
74 |
3 |
恋 |
42 |
涙 |
59 |
夢 |
45 |
空 |
65 |
4 |
夢 |
39 |
心 |
55 |
人 |
44 |
心 |
61 |
5 |
涙 |
38 |
恋 |
50 |
涙 |
39 |
涙 |
49 |
6 |
愛 |
35 |
人 |
48 |
風 |
36 |
胸 |
44 |
7 |
心 |
34 |
胸 |
45 |
胸 |
32 |
人 |
44 |
8 |
別れ |
23 |
女 |
36 |
自分 |
27 |
風 |
44 |
9 |
花 |
23 |
言葉 |
32 |
星 |
26 |
恋 |
43 |
10 |
男 |
22 |
男 |
27 |
恋 |
26 |
向こう |
40 |
【調査概要】
調査時期 2020年10月
調査方法 各年のレコード/CD売上ベストの歌詞からテキストマイニングを用いて単語を抽出
調査対象 1970年から2009年までのヒット曲40年分の歌詞
調査方法 各年のレコード/CD売上ベストの歌詞からテキストマイニングを用いて単語を抽出
調査対象 1970年から2009年までのヒット曲40年分の歌詞
【豊田ゼミ】
産業能率大学経営学部豊田雄彦教授のゼミでは、「質的情報によるマーケティング・リサーチ」を専門領域とし、SNSの情報解析や統計的分析、その研究レポート・論文の発信等の研究活動を行っています。
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