研究科長メッセージ

問題の本質を見抜く目を養い、
成果創出への道筋を描く思考力と、実践力を鍛え抜く
- いまこそ、イノベーションの実践に向けて -

大学院研究科長
横溝 岳

イノベーションを創出する人材の育成

イノベーションとは、新たな経済的価値を生み出す変化を起こすことです。現在のビジネスは従来の枠組みでは対応することが難しくなってきました。国際的な市場変化、急激な技術発展、高度な顧客要求など、企業を取り巻く外部環境は大きく変わってきているからです。日本の企業はそのような変化の只中で厳しい状況を強いられています。いまこそ、イノベーションの実践が必要なのです。

イノベーションを創出するには、組織の在り方やマネジメントのプロセスなど、企業の在り方を変えなければなりません。企業の在り方を変えるとは、新たな経営戦略を策定し、その実現可能性を高める組織をデザインし、それを実行できる知識・スキルを持った人材を活用することです。しかし、日本の企業は変革のスピードが極めて遅いという問題を抱えています。

日本の企業の抱える問題を解決する鍵は、イノベーションを創出する人材の育成にあります。イノベーションを創出する人材とは、不確実性にチャレンジできる人材です。外部環境の変化を読み取り、問題の本質を見抜き、柔軟な発想と明晰な論理を用いて自ら行動を起こし、新たな経済的価値を創出する人材です。その有無こそが、企業の命運を左右します。

産業能率大学大学院総合マネジメント研究科は、1992年の開設以来、建学の精神である「マネジメントの思想と理念をきわめこれを実践の場に移しうる能力を涵養しもって全人類に幸福と繁栄をもたらす人材を育成すること」を掲げ、産業界のニーズに真摯に応え続けてきました。現在までの実績を踏まえ、研究と教育の活動を「イノベーションを創出する人材の育成」へと結実させていきます。

イノベーションを創出する人材を全力でサポート

産業能率大学大学院で修得した実践的な能力・スキルは、個人にとっての大きな資産となります。なぜならば、論理的・創造的に考えられる能力はビジネスパーソンの共通の能力であり、生涯にわたり使い続けられる能力だからです。また、問題解決スキルは、どのような種類の問題であっても適用できる普遍性のあるスキルだからです。

これらの実践的な能力・スキルは、実際の現場で活用されることでさらに向上します。大学院で修得した能力・スキルをもとに、実際の現場で考え、実行し、それを検証する過程で新たな気づきを得て、さらなる工夫を加えることで能力・スキルは一層向上するからです。

イノベーションを創出する人材は、現状を変えるために自ら行動を起こす「熱き心」と問題解決に論理的に対峙する「冷静な頭」を持たなければなりません。何かを変え、新しい価値を生み出すには、勇気・情熱・知性を備える必要があるからです。そのようなイノベーションを創出する人材を産業能率大学院は全力でサポートしていきます。