産業能率大学・自由が丘産能短期大学 通信教育課程

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「学生募集」という課題を解決するために

専門学校等の学生募集を取り巻く要因

少子化や大学等への進学率の上昇を背景として、専門学校等の学生募集活動は大きな転機を迎えています。
その中で専門学校等への進学を取り巻く要因として、次の6つをあげることができます。

大学等の動きから考える

文部科学省のデータを見ると、2017年度~2021年度の5年間で延べ300校に迫る大学・短大が新規校としてまた改組転換等により新学部・新学科を開設しているなど、大学も生き残りをかけています(本学調べ)。
そのなかで、今まで専門学校が担っていた分野を大学教育に取り組む「大学の専門学校化」の動きが進んでいます。

例えば、「医療」「教育・社会福祉」分野である看護師、リハビリテーションなどやペットなどの(国家)資格取得を目的とするもの、またアニメ(漫画)など従来専門学校等の独壇場であった分野で見直しが行われています。

また、専門学校等の大きな強みである「面倒見の良さ」ですが、大学でもこの「面倒見の良さ」を、学習面はもちろん、生活面まで広げる大学も出てきており、学生募集へと繋げています。

まだ侮れない・・・大学等の高い進学率

学校基本調査によりますと、令和3年度の過年度高卒者等を含む大学・短大進学率は58.9%(新卒は57.5%)で過去最高であり、高校生や保護者、高校側の大学志向には、依然として根強いものがあります。

大学志向がなぜ根強いのでしょうか。

少子化という流れの中で高校では大学に先行してその影響が押し寄せており、公立私立に限らず有名大学への進学に力を入れており、私立では大学の系列に入るなども状態化しています。
特に、有名大学への進学を謳うことは生徒募集の重要なPR材料となり、進路指導の重点も必然的に大学進学に置かれることになっています。

また、この先10年後の出生数を見ても減少数が10万人を超えることが確定しており、2021年度の出生数も約84万人と少子化の流れは止まらない状況です。このような環境のもとでどのような手立てを打つかを早めに考える必要があります。

厚生労働省「人口動態調査」をもとに作成

大学をやめるのはカンタン!!

一部の大学では定員の厳格化により入学者を絞る傾向も見られますが、その一方、大量の辞退者と追加で補欠合格を出すなどの動きも散見されます。
とは言え、大学への入学易化の大きな流れは変わらない中で、大学中退者の増加の一因になっている点も見逃せません。

入学しやすいということは、退学へ拘りがないことにもつながります。

出典:大学の実力2019(中央公論新社)

高校生の進路に対する意識と高校の進路指導を見る

高校生が最終的に大学、専門学校への進路を決定するに至ったメリット、経緯については、大学希望者と専門学校希望者では以下のとおりの特徴が見られます。

進学することのメリットの上位5位までを見ると、
■大学進学者は、「①将来の選択肢が広がる、②就職できる可能性が高くなる ③有名企業や大手企業に就職できる可能性が高い、④楽しい学生生活が送れる、⑤幅広い教養を身につけられる」であり 、
■専門学校進学者は、 「①自分のやりたい専門分野の勉強に集中できる、②自分の目指す仕事・職種につける、③特定の業種・業界に就職しやすい、④そこでしか学べない内容がある、⑤手に職をつけられる」ことの順となっています。(*1)

大学進学者の最終的な入学希望校の決定は「高校3年の1~3月」で、情報源としては「高校の先生からの情報やアドバイス」が、
専門学校進学者の最終的な入学希望校の決定は、「高校3年の4~12月」で、情報源としては「オープンキャンパス・学校見学会」が高くなっています。(*2)
また、「進路未定→大学」「専門学校→大学」の進路変更については、「先生からの勧め」が大きな動機となっています。(*3)
当然ですが、先生方の進路指導が高校生に大きな影響を与えています。

(*1)(*2)(*3)
出典:「進学センサス 2019 高校生の進路選択に関する調査」 (株)リクルートマーケティングパートナーズ

保護者の意識は意外と柔軟か!?

保護者の意識も、根強い大学志向の大きな要因の一つになっています。
保護者の進学に関する意識調査によると、保護者の多くが「子どもが希望する進路なら何でもいい」と考える一方で、6割を超える保護者が「大学・短大に進学して欲しい」と答えています。

また「専門学校に進学して欲しい」と答えた保護者は3.7%であり、「できれば大学・短大に進学して欲しい」と考える保護者が多いことがわかります。

出典:「高校生と保護者の進路に関する意識調査2019」(一社)全国高等学校PTA連合会・(株)リクルートマーケティングパートナーズ

<参考>高校卒業後に進学も就職もしない高校卒業者

進学、就職以外の選択肢で見逃せないのが、進学も就職もしない層の数です。様々な理由はあるものの、教育機関としても大きな損失となります。

*出典:学校基本調査より

根強い大学志向に対応するために・・・併修制度を!

前述のとおり18歳人口は、今後10年を見ても年度で増減するものの2030年度の募集対象者は約10万人減少することがわかっています。
保護者の多くが「子どもが希望する進路なら何でもいい」と考えるということは、専門学校等への進路選択も根強いものがあるわけです。

どの専門学校でもそれぞれがどこにも負けない教育内容や就職実績を謳っている中で、どこで違いを見せるかが勝負の分かれ目です。
また、授業料をどうするのか、またや各種奨学金を準備することも大事でしょう。
しかし、教育を提供する専門学校としては保護者や進学する本人に充実した教育内容を卒業時までに身につけさせる力を訴えることが王道であると考えます。

そこで貴校の教育内容を一層充実させるだけでなく、保護者や高校の教員にも遡及できる「大学・短大併修」の活用をぜひ貴校の学生募集の一つの手段としてご検討してはいかがでしょうか。