ゼミで学んだダーウィンの
進化論を「思考の軸」にして
社会で活躍したい

産業能率大学 経営学部 3年生

蔵本 和佳奈

  • シェアすることに慣れた人たちの心をケアするには?
  • 多様性を議論の深みにつなげる!
  • 知識と実践の架け橋となる応用力を身に着けられる!

シェアすることに慣れた人たちの心をケアするには?

ものを所有することにこだわらなくなり、シェアすることに慣れた今の若い人たちが大切な人を失ったときに、悲しみを乗り越えるための心の拠り所となるものを考えてみたい。

2025年、自分がどんな仕事をして、具体的に何をしているかというイメージを持っていますか?

私は経営学部マーケティング学科の横井ゼミで、ダーウィンの進化論を人間社会に転換して、業界や企業が市場変化に対してどのように進化してきたかを研究してきました。業界研究をする中でメディアやインターネットの発達により、便利で効率化されている社会の状況に対して、人の心がおいてきぼりになってしまっている部分もあるように感じました。そのおいていかれた心の部分をサポートできる仕事はないかと考えたときに、就職先として興味を惹かれたのが葬祭業界でした。

現在、若い人の間では「シェアする」ということが当たり前になってきています。思い出や情報を写真や動画としてインスタグラムでシェアしたり、メルカリで不要なものを売り買いすることや、カーシェアやルームシェアも広まってきています。そんなシェアすることに慣れて、ものを所有することにこだわらなくなった人たちの間では、大切な人を失ったときに、その悲しみを乗り越えるために「心の拠りどころを所有する」という習慣がなくなり、悲しみの乗り越えられなくなってしまうのではないかと考えました。例えば仏教であれば、大切な人を失ったときには、お仏壇に手を合わせたり話しかけたりし、悲しみに向き合っていくことで、徐々にその悲しみを乗り越えてきました。例に挙げたお仏壇のように、心の拠り所を所有することには、悲しみを和らげる効果があるのです。

ですが、シェアすることが当たり前となってきた現在、高価なお仏壇を購入しようとする人は減っていくと思います。そこで、お仏壇の代わりとなるようなものを考案し、それを所有する重要性を広めていけたら、人々が悲しみを乗り越えるサポートをできるかもしれないと考えています。

多様性を議論の深みにつなげる!

集まる人に多様性があればあるほど、物事を見る視点やアイデアが増え、議論の深みがぐっと増すのでは?

2025年までに達成したい勉学や仕事についての目標はありますか?

昆布だけで作ったおだしより、昆布や鰹や煮干しなど、様々な材料を合わせて作ったおだしのほうが深い味わいがあるように、アイデアもひとりで考えるより、多くの人と知恵を出し合って考えたほうが、深みが生まれると思います。多くの人と知恵を出し合う過程では議論が重要となりますが、私には議論を収束させる力がまだまだ足りていないので、その力を伸ばしていきたいです。

産能大では、授業の中で話し合いをする場面が多くあります。そこでは、①とにかくいろいろなアイデアや意見を出す、異なる視点から物事をみるなどの「拡散」、②たくさん集めたアイデアやデータから、何を重視するのか、何が有効なのかを考えて深めていく「収束」、を繰り返して結論を導き出していました。この「収束」では、単純にアイデアを1つ選ぶのではなく、沢山のアイデアをもとに議論を深めて、結論にたどり着かければならないため、とても苦労しました。

実際の社会では、様々な大学・学部・学科で学んできた、バックグラウンドが全く異なる人たちが集まるので、さらに収束が難しくなりそうですよね。でも、集まる人に多様性があればあるほど、物事を見る視点やアイデアが増え、議論の深みがぐっと増すことをこれまでに経験してきているので、たとえ時間や労力がかかったとしても、「多様な人が集まり、議論を深める」という工程はとても重要だと思っています

未来を読み解くためには、どのような情報収集や学習の仕方が有効だと思いますか?

未来は、技術、経済、政治、社会など様々な要素が影響しあってできていくと思うので、学ぶときには深めることと広めることをバランスよく取り入れるのが大切な気がしています。経営学部で学んでいるのであれば、経営学について深く学ぶと同時に、心理学や情報学などの他分野のことも学んでみることで、一歩先の未来を読み解く力になりそうですよね。

実際の社会では、様々な考え方を持ったひとが集まり、知恵を出し合って、未来を読み解いていくと思うので、そのような場面では、社会人基礎力といわれているような、チームで働く力、考え抜く力が重要になると思います。

知識と実践の架け橋となる応用力を身に着けられる!

産能大では、単に知識を修得するだけでなく、その知識を実際の社会で役立てていくための、「応用力を身に着けるための学び」がある。

新しい視点で、新しいビジネスを作り出すには何が必要だと思いますか?

老舗和菓子店の新商品を学生がゼロから企画して販売するという実践型授業と、消費者心理に関する授業を受けて、新しい商品を作り出して、顧客に購入してもらうためには、顧客のニーズそのものを生み出すことが必要だと学びました。

現代は「モノが売れない時代」といわれています。市場には、品質が良く、価格も安い物が溢れており、多くの人のニーズはすで満たされているのです。基本的なニーズを満たされた顧客は、高度成長期に大勢の人が冷蔵庫が欲しいと思ったような、こんな商品が欲しい、こんなサービスがあったらいいのに、というような、欲しいモノの明確なイメージは持っていないことが多いように感じます。そのような状況を受け、新しいビジネスを作る側の役割は、「顧客のニーズを満たすものを作ること」から、「顧客のニーズそのものを生み出すこと」に変化していると思います。顧客のニーズそのものを生み出すためには、顧客の行動や感情などのデータをもとに、顧客自身もまだ気づいていない深層心理を読み解き、埋もれていた購買意欲を引き出すことが必要だと考えています。

これから産能大を受験する高校生に向けてアドバイスはありますか?

産能大のいちばんの魅力は、将来の目標が具体的に決まっている人も、決まっていない人も、どちらも最後には自分の道を見つけられる環境が整っているところだと思います。1年生からキャリアの授業がありますし、実際に商品を開発して販売する授業や、本物の雑誌を作ってみる授業などもあります。そのような授業を受けることによって、自分の将来の選択肢を広げたり、現実的にビジネスの観点から自分のやってみたい仕事を考えたりすることができます。

私自身は、産能大のパンフレットやゼミリポートなどを読んで、この大学ならきっと成長できると考えて受験を決めました。なぜなら、卒業後に社会に出て行く自分にとって、大学生活で最も大切なのは、教室で知識を詰め込むことだけでなく、それを実際に社会で役立てるための応用力、その「知識と実践の架け橋となる部分」だと思っており、それを学べるのが産能大だと思ったのです。産能大で3年間学んできた現在は、授業を聴きながら「この知識を応用したらアルバイト先の問題を解決できそう」「この授業で学んだことをサークルで実践してみたい」と自然に知識と社会を結び付けられるようになりました。

ですから、高校生の皆さんも、いろいろな大学のパンフレットやホームページを見たり、実際に通っている学生に会えるオープンキャンパスなどに参加して、「この大学で学びたい!」「この大学な成長できそう!」と思える大学を探してみてください。沢山の選択肢を検討した上で、やっぱり産能大で学びたいと思ってもらえたらとても嬉しいです。

※所属・役職は2019年2月取材時のものです。

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