上野陽一は、昭和10年に月刊誌「オチボ(後に「能率道」と改題)」を創刊し、11年2月号で「能率トハ 何ゾヤ」と題する論文を発表しました。
その後、能率の原則を明確にし、それを組織のみならず個人の生活においても適用すべきであり、方法論や技術面で終わることなく根底にある考え方を含めて修得する必要があるとして「能率道」を提唱しました。月刊誌の17年1月号には、その主張のエッセンスとして「能率道トハ ナンゾヤ」と題する論文が発表されるとともに、能率道の実践を示した「能率5道ノ要領」が掲載されています。
- 1.正坐
- ワレラ ワ 誓ッテ 正シキ 姿勢ヲ タモタン
正シキ 内容ニワ 正シキ 形式ヲ 必要トス
- 2.正食
- ワレラ ワ 誓ッテ 正シキ 食物 ヲ トラン
肉体ヲ ツクリ 精神ニ 培ウ 原料ナレバ ナリ
- 3.正学
- ワレラ ワ 誓ッテ 正シキ 学問ヲ 究メン
学ワ 須ラク 東西ニ 通ジテ 偏ス ベカラズ
- 4.正信
- ワレラ ワ 誓ッテ 正シキ 信仰ニ 生キン
正シキ 信仰ワ 正坐 正食 正学ヨリ 生ズ
- 5.正語
- ワレラ ワ 誓ッテ 正シキ コトバ ヲ 用イン
正シキ 道ワ 正シキ コトバ ニ ヨッテ 伝ワル
以下は現代仮名遣いでの表記です。
- 1.正坐
- 我らは誓って正しき姿勢を保たん
正しき内容には正しき形式を必要とす
- 2.正食
- 我らは誓って正しき食物を摂らん
肉体を作り精神に培う原料なればなり
- 3.正学
- 我らは誓って正しき学問を究めん
学は須らく東西に通じて偏すべからず
- 4.正信
- 我らは誓って正しき信仰に生きん
正しき信仰は正坐正食正学より生ず
- 5.正語
- 我らは誓って正しき言葉を用いん
正しき道は正しき言葉によって伝わる