SANNO SPORTS MANAGEMENT 2016年 Vol.9

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2016年 Vol.9 FEATURE「スポーツを魅せる」


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“カーニバル”が生み出すビーコルの魅力~横浜ビー・コルセアーズの挑戦~インタビュー・文:木村剛1.bjリーグからBリーグへーーー今季からBリーグがスタートしたわけですが、bjリーグの時代とどのような差を感じていらっしゃいますか。昨シーズンと行っていることは大きく変わっていないのですが、おかげさまでbjリーグの頃よりも大勢の観客にご来場いただいています。また、CSを中心にTV中継され、スマホを使ってリアルタイムに試合を見られるようになったことで、露出に関しては大きく変わってきました。まだ最終的なデータではないのですが、現時点(3月10日現在:筆者注)で観客数は1.5倍を超えていますし、1試合平均の入場者数も約1,200人増えています。またSNSのフォロワー数もTwitterやFacebookはほぼ倍増、Instagramに関しては7倍を超えています。ーーー露出が増えたということで、どのような変化を感じていらっしゃいますか。bjリーグは地域密着型のビジネスモデルでした。地元の横浜を中心に地道に活動してきた。それが今回、Bリーグとなってあらゆる露出が増えたことで注目していただけるようになった。初めてバスケットを見て、『バスケって面白い』、『ビーコルってかっこいい』という方が増えてきたように感じます。ーーーマネジメント的にはどのような変化があったと感じていますか。確実に集客は増えるということで、まずスタッフ人員を増やしました。1,500人のお客様を相手にするのと、3,000人のお客様を相手にするのとでは、根本的に違ってきます。また、それに対応できるような組織体制を整備しました。あと、大きく変わったといえるのは試合会場がほぼ固定されたということで変わったことがあります。Bリーグでは全試合の80%をホームアリーナで行うことになっています。昨年までは神奈川全域でということで、座間や平塚など横浜以外の様々なところで試合を行ってきましたが、今年からはほとんどの試合を「横浜国際プール」で行うことになりました。昨シーズンは試合会場が異なるため、難しかったのですが。このことで、試合の演出や物販、飲食などの部分でかなり色々な試みを実施できるようになりました。横浜ビー・コルセアーズ球団代表植田哲也様ーーーこれまで、本学とビー・コルセアーズと共同で5年間観客アンケートを実施してきましたが、その結果のなかで最も着目すべき点は、初めてプロ・バスケットを観戦した人が多く、そしてその多くの人が「面白い」「また来たい」と回答してくれたことでした。一度見に来るきっかけさえあれば、リピーターになってくれる可能性が高いということかと思いますが。その通りだと思います。その意味で、Bリーグの開幕は、そのきっかけにはなってくれたと思いますし、現実にそうなってきています。それだけ見に来てくださるお客様が増えたことは大変ありがたいのですが、これをうまく維持していく(また試合に来ていただく)こと、さらに、これまでバスケットを見たことがない、触れたことがない層にどのようにアプローチしていくかが課題です。そのために今シーズンは様々な試みを実施してきました。2.Bリーグでの新しい挑戦ーーー具体的にはどのような新たな試みをされてきたのでしょうか。これまでバスケットを見たことのにないお客様に来ていただくためには、その壁を壊すことが必要です。その1つがアイドル/歌手による演出です。avexと提携し、アイドルを招聘することで、いつもはバスケットを見に来ない層に到達することが出来ました。アイドルを見たくて来た人も、バスケットは面白いということを知ってくれた。殻を破ったかなと思います。また会場づくりにおいても、これまでにない「カーニバル会場」づくりに取り組んでいます。今回、会場が固定されたことで、これまでは考えていてもできなかった試みを実現することが出来ました。会場奥のスペースでは、飲食ブースに加え、avexの「360°3Dミニシアター」、「シュートチャレンジコーナー」などを設け、来場者の方々に楽しんでいただきました。飲食も大幅に見直し、品目を増やすだけでなく、地元横浜の特色をもったフードを集め、相手チームの地元の食材を使用したメニューの開発なども行い7


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