SANNO SPORTS MANAGEMENT 2015年 Vol.8

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2015年 Vol.8 FEATURE「スポーツを通じた社会貢献」


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お教えするだけでなく、コミュニティづくりを意識しています。引きこもりがちな方が、あそこに行けばお話しができるとか、楽しいなど、スポーツを通じてコミュニケーションをとっていくことが大事かと思います。参加されてる皆様から「ビー・コルセアーズは何の仕事をやってるんだ」と聞かれた時に、実は僕らはプロバスケットボールの球団なんです、とお答えするとビックリされます。バスケチームがなぜストレッチ??と言うことでです。その結果「一度見に行ってやる、どこでやってるんだ」という話になれば、来て頂けるきっかけを作れる。本当に小さなことですが、そうしたことも徐々に始めています。僕らがお役に立てることというのは、何もバスケットボールだけではなくて、いろんな方法がある。まずそのエリアにお役に立てる方法を探していくということが、大事なのではないかと考えています。——「続きまして、ベイスターズ様、よろしくお願い致します。」ミュニケーションが生まれる場所でありたい。日常の中にベイスターズや野球がある、スポーツがある、そういうコミュニケーションが生まれる地域のランドマークに、なっていければと思います。ファンのための“+サプライズ”ファンサービスでは、ファン目線というか、我々がこうしたいということではなく、どうしてもらえたら喜んでもらえるかという目線で考えるというのが1つです。やってもらって嬉しい、“+サプライズ”というのは常に考えます。ファンサービスで単純に“握手します”“サインします”だけじゃなくて、その上に一個サプライズを入れてあげる、思っていないことを一つもらえると、より喜んでいただけると思いますし、忘れない思い出になるのではないかと思います。日常のコミュニケーションとしての野球はい、プロスポーツがもっている根源的な力というのが、何なのかというのはよく議論するのですが、これが簡単に言うと「ちょっとした日常の楽しみを与えてくれるもの」なのではないかと。勝敗もそうですが、野球で言えば「今日誰が投げるのだろう」とか、今日のスタメンは誰だとか」とか、コミュニケーションのツール・きっかけなんですよね。そういうものが地元にあるっていうことが大事なんじゃないかと。我々のフランチャイズは神奈川県なので、それは横浜のみならず平塚とか横須賀エリアとかも含めてです。私達のマーケティング調査から、今、来場者数が非常に伸びているのが、神奈川県で言うと横浜の次に南西部の地域です。その地域の皆様とのコミュニケーションも大事にしていきたいと考えています。3.プロスポーツチームの社員に求められるもの——「“プロスポーツチームの社員に求められるもの”というテーマでご意見をお聞かせください。本学もスポーツマネジメントコースを開設し、次世代のプロスポーツを担っていける人材育成に尽力しておりますが、大学教育に求められるものもあれば、是非教えてください。」その街のアイデンティティとしてまた、スタッフが毎年メジャーリーグに視察に行っているのですが、スタジアムがどのようになっているのか、そしてスタジアムだけじゃなくてその街がどのようになっているのか、見に行っています。そこで感じるのは、プロスポーツチームというのが、その街のアイデンティティということです。ボストンに行ったらレッドソックスというのが当たり前にあって、それは、野球やチームが好きとか嫌いとかではなく、“そこにある”んです。生活の中に野球があって、日常の中にプロチームがある。多分ヨーロッパにおけるサッカーもそうなんじゃないかと思うのですが、その距離感というのが、地域とプロスポーツのあり方の理想だと思っています。スポーツのためにスポーツ以外を知ることの大切さ個人的な考えなのですが、すごくスポーツが好きだからスポーツ業界で働きたいというのは勿論あると思うんですけど、ずうっとサッカーやってきたからサッカーしか知らなくて、サッカーの世界に入りたいというのは、あまり良くない状況だと僕は思っています。私もずうっとサッカーやってきて、サッカー界しか知らないんですけど(一同笑)。うちはみんなサッカーが大好きで入ってきて、入ると大体ベルマーレも大好きになります。個人的には、スポーツ業界で働きたいのであれば、スポーツ以外のことを沢山学ぶというか経験することが大切だと思います。横浜、公園、そして野球広い視野と世界観が柔軟な発想につながる横浜スタジアムというのは12球団の中でも非常に特殊な場所にあって、横浜公園という公園の中にあります。公園の持っている機能というのは“市民が集える場所”です。野球を観に来た人たちにとって“野球を観る場所”ではなくて、野球がやってない日にも来られて、野球をきっかけに様々なコスポーツが好きだという情熱があれば、仕事の知識は入ってから十分勉強できますし対応できます。できればもっと他の分野を沢山見て、スポーツ界以外のことを沢山吸収してからでもいいのかなと。沢山遊んできた子の方がファンサービスでも「ワンサプライズどうしよう」ってなったときに強い。7


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