SANNO SPORTS MANAGEMENT 2015年 Vol.8

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2015年 Vol.8 FEATURE「スポーツを通じた社会貢献」


>> P.7

FEATURE「スポーツを通じた社会貢献」地域との関わりもプレー同様、積極的な姿勢サッカーはわかりやすいホームタウン制で、われわれは7市3町で活動しているので、地域と良好な繋がりなくしてやっていくのは困難です。来場者も90%は地元のお客様なので、当然アプローチは地域の方々になるというのは間違いのないところです。今後に向けてというか、我々はこれまでに、スクール事業活動を湘南地域14拠点で展開し、地域のほぼすべての小学校を巡ってきました。Jリーグが始まった頃は何もしなくてもお客さんが来てくれ、チケットが取れないという時代でしたけど、今は違います。やはり我々が大事にしていることは自分たちから地域に出向いていくことです。このスタイルを変えずに継続していくことが必要だと思うんです。様々なスポーツをやっていまして、ビーチバレーやトライアスロン、サイクルロード、フットサル、セブンスのラクビーも昨年から始め、サッカーに興味がなくても関心を示してもらえるようにしています。OnlyOneな総合型地域スポーツクラブたとえば湘南エリアにいる方で、お歳を召されている方でも、ベルマーレを通じてスポーツを楽しめる空間を作るというのが、我々が他のクラブと異なるOnlyOneな点だと思っています。「総合型地域スポーツクラブ」と言わせてもらっていますけど、いろんなスポーツを誰がどこでもできるというような環境を作ることに力を入れてきました。その辺は継続していきたいと思っています。子どもたちと触れ合うことの大切さ15年前ぐらいから巡回事業をやり、子たちが年間1万人参加して、15年間だとすごい数の子どもたちと触れ合ってきたことになります。そういう子どもたちが15年経って成人になっている中で、その人たちが自分たちでチケットを買ってまた試合を観にきたいと思えるように、ベルマーレと触れる機会を沢山増やすということを我々はテーマにして活動させていただいております。——「地域やファンサービスにも、攻めの姿勢?ですか。」はい、そうですね。ファンサービスは、やはり“近さ”ファンサービスと言うと、さきほど植田さんがおっしゃられていたように、我々も他のクラブみたいに“近さ”です。「この時間でしか選手からサインもらえませんよ」ではなく、気軽に平塚の練習場に来ていただければ、いつでも身近に選手を感じられます。練習場に行けばすぐにサインもらえますし、写真も撮ってもらえます。運が良ければ名前も覚えてもらえるよ、みたいな。そういう近さは我々も大事にしています。——「次にビー・コルセアーズ様、いかがでしょうか?」サッカーだけじゃないベルマーレの魅力そして、我々サッカークラブなのですけど、サッカーだけではなくて、湘南ベルマーレ株式会社取締役営業本部長坂本紘司氏選手としてJ1・J2通算456試合に出場、現役引退後フロント入りし、現在に至る。ホームタウンに根ざした多彩な展開Bリーグでは、年間30試合のホームゲームで80%、つまり24試合は必ず一定の会場で試合を実施するというルールができました。それを踏まえ、まず地域にどれだけお役に立てる球団なのかというところを意識しています。バスケットボールに興味がある人だけですと接する方がバスケットボールに限られてしまいますが、例えば、“健康”というワードに広げて活動すると関わる可能性のある方が格段に増えます。“健康”というワードで地域のお役に立てれば我々クラブの価値が高まり、その結果ファンになっていただける可能性があります。どの競技もそうですが、プロの選手は、技術の高め方だけではなく、健康管理や体のつくり方もプロなので、その知識を地域の皆様に還元していくことが我々クラブのできること、お役に立てることではないかと思います。高齢化に即したスポーツの貢献これは1つの事例ですが、横浜市の中でも2番目に高齢化が進んでいるといわれる磯子区から依頼があり、「どうしたら病気や介護の予防ができるかを、一緒に考えてくれないか」ということで、我々が使っている練習場に、おじいちゃんおばあちゃんをお招きして、簡単なストレッチをやって頂いたりしています。そこに来る方々は、地元の方だったり、自治会の方だったり、そういうおじいちゃんおばあちゃん達が声かけして集って来て下さる。僕らは参加される皆様に病気・ケガ予防のためにストレッチを6


<< | < | > | >>