SANNO SPORTS MANAGEMENT 2014年 Vol.7

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2014年 Vol.7 FEATURE「歩みの先へ」


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02持っている能力を100%使いこなす産業能率大学サッカー部監督加藤望インタビュー・文:木村剛昨シーズン、関東リーグ2部という新たなステージに挑んだ産業能率大学サッカー部。当初はそのハードルの高さに苦しみましたが、最終戦で目標であった2部残留を決めました。苦しい中で学んだこと、さらに進化するためには何が必要なのか、サッカー部加藤望監督に伺いました。乗り越えてわかった壁の高さ――後期に入ってから少しずつ結果も出てくるようになってきたと思うのですが、短い期間の中でどのような点を変革させて――今日はお疲れのところありがとうございます。昨シーズンはいかれたのでしょうか。目標の残留おめでとうございました。まず昨シーズンを振り返ってみて、率直なご感想をお伺いしたいのですが。加藤:敗戦が続く中で、スタッフと何度も話し合い、戦い方についての考え方そのものを根本から変えていきました。ウチの(加藤監督:以下敬称略)シーズンに入る前から、厳しいシーズンサッカーは走ること、つまり早い攻撃というのが持ち味です。になることはもちろん分かっていました。監督以下、スタッですが、個人の技術が足りないところにスピードを求めるとフ、選手とも初めての2部という中で、懸命に練習を重ね準当然ミスも多くなります。あせりも出てきます。その結果、備して臨みましたが、どこが通用して、どこが足りないかは相手により多くのチャンスを与えてしまうことになっていま試行錯誤しながらやっていくしかないと考えていました。した。――通用したものとしなかったものがあったということですね。加藤:通用すると感じたのは走るということ。他のチームと比べても、ウチのチームが走り負けていると感じたことはありません。全員で走って、全員で攻撃する。これはウチのチームのカラーでもあり「走る」ことは通用すると。逆に難しいと感じたものは、個人の技術が通用しない。それならチーム力で補いたいところですが、それを補う戦い方も持っていないということでした。もちろん、個々のレベルアップを考えて練習はしていましたが、前期はそうした状態で、なかなか結果を出すことができませんでした。5


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