SANNO SPORTS MANAGEMENT 2014年 Vol.7

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2014年 Vol.7 FEATURE「歩みの先へ」


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FEATURE「歩みの先へ」ションが右往左往する選手はこっちの働きかけでコントロー手がいるということはポジティブに言えば「いつか前向きにルしてあげなきゃいけないし、逆にほっとかなきゃいけないなる」ということでもあります。ずーっと後向きであることときもあります。リーダーとして大事なのは、常に見て、準はありません。一番難しいケースは「後ろ向きにも前向きに備し、いつ言う(対応する)のか言わないのかを見極めるこもやらない淡々と」です。淡々とやる人間は「淡々と」なんで、とだと思います。――“悩み"とはどのように向き合いますか?淡々と「自分は自分ですよ。雨が降ろうが槍が降ろうが」になりきってしまいます。それは人として怖い。今のウチ(ベルマーレ)には「淡々と」はいません。僕は日頃から情熱が伝わりやすいサッカーを大切にしています。それは“ボール曺:自分の力でどうにもできないことに頭を悩ませたくないの(パス)は縦方向に”という湘南スタイルとも関係しています。で、自分の力でなんとかできることを考えます。結果として「前向きにしていること」が一番です。勿論無理して前向き――これからのチームの成長に大切なことは?になる必要はありません。物事には悩みがありますが、最終的には「よしやってやろう」と前向きに思える方が良いと思曺:「監督が言うことを遂行して全て完璧に」というのではなく、います。物事に取り組む際、結果に関わらず自分が出来るこ自分たちが試合に勝つために、いま何をすべきで何をしてはとを全部やる。その源は「前向きな考え方」とか「前向きないけないのかという「ピッチの中での自立や自己判断」が生き方」にあると思います。例えば、僕が監督を解任された増えていくことです。それが最終的にないと一流のプロサッとしたら、一般的には凄くネガティブなことです。ですが僕カー選手とはいえません。僕の指導とかやり方を一旦通過しにとって「こういう経験をしたことが次に繋がる」という考て、次の新しい世界に自分で飛び立とうとできるようになっえ方をすれば、間違いなく良い経験になります。経験とは考てほしいです。自分の力で新しい壁を乗り越えようとする姿え方によってマイナスにもプラスにもなります。そんな前提勢になってほしい。その基礎は作ってきたつもりです。本当が僕にはあります。の成長とは、指導者が何を考えているかとか、何を求めているということを通り越した自己判断が勝利に繋がるというこ――選手の中には前向きになれない人もいるのでは?とであり、そういう選手になってほしいです。曺:理由を聞いて“こうすればいい”と助言することもあるし、何も考えずにそれに勤しみ、型を作ることも時には大切です。逆に自分で気付くまでほっとくこともあります。後向きな選ただ「自分がどうありたいか」を大切にし、何かに情熱を燃時には成長段階で言われたことだけをやることもあります。やして、それに取り組むことが大事だと思います。「淡々と」な人にはそれがない。それじゃたった1回の人生つまらない。それは学校教育・勉強も一緒だと思います。先生が教えてくれることを淡々とやることもできます。それが必要なときもあります。でも本当の勉強はそれが全てではないと思います。――これからの学生/若者に一言曺:人と同じでなくていい。周囲の色に染まり人と同じでなければ生きていけないというのではなく、自分の中の大事にしている部分を磨き、自分というものをありのまま大切にして欲しいです。曺貴裁ちょう・きじぇ湘南ベルマーレ監督早稲田大学卒業後に、91年日立製作所サッカー部に所属。その後、柏レイソル(92年)、浦和レッズ(94年)、ヴィッセル神戸(96年)で活躍。97年の引退後は、ドイツ・ケルン体育大学に留学、セレッソ大阪トップチームヘッドコーチ、湘南ベルマーレジュニアユース監督を歴任。12年より湘南ベルマーレトップチーム監督に就任、J1リーグ復帰へチームを導く。4


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