SANNO SPORTS MANAGEMENT 2010年 Vol.3

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2010年 Vol.3 FEATURE「湘南から世界へ」


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スポーツの意義スポーツは、世界の人々に大きな感動や楽しみ、活力をもたらすもので、言語や生活習慣の違いを超え、人類が共同して発展させてきた世界共通文化の一つです。例えば、「サッカーは世界の共通言語」と言われるように、全世界200以上の国と地域でプレーされていて、その競技人口は2億4000万人を超えるとも言われています。さらに近年ではのべ300億人もの人たちがワールドカップを視聴し、母国や応援国の活躍に一喜一憂しています。内閣府が行った体力・スポーツに関する世論調査(2009年9月発表)によりますと、「国際大会での日本選手の活躍に関心がある」と回答したのは全体の86.7%にも上り、さらに「国際大会を我が国で開催すること」について好意的な回答をしたのは89.4%でした。スポーツが我が国においても国民に対して楽しみを与え、国際社会を生きる日本人に誇りと活力をもたらしていることがこれらのことから窺えます。子どもを取り巻くスポーツ環境子ども達が、身体的、精神的および社会的な健康を目指す上でスポーツへの参加は非常に貴重な体験となるでしょう。しかしながら日本における運動習慣は、小・中学生では運動をしている子どもとしていない子どもの2極化が進んでいるのが現状です。特に女子では、小学生で1週間の総運動時間が60分に満たない子どもが全体の22.6%、そして中学生では31.0%を占めていて2極化が顕著化しています。子ども達がスポーツに参加しない(できない)理由には、施設や場所の不足、少子化の影響、さらには指導者不足、保護者の学力偏重、遊びの変容などが挙げられます。こうした状況を改善するために、国や地方自治体、スポーツ関係団体等により子どものスポーツ参加率を高めるための様々な試みが行われています。一方、スポーツに積極的に取り組んでいる子ども達に影響を与えている要因には、国内はもとより、野球、サッカー、ゴルフ、テニスなどの競技で海外にて活躍する選手達の存在があります。国内外における彼らの活躍は、子ども達に強い憧れや夢と希望を与えているのは言うまでもありません。スポーツで世界を感じよう今後の国際情勢は、今まで以上に社会、経済、文化の面で地球規模での交流が進み、グローバル化が加速して行くことが予想できます。国際的な協調、共生さらには競争の関係が増大する時代において、子ども達が地球社会の一員として活躍する人材となるためには、その時代と活躍の舞台にふさわしい教養と専門的知識が必要となります。こうした背景から近年では、子ども達に対しスポーツを通じたグローバル化を目指す取り組みが行われるようになってきています。ジュニア選手を中心として、グローバル社会で活躍できる人材をスポーツの活動を通じて育成することを目指す「EducationthroughSport」※1の動きが活発になっています。本学スポーツマネジメント研究所では、子ども達の未来に繋がるスポーツの普及を目指して活動しています。03※1「EducationthroughSport」…若者に対しスポーツを通じて、「友情」、「連携」そして「公正」の精神を培わせ、より良い世界を作ることを目指した教育未来へ繋がる子どもたちへ文:渡邉隆嗣/中川直樹7


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