SANNO SPORTS MANAGEMENT 2018年 Vol.11

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2018年 Vol.11 VICTORY「勝利」


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11大学運動部サポートプログラム:第2期リーダーシップ養成プログラムの実施経営学部准教授齊藤弘通本学スポーツマネジメント研究所では、本学運動部員のキャリア形成や人間的成長を支援するためのサポートプログラムを展開し、本稿で述べる「リーダーシップ養成プログラム」も当該プログラムの1つとして位置づけられている。本稿では、2018年度、大学運動部特別強化クラブ部員に対して実施した「リーダーシップ養成プログラム」の概要と結果、今後の課題を述べる。1.はじめに筆者は、本学運動部員を対象とした「リーダーシップ養成プロ①知識・スキルの習得グラム」の企画および講師を担当している。2018年度は、大学の特別強化クラブであるサッカー部、女子ビーチバレー部、バレー部、野球部の選抜メンバー12名(2年生10名・3年生2名)に対して、2018年9月から2018年12月にかけて全8回の研修を実施した。「知識・スキルの習得」フェーズでは、2017年度に本学サッカー部メンバーの協力を得て開発したオリジナルの映像教材を用い、リーダーシップを発揮するために有用な知識・スキルに関する学習を行った。この映像教材はリーダーとしての指示の出し方や方針説明の仕方、傾聴の仕方など、リーダーシップを発揮する以下、2018年度の「リーダーシップ養成プログラム」の概要と、ための発言・行動のあり方をケースで学ぶものである。映像に現確認された研修の効果を述べ、今後の課題を概観する。役のサッカー部員を登場させ、運動部員が日常的に遭遇しやすい2.リーダーシップ養成プログラムの全体像「リーダーシップ養成プログラム」は、大きく、「①知識・スキルの理解・習得」「②チーム活動の実践」「③自身のリーダーシップの振り返り」の3つの側面から構成されている。場面を題材としてストーリーを構成することで、リーダーシップを自分たちの日常にできるだけ引きつけて考えさせるための工夫を施した。今後も、リーダーシップを学ぶ上で有用な映像教材のバリエーションを増やしていくことが課題である。図表1:リーダーシップ養成プログラムの構成②チーム活動の実践「チーム活動の実践」フェーズでは、リーダーシップを発揮する上で有用な知識・スキルを実践する機会として、研修中に楽しく取り組める様々な演習を企画・実施した。具体的には、3人一組となり、5分間でひたすらレゴを高く積み上げる「レゴの高積み」や、与えられた素材を使って、講師が提示するミッションに即したサンドイッチを作る「創作サンドイッチ演習」、運動部単位でチームを作り、部の中で問題になっていることを1つとりあげ、その解決策を考え、実行する「小集団活動」などである。こうしたチーム活動の過程で、個々人が、「情報収集力」「情報分析力」「構想力」「課題形成力」「計画立案力」「指示」「問いかけ」など、リーダーシップを発揮する上で有用な能力項目を意識しながら実践することができるかどうかを確認するのが目的の演習である。単に、リーダーシップの考え方やリーダーシップを発揮するために必要なスキルを理解・習得するだけでなく、学習したリーダーシップの考え方やスキルを様々なチーム活動で実践し、自身のリーダーシップがどの程度発揮できたのかを都度振り返り(内省)、リーダーシップを発揮する上での教訓や知見を自分の言葉で紡ぎ出すことを目指して設計されている。それぞれの詳細は下記の通りである。24


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