Annual Report Vol.2


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『自由が丘』ブランド古書「西村文生堂」代表西村康樹テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、書籍等で自由が丘が取り上げられることは多く、そのマスコミから発信された自由が丘のイメージが、ますます自由が丘を“自由が丘らしく”しており、街の方向性に影響を与えていると思う。実際、私が生まれて見てきた中でも、80年代後半からテレビ等で「雑貨の街自由が丘」という特集が増えれば、ますます雑貨屋の自由が丘への出店が増えていくし、モンサンクレール、スイーツフォレストが連日マスコミに登場するようになってからは、スイーツ店の出店が相次ぎ、「スイーツの街自由が丘」という世の中的なイメージが定着したと思う。最近の自由が丘のマスコミイメージは「ビューティーの街自由が丘」だろうか。約10年ごとにマスコミの力も借り、街のイメージを変え、常に新しく魅力的に見せているのが自由が丘である。しかしながら、実際には10年ごとに街の業種構成がそこまで大きく変わっているわけではない。その時その時の時代にあったものを前面に出していくという、商店街組織の半分は確信犯的な編集センスの結果である。この、自由が丘のイメージづくりに大きく貢献しているのが、自由が丘商店街振興組合が2年に1度発行している「自由が丘オフィシャルガイドブック」だ。このガイドブックは商店街の人間が中心となって編集をし、昭文社の流通に乗せ、全国の書店で販売されている。約400ページにも及び、自由が丘の情報や魅力がギッチリ詰まった1冊だ。テレビ、雑誌などが自由が丘の特集を組む時は、ほぼ必ずこのガイドブックの内容を参考にしている。つまり、今後売り出したい自由が丘のイメージをこの本の中に入れておけば、ある程度は一般マスコミを誘導できるというわけである。この様に、積極的に自由が丘のブランドイメージを拡散してきた自由が丘商店街がより大切にしているのが、表面上の街の移り変わりの下にベースとして流れている、もう一つの“自由が丘らしさ”の確認、拡散だ。このもう一つの“自由が丘らしさ”とは、戦前当時の世の中では考えられない自由が丘というネーミングの成立の話や、その町名のもとに集まった自由な発想を持った文化人や商人達の話などから感じられる雰囲気であり、黒柳徹子氏の「窓際のトットちゃん」の舞台となった戦前の自由が丘から何となく伝わっているスピリッツだ。我々商店街の人間は、現在自由が丘が約1300店舗加入という日本最大の商店街組織となったことや、商業地域としての成功は、この「自由が丘らしさ」が大きく作用していると考えており、今後も継承していかなくてはいけないと思っている。この度、産業能率大学出版部より「『自由が丘』ブランド自由が丘商店街の挑戦史」が発行される。振興組合理事長であり、産業能率大学客員教授である岡田一弥氏と「自由が丘スイーツ物語」の著者であり、外部からこの街の本質を研究してきた阿古真理氏との共著となっている。この本は、女性向けの優しい街という表面上の自由が丘とは違った、この街の硬派な別の顔が描かれているので、是非一読してこの街の本質を理解していただけたらと思う。IoTからAIへの道のりメディアラグ株式会社代表取締役藤井雅俊InternetofThings(IoT)。通信機能をモノに持たせる。これを、センサーとも呼び、自動想定ともいう。また、監視システムとも認識される。「繋がる」【繋げる】ということが人にとって、ビジネスにとって、どれだけ有利な、または、優位な環境を作り出すことになるのか?が競われる時代になった。と、思っていた。ところが、この繋ぐ事で「集積されたデータ」は、数多く積み上げられる事によって、慣習」「履歴」等のビックデータと呼ばれる集合体となり、これを解析する事で諸所の履歴や習性、汎用性が見出せる様になってきた。このビックデータを集約して【仕分ける】ことができる様になり、尚且つ、仕分けた内容を分析、解析できる様になることによって、今まで見えなかった事象や、履歴が明示化されることとなる。この様にIoTにより見つけられた【筋道】や【ビッグデータ】を人が解析する事が、いよいよAIによる自動収集分類、仕分け、集約、抽出という【人の能力を代替えして行ってくれる知識を学習していく事が可能となる機器が生まれ始めた】。しかし、このAIは、人と同様に【学習していく事が重要な基本であり、尚且つ、いきなり自動的に知識を集約、取得できる訳ではなく、学び始める土壌が必要となる】。その土壌形成のためには、「IoT→ビッグデータ→ディープラーニング→アナライズ→明示化→改善施策」という、26Content Business Research Center Annual Report Vol. 2


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