Annual Report Vol.2


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(5)メディア利用◆スマホに費やす時間はどこまで増えるのか博報堂のメディア定点調査を参考に、本調査の1回目から「平均して一日の中で最も時間を使っていること」を設問に加えているが、今回も圧倒的に「携帯電話・スマートフォン」だった。選択肢は、「携帯電話・スマートフォン」「パソコン」「テレビ」「ラジオ」「電子書籍を含む読書(2013年から追加)」の5つである。「携帯電話・スマートフォン」は全体で81.0%となった。この数字を押し上げているのが女子学生で、男子の76.1%に対して、2015年度よりやや減少したものの、女子は86.9%である。「携帯電話・スマートフォン」は年々増加しており、この5年間で8%上昇した。その代わりに、「パソコン」が約8%減少している(図13)。図13では「スマートフォン」と「パソコン」のみ示しているが、テレビは、2016年の全体平均で8.8%と、パソコンを上回った。女子だけ見れば調査を始めてからずっとパソコンよりも高い。テレビについてはこの5年間大きな変化は見られず、男子が11%前後、女子が7%前後と一定の割合で推移している。この設問は択一であり、テレビを視聴しながらの「ながらスマホ」も多いと考えられるため、テレビ視聴時間は言われているほど減少していないのかもしれない。(6)音楽・映像の定額配信◆定額配信はまだこれから?音楽は5割、映像は8割が「利用していない」2015年は、相次いで定額制音楽配信サービスがスタートし、「定額制音楽配信サービス元年」という声も聞かれた。配信を開始しているいくつかのサービスを選択肢として設定したが、半数以上が「利用していない」との回答だった。選択されたサービスの中で最も利用率が高かったのは、図14に示すとおり「AppleMusic」で14.3%の利用率である。学生は圧倒的にiPhoneユーザが多いので順当な結果であろう。次の「LINEMUSIC」は全体では9.2%だが、1年生だけは12.3%とやや高い数字を示した。また、この設問では、「その他のサービス」を選択した学生が20%近くいる。サービスが何かは不明だが、いずれにせよ定額配信は、まだ浸透しているというところまでは来ていないようだ。多くのサービスが提示している月額約1,000円は、学生たちにとって感覚的に安くはないのだろう。「無料」のサービスに慣れているからだろうか。同様に、映像の定額制配信も2015年にいくつかのサービスがスタートした。こちらも主なものを選択肢としたが、利用しているのは全体の2割程度であった。利用者の中で、最も多かったのは「Hulu」で4.7%、158人の学生が利用していると回答した(図15)。学年で見ると4年生の利用率が6.8%と最も高かった。「Hulu」以外にも「AmazonPrimeVideo」「NETFLIX」など比較的利用者が多いサービスは全て高学年の利用度が高い結果となった。また、映像配信に関しては男子の利用が女子を上回っている。最近は各テレビ局などが、放映の終了した番組の無料配信サービスを行っている。いわゆる見逃し番組配信で、「TVer(ティーバー)」が代表的である。これらサービスについては、「よく利用する」「たまに利用する」と回答した学生は全体の13.8%、「ほとんど、あるいはまったく利用しない」学生が半数を超える51.5%であった。また、34.8%の学生はサービス自体を知らないと回答している(図16)。図13一日のうちでもっとも時間を使うことスマートフォンとパソコンの割合の推移(2012-2016)図14定額制音楽配信サービスの利用図15定額制動画配信サービスの利用図16テレビ番組の無料配信サービス利用15


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