Annual Report Vol.2


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近年、自由が丘を取り巻く環境は大きく様変わりしつつある。2013年3月には、東急東横線、東京メトロ副都心線が直通運転を開始した。これにより乗客は、横浜方面から渋谷・新宿・池袋を経由し、埼玉まで乗り換えなしで行けるようになった。自由が丘はより遠方からの客を吸引できるようになったが、逆に埼玉からの客は、自由が丘を素通りし、横浜・元町中華街等にもアクセスすることも可能になった。また二子玉川や武蔵小杉では大規模ショッピングセンターやショッピングモールがオープンしたり、大手企業が本社機能をこれら都市に移転したりしている。こうした環境変化を受け、自由が丘に来る人は、以前に比べて増えたのだろうか、あるいは減ったのだろうか、もし変わったとしたら、それは二子玉川や武蔵小杉による何らかの影響を受けたものなのだろうか、こうした一連の疑問をもとにおこなったのが今回のアンケート調査である。自由が丘のまちづくりに関する、いくばくかの知見を抽出することを目的に実施した。2.回答者の概要今回のアンケートに答えてくれた回答者の概要であるが、図表2-2に示す通りとなった。世代別に見ると、若者世代(10〜20代)が46%、ミドル世代(30〜40代)が33%、年配世代(50代以上)が21%と、バランスの良い来街状況が確認できた。次に性別で見ると、男性38%、女性62%となり、女性に支持されていることがわかった。職業別に見ると、上位3つは会社員・公務員41%、学生30%、主婦14%であった、また来街手段は、電車が65%、徒歩20%、自転車6%となった。(1)世代(2)性別(3)職業(4)来街手段図表2-2回答者の概要(いずれもN=571)3.来街目的自由が丘への来街目的について尋ねたものが図表2-3である。トップ3は、ウィンドウショッピング、買い物、飲食・飲酒の順になった。巷間言われているように、自由が丘は、買い物の街、グルメの街、である様子が確認できるものとなった。(※注)パーセントは、それぞれ男性、女性、合計人数を100%としたもの図表2-3男女別で見る、自由が丘への来街目的(複数回答)これを男女別に見てみると、上記トップ3は、いずれも全体で見た比率に比べて、女性の比率が相対的に高くなった。自由が丘の主目的であるこれら3つは、主として女性によって支えられている事実が明らかとなった。なお男性で特筆すべき点は、「散歩」と目的に来街する人の比率が相対的に高いことなどがあげられる。4.来街頻度の過去1〜2年における変化(4つの街の比較)次に、自由が丘、二子玉川、武蔵小杉、横浜・みなとみらい・元町中華街、の4つの都市について、過去1〜2年で来街頻度がどう変化したか尋ねた。「増えた」、「変わらない「、「減った」、「そもそも行かない・行ったことがない」の4択である。「増えた」とする回答から「減った」とする回答を引くと、自由が丘は17.6ポイント、二子玉川18.3ポイント、武蔵小杉10.1ポイント、横浜・みなとみらい・元町中華街8.2ポイントと、いずれの都市も全体的な傾向としては増加基調にあることが分かった。自由が丘に来街している人にアンケートをおこなったため、自由が丘に若干有利になる結果が出るバイアスはかかっているものの、大まかにみて、東急東横線沿線全体で、吸引力が増していることが確認出来るものとなった。図表2-44都市への来街頻度の変化(過去1〜2年)20%6%0%2%1%4%65%201020304050607021.366.73.78.2.224.443.36.26.0.215.037.4.942.1.516.146.87.928.8.507


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