Annual Report Vol.2


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昨年、2014年度からコンテンツビジネス研究所にて、「自由が丘案内人セザンジュ」の業務対応表及び業務日誌データの分析を通じた地域活性化に関する調査研究を試験的に実施している。本年度からは、「自由が丘インフォメンションセンター」に寄せられたお客様の声の分析を加え、その活動を広げている。こうした街に集積される情報を丁寧に分析することで、自由が丘商店街に来訪されるお客様は何を求め、どのようなことを感じているのか、という疑問を明らかにするため、「商店街データ見える化プロジェクト」を発足させた。このプロジェクトは、学校法人産業能率大学、ユニアデックス株式会社及び自由が丘商店街振興組合の3者間契約に基づいている。自由が丘商店街の振興を目的としたマーケティング活動にICTを利用することについての共同実証実験を実施することとした。本報告では、まず、ユニアデックス株式会社が中心となりデータ分析をおこなった「自由が丘インフォメーションセンター来訪者データ」の分析結果を報告する。そして、近年、自由が丘を取り巻く環境の変化について明らかにするため実施された自由が丘商店街来街者調査について報告する。最後に、前述した昨年から引き続き実施している自由が丘案内人セザンジュのデータ分析を含めた報告会について紹介する。はじめに1.ユニアデックス株式会社及び未来サービス研究所概要本学及び自由が丘商店街振興組合と共同実証実験契約を締結したユニアデックス株式会社は、1997年3月4日設立、東京都江東区豊洲に本社を構え、従業員数3,130名のクラウド・データセンター、会社のICT利用シーンを作り、支え、守る日本ユニシスグループの「インフラトータルサービス」企業である。今回の研究活動の中心となりデータ分析を担当した未来サービス研究所は、ビジネス環境の変化が激しく先の見えない時代において、入手可能な情報を読み解き、未来を見据えて行動する必要があるという考えのもと、未来を予測し適切な意思決定のもとに未来の市場を満足するサービスビジネスを創出することを目的として活動している。2.分析ツールについて今回のデータ分析に使用したツールは、大量のテキスト「自由が丘インフォメーションセンター来訪者データ」の分析結果2015地域活性化に関する調査研究報告産業能率大学経営学部教授武内千草産業能率大学経営学部准教授寺嶋正尚産業能率大学経営学部准教授都留信行情報を分析することが可能な「TopicExplorer®(注1)」と、テキスト型データの計量的な内容分析もしくはテキストマイニングのためのフリーソフトウエアである「KHCoder(注2)」である。3.分析対象データについて自由が丘インフォメーションセンターは、東京都目黒区自由が丘1-29-16に所在する自由が丘の情報ステーションである。自由が丘を訪れた際、探したいお店やニューオープンのお店、テレビや雑誌に登場したお店の情報を専門のスタッフが案内してくれる。カテゴリー別の自由が丘マップも販売している。また、自由が丘商店街振興組合組合員のために、「自由が丘方式」と呼ばれるごみ収集の専用ポリ袋も販売している。4.分析結果1:インフォメーションセンター来訪者状況来訪者は、ゴールデンウィークそして10月にピークを迎えている。これは、ゴールデンウィークには「スイーツフェスタ」、10月には「女神まつり」というビッグイベントが開催されるのが理由であるのは明白である。図表1-1:来訪者数の推移来訪者の性別は、女性が73%、男性が18%、カップルが9%となっており、圧倒的に女性が多いのが特徴である。来訪者の年代構成は、40代以上が56%、40代未満が34%となっており、一番多い年代は25%の30代となって対象データ:自由が丘インフォメーションセンターによる、「インフォ来店者記録帳」対象期間:2015年4月1日〜2015年12月28日(10:30〜18:30)データ内容:自由が丘を訪れインフォメーションセンターに来訪されたお客様のお問い合わせ04Content Business Research Center Annual Report Vol. 2


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