Annual Report Vol.2


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本学、かすみがうら市、筑波銀行との連携協力にかかる協定締結岩井ゼミでは2015年合宿の地として同市を選び、同市内見学を行った後、同市の活性化策を坪井市長と職員の方にプレゼンテーションした。提案の内容は、「霞ヶ浦から見る星空ツアー」や「スイーツのメッカ・自由が丘とのコラボ」などであった。そして同年の10月11日、12日の両日の自由が丘「女神まつり」において、自由が丘商店街振興組合、かすみがうら市、筑波銀行の協力・支援のもと、かすみがうら市ブースを出店し、蓮根豚の炭火焼きと公魚の唐揚げを実演販売し、来街者にご好評いただいた。女神まつりは2日間で訪問客が50万人という最大級のイベントであり、その広告宣伝効果は絶大なものである。その後12月にはゼミの代表が同市内の出羽屋さんや広原畜産さんをお邪魔し、生産者の生の声を聴取した。2016年1月26日には、本学はかすみがうら市と筑波銀行と三者協定を締結した(写真①参照)。本学にとっては地方都市と地域金融機関との連携は初めての試みである。この連携の目的は、同市の特産品の消費拡大、ブランド創造、6次産業化による農水産業活性化、地域資源を活用した観光客誘致、廃校や空き家の活用策、学生の学習機会の提供などである。2016年5月3日から6日までは、「JiyugaokaSweetsFesta」において、かすみがうら市ブースにて、蓮根豚を使ったトルティーヤと紅はるかを用いたスイーツを販売した。いずれも岩井ゼミ生が試作から携わったものであり、特に後者は、サツマイモを使ったスイーツの地元企業、ひので屋さんと共同開発させていただいた商品である。かすみがうら市のひので屋さんのお店では、実際同スイーツが販売された。ごく最近では2016年6月25日、26日の2日間、東京都渋谷区青山にて、公魚の燻製、川海老せんべい、紅あずまチップス、蓮根ドレッシングなどかすみがうら市の特産品販売を行い、かすみがうらブランドの都心での浸透に協力した(写真②参照)。さらに8月には歩崎公園にて、霞ヶ浦にキャンドルを浮かべての観光客誘致を岩井ゼミと同市観光課とで計画中である。地方創生に関わって考えること茨城県大洗町およびかすみがうら市の活性化にゼミ生が参画して3年経過した。その間感じたことを以下に記したい。まず地元の行政機関や金融機関の方々の積極的な支援や自主的な関わりがいかに重要かということである。東京都の自由が丘という流行発信の先端地域に在する本学は、この3年間、茨城県からすれば他地域の大学として地方創生に参加させていただいてきた。今回はかすみがうら市の創生について述べてきたが、同市の有する有形・無形資源について同市や筑波銀行の方からレクチャーいただき、ゼミ生がそれを理解したうえで、実際に現地を見学し、自分たちなりに消化し、取り組んだ。その後、全体のコンセプト企画、具体的な商品企画・開発、販売戦略、売り上げ計画を立てて、実践に臨んだ。こうした一連のゼミの活動において、かすみがうら市や筑波銀行から多くの協力をいただいた。イベントごとにこれらの方々にお越しいただき、自主的に関与していただいた。これに対して大いに感謝の意を表したい。次に学生の学習面である。コンセプト企画から始まって当日の販売、終了後の報告書作成、協力先への実施報告という一連のプロセスを経験することで、単なるイベント参加ではなく、大学教育で習得した知識を活かし主体的に自分たちが試行錯誤しながらプロジェクトに従事していけば、大きな成果を学生が享受できるはずである。学生が社会に出てからもこうした経験は決して無駄にはならないと信じている。本プロジェクトは数多くの社会人の方々と相談・連絡・報告・交渉をしながら、ある時はお叱りを受け、またある時は評価していただき進めていく。こうした経験は学生の成長機会を大いに提供してくれる。企業や自治体とのProjectBasedLearningは、教員にも学生にも相当な覚悟が必要である。人間である限り失敗は避けられないが、何か支障が生じたときどう対処していくか、臨機応変に対応する力が求められる。我々岩井ゼミでは今後もこうした社会とのつながりの中での学生の成長を感じ取れる活動を推進していく予定である。写真①:三者での協定調印式の様子写真②:2016年6月25日付「茨城新聞」掲載記事03


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