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調査報告書

上場企業の課長のテレワーク利用状況調査

 学校法人産業能率大学 総合研究所は、従業員数100人以上の上場企業に勤務し部下を1人以上持つ課長を対象に、職場の状況や課長自身の意識などに関するアンケートを実施しました。その中でテレワークの利用状況に関する項目を切り出し、「上場企業の課長のテレワーク利用状況調査」としてまとめました。調査は2021年9月14日から16日までの3日間、調査会社を通じてインターネットリサーチで実施し、828人(男性799人、女性29人)から回答を得ました。

調査結果

▼80%の職場でテレワーク制度が導入済み

 テレワーク制度の導入状況について尋ねました。「コロナ禍以前から導入されていた」(26.1%)と「コロナ禍をきっかけに導入された」(54.3%)を合わせた80.4%が既にテレワーク制度を導入済みです。「導入予定はない」は8.3%にとどまっており、テレワーク制度が広く普及している様子がうかがえます。(下図)

職場でのテレワーク制度の導入状況グラフ

▼85%の課長がテレワーク制度を利用

 テレワーク制度が導入されている方を対象に利用状況について尋ねました。「原則としてテレワークをしている」(32.4%)、「曜日を決めるなど交代で利用している」(27.6%)、「たまに利用する」(25.1%)を合わせた85.1%がテレワーク制度を利用していることがわかりました。(下図)

課長のテレワーク制度の利用状況グラフ

▼テレワーク制度が導入されて変化したことのトップは「部下の労務管理が難しくなった」

 テレワーク制度が導入されている方を対象にテレワーク制度が導入されて変化したことについて複数回答で尋ねました。その結果、「部下の労務管理が難しくなった」(35.7%)、「ペーパーレス化が進んだ」(35.0%)、「部署内の情報共有が難しくなった」(30.8%)がトップ3となりました。また、「部下の人事評価が難しくなった」(23.9%)も5位に入り、テレワーク環境でのマネジメントの難しさが浮き彫りになっています。一方、「職場の生産性が向上した」(7.4%)は最下位であり、生産性向上に結び付けるのは容易ではないようです。(下図)

テレワーク制度が導入されて変化したことグラフ

▼テレワーク環境で課長に求められるスキルのトップは「部下の状況を把握して支援」

 テレワーク制度が導入されている方を対象にテレワーク環境で課長に求められるスキルについて複数回答(3つまで)で尋ねました。その結果、「部下とのコミュニケーションで部下の状況を把握し支援するスキル(1on1場面など)」(50.5%)と「オンラインツール(オンライン会議システム,チャットツールなど)を活用するスキル」(49.2%)が3位以下を大きく引き離して1位・2位となりました。特に1位の「部下の状況を把握し支援するスキル」については、労務管理が難しくなっていることと合わせて、その重要性が増しています。(下図)

テレワーク環境で課長に求められるスキルグラフ

▼テレワークの理想の利用頻度は「週に2~3回」

 テレワーク制度が導入されている方を対象に課長としてテレワークの理想の利用頻度について尋ねました。最も多かったのは「週に2~3回」(46.7%)で約半数を占めました。次が「週に1回」(19.4%)でした。「毎日」(15.5%)は3位にとどまっており、課長としては職場を留守にすることに不安を抱えているようです。(下図)

テレワークの理想の利用頻度グラフ

調査報告書の全文をPDFファイルで提供しています。

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