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調査報告書

第6回上場企業の課長に関する実態調査

 学校法人産業能率大学 総合研究所は、従業員数100人以上の上場企業に勤務し部下を1人以上持つ課長を対象に、職場の状況や課長自身の意識などに関するアンケートを実施し「第6回上場企業の課長に関する実態調査」としてまとめました。このテーマに関する調査は、第1回(2010年9月実施)、第2回(2012年12月実施)、第3回(2015年11月実施) 、第4回(2017年11月実施)、第5回(2019年3月実施)に続くものです。調査は2021年9月14日から16日までの3日間、調査会社を通じてインターネットリサーチで実施し、828人(男性799人、女性29人)から回答を得ました。

注目データ

▼新しい日常では「IT活用」や「タイムマネジメント」の重要性が増加

 コロナ禍を経た新しい日常において、マネジャーに必要なスキルの重要性の変化について尋ねたところ、重要性が増したスキルのトップ3は「IT活用」、「タイムマネジメント」、「メンタルタフネス」でした。テレワークの普及などワークスタイルの変化を反映している様子がうかがえます。(下図)

マネジャーに必要なスキルの重要性の変化グラフ

▼99.5%がプレイングマネジャー

 現在の仕事におけるプレイヤーとしての役割を、「0%(なし)」から10%刻みで尋ねました。プレイヤーとしての役割が全くないのはわずか0.5%で、99.5%の課長がプレイヤーとマネジャーを兼務しています。加重平均を算出したところ50.1%となり、課長の業務の半分がプレイヤーとしての仕事になっています。(下図)

プレイヤーとしての仕事の割合グラフ

▼現在のポジション(課長)維持が過去最高で出世意欲は低下

 最終的になりたい立場・役職を尋ねたところ、「現在のポジション(課長)を維持する」が1位、「部長クラスのポジションに就く」が2位でした。「現在のポジション(課長)を維持する」は前回を8.9ポイント上回って過去最高となり、出世意欲が低下している様子がうかがえます。(下図)

最終的になりたい立場・役職グラフ

総括

コロナ禍によって働き方が大きく変わるとともに、業務のデジタル化(DX)によるビジネスの進め方も見直しを迫られています。こうした変革の波にさらされている課長は、従来の職場運営の方向性に関する再検討や、自身が有するマネジメントスキルの確認・検証が求められています。

今回の調査では、コロナ禍により社内外のコミュニケーションが減少したこと、新しい日常において「IT活用」や「タイムマネジメント」スキルの重要性が増すことがあらためて明らかになりました。一方、DXへの対応に関しては、2~3年前と比較して重要度が高まった業務課題としてあげられているものの、具体的な取り組みを「特に何もしていない」という回答が53%に上りました。

また、ほとんどの課長がプレイングマネジャーとして業務を遂行しており、そのうちの約半数が「プレイヤーとしての活動がマネジメント業務に支障がある」と回答するなど、課長の業務遂行には厳しい現実が待ち構えています。

最終的になりたい立場・役職では、「現在のポジション(課長)を維持する」が前回から約9ポイント増加して過去最高となる一方、「部長クラスのポジションに就く」は約10ポイント減少しており、出世意欲の低下が見受けられます。

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