平昌冬季五輪の競技に関する調査
産業能率大学スポーツマネジメント研究所(所長:情報マネジメント学部教授 中川直樹)は、2月9日~25日まで開催された平昌冬季五輪の前後に「平昌冬季五輪に関する調査」を実施しました。事前調査は1月31日から2月2日まで1万人を対象に平昌冬季五輪実施競技の「関心度」を尋ね、事後調査は2月26日から28日まで事前調査の回答者から1千人を抽出し、「観戦率」や「満足度」などを追跡調査しました。
調査はいずれもインターネット調査会社を通じて実施しています。
結果概要
調査の結果、「観戦率」と「満足度」の1位はフィギュアスケートでした。男子では羽生結弦選手が金メダル、宇野昌磨選手が銀メダルを獲得。女子では宮原知子選手が自己ベストの演技で4位に入賞するなど日本勢の活躍が目立ちました。大会前後で大きく関心度が上昇した「関心度上昇」と「自分でもやってみたい競技」はカーリングが1位になりました。カーリング女子の活躍により競技の視聴や実技に対する関心が高まっています。また、意識調査では「ルールが分からないまま視聴した競技があった」という回答が7割を超えました。
調査の設計・分析は、過去の五輪(北京、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオ)でも調査を実施した同研究所の小野田哲弥研究員(情報マネジメント学部准教授)が担当しました。本調査について小野田研究員は「注目度(Attention)の高い五輪の効果で、明らかに関心度(Interest)が上昇した競技がある。しかし、やってみたいという欲求(Desire)が芽生えても、記憶(Memory)が鮮明なうちに実施(Action)まで移しにくいのが冬季種目の特徴。競技レベルのさらなる向上には、社会的関心を持続させ、競技者の裾野を広げることが不可欠。そのための施策が求められるだろう」と話しています。
▼観戦率
順位 | 競技名 | % |
---|---|---|
1位 | フィギュアスケート | 84.7 |
2位 | カーリング | 80.0 |
3位 | スピードスケート | 78.6 |
4位 | スキージャンプ | 69.2 |
5位 | スノーボード | 62.0 |
6位 | ショートトラックスケート | 56.2 |
7位 | ノルディック複合 | 52.6 |
8位 | フリースタイルスキー | 34.4 |
9位 | アルペンスキー | 31.4 |
10位 | クロスカントリースキー | 31.1 |
※平昌冬季五輪実施競技のうち「視聴していない」を除いた比率。(録画やダイジェストを含み、大会期間を通じて一度でもその競技が視聴された比率。)
▼満足度
順位 | 競技名 | pt |
---|---|---|
1位 | フィギュアスケート | 123.9 |
2位 | スピードスケート | 119.2 |
3位 | カーリング | 113.5 |
4位 | スノーボード | 73.0 |
5位 | ショートトラックスケート | 69.9 |
6位 | スキージャンプ | 64.2 |
7位 | ノルディック複合 | 52.7 |
8位 | フリースタイルスキー | 34.8 |
9位 | アルペンスキー | 29.3 |
〃 | クロスカントリースキー | 〃 |
※「視聴した」競技の満足度を4択で尋ね、その構成比(%)に以下の係数をかけて加算した合計値。①「とても満足」=2pt、②「やや満足」=1pt、③「やや不満」=0.5pt、④「不満」=0pt。
▼関心度上昇
順位 | 競技名 | pt |
---|---|---|
1位 | カーリング | +46.2 |
2位 | スピードスケート | +28.3 |
3位 | スノーボード | +20.9 |
4位 | フィギュアスケート | +20.4 |
5位 | ショートトラックスケート | +18.1 |
6位 | アイスホッケー | +6.4 |
7位 | フリースタイルスキー | +3.2 |
8位 | ノルディック複合 | +1.2 |
9位 | アルペンスキー | +0.94 |
10位 | バイアスロン | +0.90 |
※事後調査「関心」-事前調査「関心(視聴)」より算出。
▼自分でもやってみたい競技
順位 | 競技名 | % |
---|---|---|
1位 | カーリング | 31.5 |
2位 | スノーボード | 13.1 |
3位 | フィギュアスケート | 8.3 |
4位 | スピードスケート | 5.9 |
5位 | スキージャンプ | 4.1 |
6位 | アイスホッケー | 4.0 |
〃 | アルペンスキー | 〃 |
8位 | ボブスレー | 3.7 |
9位 | クロスカントリースキー | 2.9 |
10位 | ショートトラックスケート | 2.1 |
※平昌冬季五輪で実施された各競技について「自分でもやってみたい」と回答された比率。
▼意識調査結果
2020年東京五輪で期待する競技
順位 | 競技名 | % |
---|---|---|
1位 | 体操 | 47.3 |
2位 | 卓球 | 42.6 |
3位 | 柔道 | 41.7 |
4位 | 水泳 競泳 | 40.4 |
5位 | 野球 | 38.9 |
6位 | レスリング | 33.6 |
7位 | マラソン | 30.4 |
8位 | バドミントン | 27.4 |
9位 | 陸上競技 トラック | 24.5 |
10位 | サッカー | 22.5 |
※2020年東京五輪実施競技のうち「期待している」と回答された比率。(当てはまるもの全て)