SANNO SPORTS MANAGEMENT 2016年 Vol.9

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2016年 Vol.9 FEATURE「スポーツを魅せる」


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09産業能率大学アスリートキャリアプログラムについて情報マネジメント学部教授西野努スポーツマネジメント研究所では、2017年2月よりサッカー部の一部学生(1年生17名)を対象に、運動部サポートプログラムの一環としてアスリート向けキャリアプログラムを開催している。主な目的は、スポーツ推薦等で入学してくる学生達に、サッカーをプレーすることだけでなく、アスリートとしての教養を身につけてもらい、また、国際交流や地域のボランティア活動等にも関与しながら、自身のキャリアについて主体的に考えてもらうことである。また、このプログラムは、スポーツマネジメント研究所が企画運営しているが、学内の教職員も関わり、たくさんの大人の目を注ぎながら、学生生活とその後の進路決定をサポートしていこうというものとなっている。狭き門であるプロサッカー選手アスリートキャリアプログラムで学ぶ事スポーツ推薦で大学に入学する学生選手達はだれもがプロのサッカー選手になりたいという夢(目標)を持っている。しかし、その夢(目標)を実現できるのは一握りの学生であり、それ以外の学生はサッカー選手以外の道を選択し、それでも前向きにキャリアを進めていかなければならない。毎年、100〜120名の選手が高卒や大卒の新人としてJ1〜J3のクラブと統一契約書を交わす。それと同時にほぼ同数の選手がクラブを離れ、プロ選手を引退していく。平均引退年齢は、26〜27歳と言われているが、最近ではJ3もあり、その下のアマチュアリーグでプレーすることを選択することも可能であるし、海外にプレーの機会を求める選手も数多くいる。そういった点では、プロとしてプレーする機会は増えてはいるが、狭き門であることは変わりがない。プロサッカー選手に求められる資質プロサッカー選手として長年活躍するために必要な資質をJリーグで調べたところ、そのトップ3に傾聴力・伝達力・忍耐力が挙がったそうだ。心・技・体ばかりが協調されがちだが、実は、その3つの能力を支える、人間力が最も大切となることがわかる。スポーツとの関わり方また、サッカーとの関わりは選手になれなかった時点で終わるわけではなく、一生、様々な形で関わり、楽しんでいけるのがスポーツの醍醐味である。その関わり方についても、世の中には様々なスポーツ(サッカー)に関わる職業があり、サッカー選手以外にもたくさんの選択肢があるということを知っておくことも重要となる。このプログラムは、Jリーグがアカデミー選手向けに提供している<Jリーグ版よのなか科>をベースとしている。プロサッカー選手になるためにも、プロサッカー界のこと(お金がどう回っているのか?どんな職業があり、どんな人が働いているのか?等)をしることは重要なことである。また、最終日には、自分のキャリアプランをプレゼンテーションすることで、自分の3〜5年先のキャリアについても考える仕組みとなっている。加えて、その運営スタイルも特徴があり、一方的に講義を受けるスタイルではなく、学生参加型の運営方法(アクティブラーニング)で楽しく考え、学ぶことができる。このプログラムを通じて、まずはプロサッカー界についての理解を深めてもらいたい。そして、自分たちの立ち位置(学生サッカーという立場)も理解し、サッカー選手になるためにはどんな努力が必要であるかを明確にして、日々の練習に取り組んでもらいたい。また、数年後にサッカー選手という選択肢がなかったとしても、大学4年間で経験したことを糧に、前向きにサッカーと関わりながら社会人としてのキャリアを進んでほしい。また、何よりも重要なことは、産業能率大学サッカー部が強く魅力的なチームとなることだ。このキャリアプログラムを通じて、サッカー部員である学生達が人間力のある、魅力あふれる部員(学生)となり、サッカー部の強化と魅力向上に貢献してもらいたい。産業能率産業能率大学選手、サッカー部OB産業能率大学産業能率大学産業能率大学creerdesignspportprogrmcreerdesignspportprogrm「意志」「役割」「能力」の関係は?今日のゴール自分が大学生活でどうありたいか自分が大学生活で目指していること意志サッカー役割能力自分がやらなければならないこと他者から求められていること役割を果たすために必要なこと意志を成し遂げるために身につける力産業能率大学サッカー部現状とあるべき姿を考える。21


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