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01FEATURE「スポーツを魅せる」巻頭言スポーツ選手の情熱あふれる巧みなプレーは、いつもファンを唸らせ、忘れることのできないシーンとしてファンの心に刻み込まれてきた。こうしたスポーツの魅力は、新たな感動や異次元体験を求めるコアファンの期待を増幅させ、ファンを次の観戦行動へとつなぎとめていく。しかしその一方で、情報や経験知をあまり持たないライトファンにとっては、こうした側面は理解し難く、必ずしも観戦者間で共有し得るとは限らないため、スポーツの魅力に対して消化不良を引き起こす場合も見られる。価値観の多様化が進み、スポーツ観戦者、特に競技場に足を運んで試合観戦する人達が伸び悩む今日、どのプロスポーツ組織、チームもコアファンからの下支えだけに頼る経営が許される状況にはない。そこで、各組織やチームが取り組んでいるのが、多様な人達が競技場に訪れた際にも、その時間、空間を楽しんでもらえるような施設のあり方である。さらには、各チームが地域密着を掲げている今、施設があることによって、人々が集い、交流できる場所としてのランドマーク的な存在となることも重要な課題である。今号の特集では、プロサッカーチームの湘南ベルマーレ、プロ野球チームの横浜DeNAベイスターズ、そしてプロバスケットボールチームの横浜ビー・コルセアーズが、ファンの多様化するスポーツへの関わり方を具現化する場所としての競技場を、どのように捉え、どのような空間として演出しようとしているのかをまとめ、新たなスポーツの魅せ方について考えた。湘南ベルマーレの新スタジアムから日本のスポーツ文化に新しい風を所長中川直樹スタジアムのあり方について「クラブと地域にとってスタジアムの理想のあり方は、街中にあって、365日稼働していることです。フランスでいくつかスタジアムを観てきましたが、チーム以外の地域の人々がスタジアムの諸室をつかっていました。それがあるべき姿だと思っています。研修会とか、勉強会とかやっていますし、ホテルやレストランが併設されていたりします。マラガ近郊での4部リーグクラブの競技場(マルベリャ)では、5,000〜6,000人収容の古いスタジアムですが、クラブオフィスだけでなく、レストラン、美容院とかも入っていて、街中の便利な場所にありました。マラガにある4万人のスタジアムは、中東のファンドが出資して造ったそうです。スペインのスタジアムは天候のせいもあり、屋根がないのですが、まったく問題がないようでした。リヨンの新しいスタジアムは、ユーロ用に造った6万人のスタジアムは、VIP向けの部屋が多数あり、集金できるようになっています。個々の場合は、土地が市の所有で、上物(スタジアム)がクラブの所有です。ピッチだけではなく、施設として諸室も地域の人々によって使われている。研修だったり、勉強会だったり、それこそレストランも営業している。様々な世代の人々が利用できるスタジアム。1つポイントが、陸上競技用のトラックがあるかどうか。陸上トラックを配備すると、観戦時のスタンドからの距離だけでなく、たくさんある種目の備品をスタジアム内で管理保存しなければならないというスペースの問題も生じます。サッカーとラグビーだけであれば、それこそバーとゴールがあれば済む。お金を稼ぐスタジアムにするためにも、陸上競技は分けるべきだと思います。」3インタビュー・文:西野努湘南ベルマーレ代表取締役会長真壁潔様建設費についても日本では様々な制約がある「日本の銀行はスタジアム建設にお金を貸してくれません。また、土地は行政が持っていて、行政が建設して、クラブが利用料を支払って使うという仕組みになっています。建設費で言えば、南長野のスタジアムは75億。吹田スタジアムは140億。今、ヨーロッパで出はじめている仮設スタンドを活用する計画では、15,000人から18,000人のスタジアムが60〜70億円でできることになっています。例えば、土地だけは行政に何とかしてもらい、totoやその他の助成金・寄付金、スポンサー企業からの出資等で30億円程度調達できれば、残りの30〜40億をクラブの自助努力でなんとかすることも十分可能だと思っています。現状のようにスタジアムを、利用料を支払って借りるとすれば、年間億単位で利用料がかかります。それくらい払うのであれば、仮に音楽のコンサートや他のトップリーグのチームの試合を誘致するなどして、2億稼げるスタジアムにするとすれば、金利も含めて、クラブだけで30億円程度はなんとかできると思います。湘南ベルマーレは、2001年につぶれかけましたが、それから18年間で200億円以上の売上を積み上げてきました。例えば、その金額(30〜40億)をスポンサー吹田スタジアム
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