SANNO SPORTS MANAGEMENT 2009年 Vol.2

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2009年 Vol.2 FEATURE「産業能率大学 collaboration with 湘南ベルマーレ」


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「Win-Win関係」のさらなる発展に向けてビーチバレー『総合型地域スポーツクラブ』を目指すNPO法人においても、プロのアスリートが所属する「トップ」の領域がある。その中でも活躍著しいのが「ビーチバレー」チームであり、先の北京オリンピックにも、白鳥勝浩選手と楠原千秋選手が出場した実績をもつ。サッカーにおいて成功している湘南ベルマーレと産業能率大学との提携は、このビーチバレーにおいても成功を遂げつつある。日本におけるビーチバレーは、初のプロ選手である川合俊一氏が輸入し、弟の川合庶氏とともに、ベルマーレの支援を受けながら、平塚を拠点に普及させてきた歴史があるが、産業能率大学はその両氏を研究員に招き、2007年10月スポーツマネジメント研究所を発足させた。現在、その湘南ベルマーレビーチバレーチームのGM(ゼネラル・マネージャー)である川合庶氏が、産業能率大学の女子ビーチバレー部ヘッドコーチを兼任している。ビーチバレーは新興スポーツであるため、国内に優れた指導者は数えられる程度である。その一人である庶氏から直接指導を受け、オリンピック選手とも一緒に練習ができる好条件は、他の大学にはない大きな魅力となっている。また湘南ベルマーレにとっても、有望な若手選手の育成や獲得面において、この提携は多くのメリットがあるものとして捉えられている。2009年、情報マネジメント学部1年の溝江明香選手がFIVBビーチバレージュニア世界選手権の日本代表に選ばれ、同1年の大原愛加選手とペアを組んで出場した関東大学ビーチバレー選手権大会では優勝、全日本ビーチバレー大学男女選手権大会では準優勝。また、同年1年の中村彩羅選手も新潟国体で5位に入賞した。このように早くも目覚しい成果を挙げている産業能率大学女子ビーチバレー部。今後のさらなる飛躍が期待されている。フットサル2007年9月、フットサルの全国リーグ「Fリーグ」が開幕した。湘南ベルマーレは、湘南エリアを本拠地に数々の実績を残してきた伝統チーム「ロンドリーナ」の組織をNPO法人のトップに移し、Jリーグ加盟団体として唯一Fリーグに参戦している。フットサルはサッカーのフェロースポーツ(似た傾向のある相性の良いスポーツ)であることから、産業能率大学サッカー部との連携をここでも活かしている。サッカー部員に出場資格を与えることで、部員にはプロの試合に出る経験を、クラブには戦力強化のメリットをもたらたすなど、フットサルにおいても良好なコラボレーションが実を結びつつある。スポーツ教室NPO法人では、『総合型地域スポーツクラブ』の理念の下、子供向けのスポーツ教室や、お年寄りも含めた成人向けの健康づくり教室を開催してきた。一方、産業能率大学は、国際大会の公式基準を満たしたビーチバレーコートや、世界のトップチームも採用する人工芝を敷き詰めたグラウンドをはじめ、アリーナ(体育館)などの各種設備が充実している。2008年からスタートした「産業能率大学collaborationwith湘南ベルマーレスポーツ教室」は、このような両者の強みを活かし、地域に貢献し、親しまれる大学・クラブチームづくりの貴重な機会となっている。大学はこれらのイベントの運営に学生が携わることにより、スポーツマネジメントの実践的教育の場として位置づけ、他方の湘南ベルマーレも、意欲のあるボランティアとして、産業能率大学生の協力を歓迎している。このようにして、2004年からスタートした湘南ベルマーレと産業能率大学とのコラボレーションは「Win-Winの関係」として数々の成果を挙げ、さらに発展していこうとしている。文・SANNOSPORTSMANAGEMENT編集部コラボレーションの広がり∞SPORTSMANAGEMENT048FEATURE「産業能率大学collaborationwith湘南ベルマーレ」


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