SANNO SPORTS MANAGEMENT 2018年 Vol.11

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2018年 Vol.11 VICTORY「勝利」


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01産業能率大学サッカー部関東リーグ2部昇格記念小湊隆延監督ロングインタビュー-本学サッカー部の今後の目標と現状の課題-インタビュー・文:齊藤弘通ーー昇格前のチームには「何かが足りていなかった」とのことですが、それは具体的にはどのようなことなのでしょうか?個々のメンバーが、「俺はこうしたい」という気持ちが強く、皆が同じ方向を見ていないという感じ、「俺は俺のサッカー観があるし・・・」という感じは受けました。高校選手権も出ているようなレベルの高い学生もいるのですが、「俺が頑張っていれば大丈夫」というようなところがあったかもしれません。チームとして、よりきめ細かく、お互いがつながる意識が希薄だった感じがします。ーー昇格に向けてどのような練習を行ってきたのでしょうか?練習を多様にやるというよりは、例えば「ボールを蹴る」「止める」といった基本をより正確にできるよう、徹底してやってきました。「相手が右足で欲しい」と思っているのに、左足に出してしまったなどということがあると、たった30センチ位の話かもしれませんが、それによって相手にボールを奪われてしまいます。そうした「細かいことにどれだけこだわれるか」ということを何度も話したと思います。ーー監督はチームのメンバーとコミュニケーションを取る際、どのようなことを意識されていますか?今、部員が126名いますが、ちょっとでも全員に声をかけるようにはしています。接し方も色々ありますが、部員は息子くらいの歳なので、時には厳しく、時には友達のように、「俺はこうだ!」というよりは色々な形で接するようにしています。先日1年生から「監督!」と言われたので、「監督と呼ぶのはやめてくれ。コミさんでいいから」と伝えました。ーー監督はあまり上下の関係性を作らないのですね。社会に出れば上司など、目上の方と仕事をしなければいけない場面もありますので、挨拶だったり、しっかりやらなければいけないところは躾をしながら、友達として接する部分と、監督として接する部分、親として接する部分を使い分けながら接するようにしています。あとは、僕はできるだけ部員と話をして、何か落ち込んでいるよ産業能率大学サッカー部小湊隆延監督昨年11月17日に、関東大学サッカーリーグへの昇格をかけた昇格決定戦が開催され、本学サッカー部は対戦相手の明治学院大学を2-0で破り、4年ぶりに関東リーグ2部への昇格を果たした。スポーツマネジメント研究所では、就任1年目にして関東リーグへの昇格を成し遂げた小湊隆延監督にインタビューを行い、関東リーグ昇格までの道のりや、部員に対する指導・育成の方針、チームの今後の目標や課題についておうかがいした。ーー今回、本学サッカー部は関東リーグ2部に4年ぶりに昇格しました。監督に就任されてからここまでの歩みをどのように振り返られますか?神奈川県リーグでのチームの状況についてはよく知らない状態でスタートしましたが、3年間、県リーグでもがいていた彼らの状況を見たときに、サッカーが上手い子も揃っていて、昇格できるはずの大学なのに、チームとしてまとまって一つの目標を成し遂げるということに関して、「何かが足りていないのだろうな」というのは感じていました。サッカーはチームスポーツなので、皆が同じベクトルをあわせるという作業が必要です。これを可能な限り、僕からの押し付けではなくて、彼ら自身が「そうしたい」、「そうなりたい」という方向に持っていきたいというところがスタートでした。結果として、最後の決定戦は相手の大学を圧倒した内容でしたのうな部員がいたら、「何かあったか?」と声をかけることを心がけてで、皆が同じ方向を見すえ、一人ひとりが役割を持って成果を出すいます。監督というよりは親でいたいかなと。だから、「良くないこことができたのではないかと思っています。とは叱るし、良いことは良いと褒める」ことを心がけています。4


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