SANNO SPORTS MANAGEMENT 2008年 Vol.1

SANNO SPORTS MANAGEMENT 2008年 Vol.1 FEATURE「ビーチバレー」


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はじめに2008年度は、本学が構想を進めている大学とプロスポーツチームとの協働によるスポーツクラブ運営の先行事例について情報収集を行うと共に、本学で実施しているスポーツ教室「産業能率大学collaborationwith湘南ベルマーレ」参加者(同伴者を含む)にアンケート調査や聞き取り調査を行うことにより、本学が目指すスポーツクラブの方向性を探る活動を行った。1.大学とプロスポーツチームとの協働によるスポーツクラブ運営事例の視察2008年度については、大学とJリーグクラブが協働して運営を行う以下のスポーツクラブを視察先として選択した。①埼玉大学運動施設維持管理開放事業(埼玉大学/SARI有限責任事業組合/浦和レッズ/大宮アルディージャ)②学芸大クラブ(東京学芸大学/FC東京/小金井市)1)埼玉大学運動施設維持管理開放事業(SARI)の視察SARIとは正式には、SARI有限責任事業組合のことを指す。現在SARIは、企業4社からの出資金1,000万円を元手に、埼玉大学のテニスコートの改修をした上で各種運動スクールや大会の実施、スポーツクラブ運営のコンサルティング業務を中心に活動している。また、埼玉大学はSARIに対して、施設提供のほかスクール事業への指導者派遣等の人的支援も行っている。埼玉大学(SARI)と浦和レッズ・大宮アルディージャとの提携埼玉大学あるいはSARIと浦和レッズ・大宮アルディージャとの提携内容は、①大学授業(スポーツマネジメント概論)への講師派遣と授業の一般開放、②選手等の授業聴講制度の創設、③現在行なっている地域貢献活動への相互協力(ロボカップジュニアへのハートフルクラブスクール生の参加、大学開放イベントでのハートフルクラブによるサッカークリニックの実施など)および④新たな地域貢献活動への取組み(レッズランドとの相互協力)などである。SARIの大学教育への貢献大学教育への貢献案はいくつあるがSARIの活動は始まったばかりで、手探り状態の中での活動が続いており、その充実にはいまだ至っていない。大学教育への貢献案としては、①授業・課外活動の充実、②学生の社会参加(イベント等)および③公開講座「スポーツマネジメント概論」の学生聴講が挙げられていた。特に、②と③に関しては、将来的には環境整備を行った上で単位として認める方向で調整を進めている。2)学芸大クラブの視察学芸大クラブは、健康で豊かな地域社会の創造を目指し、東京学芸大学、FC東京および小金井市の協働によって設立された。3者の連携のキーワードは、「社会貢献」と独自性を活かし、共に高め合う「協働」である。そして3者の協働により、スポーツ指導開発、スポーツ活動支援、スポーツサービスおよび文化活動を行う予定である。東京学芸大学とFC東京の提携FC東京は、東京学芸大学に対する寄付行為として、大学グラウンドはもとより、付属中学の校庭をも人工芝生化している。そして、これらの施設を利用して学芸大クラブ「サッカー教室」の開催やFC東京ジュニアユース「U-15むさし」の活動をFC東京が運営経費を負担して行っている。学芸大クラブの大学教育への貢献「U-15むさし」の活動を対象に大学とクラブで以下のテーマに関する共同研究を行っている。①U-15年代のサッカー指導のあり方に関する研究および②U-15年代への適切な心身の発育と発達のサポートのあり方に関する研究。さらに、大学サッカー部員が「サッカー教室」や「U-15むさし」の指導実践活動に参加し、指導法の研究と指導能力の向上を目指せる環境づくりを行っている。そして、この活動は学生がサッカーのC級指導者ライセンスを取得するための講習としても利用されている。また、特色あるカリキュラムとして、FC東京で普及活動の研修を2週間行う「スポーツ施設実習」を履修した後に、「総合学習」でサッカー教室の企画・運営・指導実践・映像ドキュメント作りを行う授業が創出されている(単位が認定される)。プロスポー大学大学とプロスポーツチームとの協働によるスポーツクラブの運営渡辺隆嗣/情報マネジメント学部教授中川直樹情報マネジメント学部准教授0411


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