Annual Report Vol.2


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入り「世代交代」を図っている最中であるが、やはり女性ファンを対象としたコンテンツの「世代交代」は困難なのであろうか?今後の動向が注目される。(4)学生の好きな映画本学の学生が「好きな映画」として回答したもののTOP10を表4に示す。アンケート調査を行った時期的なこともあり、20周年記念作品を公開したばかりの「名探偵コナン」が1位となった。男子学生・女子学生の支持比率はほぼ50:50であり、非常にバランスよく強い支持を得ている。学生たちからも内容についての好意的なコメントが多い。同じく作品内容の評価が高く、続編制作が決定した「ちはやふる」が3位にランクインしている。映画は宣伝先行型のコンテンツビジネスとも言われており、メディアの評価とファンの支持に乖離が発生する場合も多々あるが、この2作に関しては作品内容の評価がランキングに連動しているようである。「ズートピア」が2位であり、学生へのディズニー作品人気は安定している。「スターウォーズ」「ワイルド・スピード」はほぼ男子学生の支持である。その他の作品は男子・女子の支持数が一桁となっており、一部の作品に支持が固まり、その他は大きくバラつくという結果となった。(5)学生の好きなコミック本学の学生が「好きなコミック」として回答したもののTOP10を表5に示す。「少年ジャンプ」作品を中心に、アニメ・ドラマ化された人気作品群が上位を占めている。顔ぶれは昨年の調査とあまり変わっておらず、相変わらず「少年ジャンプ」系のコンテンツが強い。「ONEPIECE」は男子学生、「ハイキュー!!」は女子学生の支持が圧倒的である。新たな動きとしては、メディア展開が始まった「僕のヒーローアカデミア」が上位に食い込んで来ていることである。かつてはコミック読者を呼び込み視聴率に反映させるためのアニメ化であったが、現在ではコミック読者の数を増やす広告宣伝手段としてのアニメ化とも言われている。本学の調査結果ではまさにその通りとなり、アニメ化で認知を高めた作品が好きなコミックとして上位に名を連ねる結果となった。(6)学生の好きなアニメ本学の学生が「好きなアニメ」として回答したもののTOP10を表6に示す。コミック作品と同じく、「少年ジャンプ」系を主とした長期間放映された作品群が上位にランキングされている。社会現象に近いムーブメントとなった「おそ松さん」が女子学生の大きな支持を受けて3位にランクインしたのも興味深い。また、昨年度のアンケート調査で上位ランクインした「四月は君の嘘」に続き、「僕だけがいない街」「甲鉄城のカバネリ」等のフジテレビ「ノイタミナ」枠の作品が強く支持されている。「ノイタミナ」枠とは明言されていないが、ほぼ同時間帯に放映された「暗殺教室」も同様の支持である。コンテンツが安定した支持を得るためには視聴者に安定した露出を行う必要があり、「○○枠」というメディアとしてのブランド認知をさせることが有効であるが、「少年ジャンプ」枠と同様に「ノイタミナ」枠というブランドが学生に浸透しているようである。(7)学生の好きなキャラクター本学の学生が「好きなキャラクター」として回答したもののTOP10を表7に示す。キャラクターについては昨年同様、極端な調査結果となった。男子学生は「少年ジャンプ」系の人気作品のキャラクターに支持票が大きく分かれ、TOP10に全く絡まない結果となった。そのため、全学生のTOP10が女子学生のTOP10とイコールになるという結果となった。本学の女子学生においては、圧倒的にディズニーおよびサンリオのキャラクターが強い。サンリオキャラクター大賞の結果を反映してか「ポムポムプリン」が新たにランクインした以外は、ほぼ昨年と顔ぶれが変わっていない。特筆すべきは、昨年はTOP10に食い込んでいた「ゆるキャラ」勢が姿を消してしまったことである。「ゆるキャラ」をブランド化して浸透させることの困難さが伝わって来る。継続露出とブランド認知が人気のカギ今回の調査結果から、「継続露出する」コンテンツの強さと、「世代交代」の難しさを垣間見ることが出来た。また、長く続いている作品であっても、クォリティの高いコンテンツを提供できれば「新規ファン」も巻き込んで大きく支持を高められることも調査結果として明らかになった。コンテンツビジネスの価値評価は、ファンによって形成される「ユーザー・コミュニティ」の大きさで算定されることが多いが、成長戦略には様々な可能性があることを再確認できたのは、非常に興味深い。TOP1020150:50322TOP10TOP1020150:50322TOP10ONEPIECE!!TOP103TOP10TOP10TOP10TOP10TOP1019


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