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産業能率大学の学びの特徴や学部学科、就職支援などを紹介している入学案内です。入学者選抜情報、キャンパスライフほか、入学案内でしか見ることができないSANNOの情報が満載です。


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情報マネジメント学部現代マネジメント学科多くのみなさんはこれまで、ゲームや音楽などのコンテンツを「使い手」として楽しんできたと思います。プロとしてコンテンツの「送り手」になるには、どのような視点が求められるのか。わたしはこれまでのプロデュース経験から、大きく分けて3つあると考えています。コンテンツを「創る」「広げる」「ビジネスする」という視点です。これらのバランスが非常に大事であり、ひとつでも欠けてしまうとプロデュースは成功しません。授業では各視点をさらに分解して説明し、全容を体系的に理解してもらいます。「創る」視点については、動画投稿アプリを例に挙げると、ストレスなく楽しめるようにユーザビリティや機能が常にアップデートされています。コンテンツは世の中から必要とされてこそ普及することを忘れてはいけません。もちろんコンテンツ自体が面白いことが前提であり、映画やドラマの世界でいえば脚本が優れていることが興行的に成功を収める絶対条件といえます。また、広げる」視点に関しては、新しいプロモーション手法が次々と出現しています。音楽ライブや映画でいえば、スマートフォンが入場チケットを兼ねることで利用頻度や利便性を高め、購入者限定の特典を配信するなど、PR活動に組み込まれているさまざまな仕掛けを理解しておく必要があります。「ビジネスする」視点については、わたしが授業でよく学生に話すことがあります。それは「右脳(コンテンツ)と左脳(ビジネス)で思考を繰り返すこと」の大切さです。アイテムがどんどん増え、コンプリートしないと次のステージに進めないゲームを例に挙げると、課金などのビジネス上の仕組みはあるものの、コンテンツとして面白いからこそ何か月も夢中になれるわけです。楽しむことの結果としてビジネスがあり、ビジネスとして成立させるには楽しんでもらう必要がある。やはりバランスが大事であり、最適解を導き出すためにヒットメーカーと呼ばれるプロデューサーが必ず行っている思考の繰り返しを、みなさんにも授業で実践してもらいます。コンテンツビジネスを考えることは、業界や仕事を問わず汎用性が高い「気づきのトレーニング」になるとわたしは捉えています。それは未来を考えることであり、まだこの世にない楽しさや便利さを発掘する力が鍛えられるからです。ヒントは生活の中にあふれており、自分の趣味や好きなことを入り口にして学べることもコンテンツビジネスの魅力だと思います。ユーザーにサプライズを与える大胆な発想で、学生時代だからこそ失敗を恐れずトライ&エラーを重ねてほしいと願っています。穀田正仁MasahitoKokuta情報マネジメント学部教授/コンテンツビジネス研究所研究員担当科目/コンテンツプロデュース、コンテンツ企画編集、コンテンツビジネス実践ヒントは趣味や生活の中にあふれています。コンテンツの楽しさや便利さを発掘しましょう。Profile1995年エイベックス・グループに入社。入社以来音楽映像双方の企画、立案から制作、宣伝、販売まで一貫して経験してきたゼネラリスト的視点を自身のプロデュース論に活かし、約27年の間に延べ1,000タイトル以上の音楽、映像作品を手掛ける。映画、ドラマを中心に多くの話題作を担当(プロデュース、製作出資など)したほか、新規企画開発、地方創生プロデュースまで幅広いジャンルに進出。コンテンツビジネス・プロデューサーとして活動の幅を広げている。産業能率大学において2007年以降コンテンツ関連講義の外部講師及びコンテンツビジネス研究所の客員研究員として長年活動。2023年度より情報マネジメント学部の教授に就任。コンテンツビジネス関連の講義を複数担当する。063SANNOUniversity2024「穀田教授がプロデュースされた作品・プロジェクト(一例)」メディアミックス演劇コンテンツプロジェクト『青山オペレッタ』Ⓒ青山オペレッタ映画『WALKINGMAN』Ⓒ2019画「WALKINGMAN」製作委員会映画『ビューティフルドリーマー』Ⓒ2020画「ビューティフルドリーマー」製作委員会


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