ゼミにおける地域創生活動—十勝帯広地域との交流—

十勝帯広地域との交流の経緯
今から3年前、2017年よりゼミ活動の一環として北海道・十勝帯広地域の方々(帯広市を中心とする産業振興に関わる方々)との交流をしております。きっかけとなったのは異業種交流を積極的に行っていたゼミのOGの紹介によるもので石垣島との交流を始めていた本学でしたので、北海道との交流とに興味を持ったこと、そして帯広地域での2週間の農業体験インターンシップが開催されていたことでした。また、私自身もインターンシップ科目の責任者を務めていたことから、都心部出身学生が多いという特徴と、アグリビジネスの将来性に注目し、学生に農業現場で働く経験を与えたいと思いました。
活動内容と学習効果
当初2017年はゼミ活動として十勝帯広地域の理解を深めるため商品にならない規格外のジャガイモを仕入れ、本学のある自由が丘で開催されるイベントにて「じゃがバター」として企画・販売しました。普段、経営学を学んでいる学生たちではありますが、実際に商品企画、仕入(原価管理)、販売(利益管理)、販促、接客など経営に関わることに当事者意識を持って実践的に学べることは大学での学びを深める良いチャンスとなりました。さらにその夏には2週間の農業体験インターンにも参加し、収穫から出荷作業を行うことで農業以外にもフードビジネスの原点にも触れるよい経験となり、毎年続いています。

この十勝帯広での経験はその後のゼミ活動として、農林水産省が主催する“農業女子PJ”に参加、さらにビジネスコンテスト「食と農林漁業大学生アワード」「大地の力コンテスト」での発表、日経STOCKリーグへの参加(アグリビジネスをテーマ)、帯広の農業とコンパクトシティを題材にCSV経営コンテストに応募し、いずれも継続した取組みを行い数々の賞を頂くなど外部からも評価を頂きました。

自由が丘イベントでの販売の様子

ビジネスコンテスト「食と農林漁業大学生アワード」に参加

自分たちの強みを生かし、交流活動を後輩に継承
十勝帯広地域との交流を深める中で、ゼミ活動として重視していることは、「都会の自由が丘にある大学だからこそできること」、それを強みとしてさらに、「農業系ではなく経営学を学ぶ学生だからこそできること」を常に念頭に入れて、「これらの強みをどのように地域との交流に生かすか、常に意識しよう」と学生達に伝えています。

実は3年前にもう一つゼミで始めたことがあります。それはゼミ内部を疑似会社化して運営することです。当ゼミには社長や部長がいて、管理部や営業部があります。大学では組織について学びますが、ゼミではそれを実践的に学ぼうという狙いから始めましたが、十勝帯広との交流を進めるにあたりゼミ生各個人の役割と責任が明確になり、先方からも評価されました。疑似会社設立に当たっては「無から有を生む」「Win-Win」「自学自修」という3つの理念も作り、実際に先方との取り組み当たってはこの理念を確認しながら進めています。現在この疑似会社は後輩にも継承され4期目となり、十勝帯広地域との交流も農業分野を超えて、食品関連ビジネスなど地元有力企業との交流にまで広がりつつあります。

ゼミ学生達も先輩達が築いてくれた関係を今後どのように発展させていくか主体的に取り組んでおり、今後様々な方面に広がっていくことが期待されます。

擬似会社「HKTコーポレーション」組織図の変遷