心理学の理論をマーケティングに活用する

消費者の心理と行動を知る

中村 萌音 経営学部2年 東京都私立跡見学園高等学校出身

モノを買う時の人の心の動きについて学ぶ

モノやサービスが売れる仕組みを心理学の理論と企業の事例(ケース)を交えて学ぶのが、【消費者の心理と行動を知る】という授業です。たとえば、同じような機能を備え、価格も同程度の「A」と「B」という商品があったとします。ほとんど違いが無いにもかかわらず、最終的に消費者が選ぶ商品は一つです。機能、価格、ブランド、デザイン、色・・・など、どんな要素が人の購買意欲を高めるのか?消費者がモノを選び、購入する際にはどんな心理が働くのか?企業のマーケティング担当者は、人の心理と販売戦略をどのように結びつけているのか?消費者の行動心理を自分に当てはめながら、とても興味深く学びました。

コミュニケーションのマジック、価格のマジック

私たちの身の回りは、心理学のノウハウで溢れている。そのことを、この授業を通して実感しました。たとえば、最初は高額な商品を紹介し、次に少し安め商品を提案し、購買意欲にはたらきかける「door in the face」という手法があります。家電など比較的に高額な商品を売る際に見られるテクニックだそうです。一方で、最初に無償でサービスを提供し、消費者の心に訴える「foot in the door」という販売手法があります。無料でテスターなどを配布する化粧品などは、この戦略を使っていることが多いといわれています。また、あえて価格の下一桁を端数に設定し、お徳感を演出する戦略もあります。たとえば、400円と398円、冷静に考えれば僅か2円しか違わないのに、消費者は398円を選んでしまう。人の購買心理は、知れば知るほど面白いと思いました。手法や戦略というと、人の心を操作するといった少しネガティブな印象があるかもしれませんが、私はそれを「消費者のニーズを把握し、人々をワクワクさせ、幸せに導くための工夫」だと思いました。

理論を学ぶと「説明力」が身につく

この授業は二つのパートに分かれており、前半は消費者心理の理論を学び、後半は心理学の理論を活用して成功している企業の事例(ケース)を学びました。理論とケースを合わせて学ぶことで、理論は主張に説得力を持たせるうえで不可欠だということが分かりました。また、自分の意見をまとめる際にも自分の意見に理論を当てはめて検証できるため、論点が明確になります。この授業で学んだ理論を使って説明する力は、今後の授業で経験するさまざまなプロジェクトを進めていくうえで、とても役立つアプローチだと思います。
※2021年度掲載