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2015年度FD研修会

2015年度 FD研修会 開催概要

学内の教員を対象にFD研修会を開催し、教授法に関する内容の修得のみにならず、学内の各部署と学生教育上必要な情報共有の場となっています。2015年度は、アクティブ・ラーニングを中心に、研修を実施しています。

第2回「授業内スタッツの測定と実施」〈2015年6月19日〉

経営学部 杉田 一真 准教授

授業評価の活用

経営学部 杉田 一真 准教授

これまで各大学は教育力向上を目的に、FD研修会や教員相互の授業参観の実施、授業評価などを行ってきた。特に授業評価については、授業評価をめぐっては、学生による授業評価の信頼性や、大学が教育サービス提供者として消費者(学生)目線で授業満足度を追求することへの違和感など、これまで多くの問題提起がなされてきたが、いまやほとんどの大学で実施され、授業改善の基本的にツールとして定着している。もっとも、授業評価が有効な授業改善につながっている例は少ない。また、例えば「課題の量が多かった」との意見が授業評価で多数寄せられた場合に、単に課題の量を減らし、授業満足度が向上すれば、授業改善に成功したことになるかと言えばそうではない。課題の量を減らしたことで、修得する知識量や知識の活用機会が減り、結果として科目の到達目標に達することが困難になることもある。ここで重要なことは、各教員が授業評価の結果をその他の情報(学生の授業態度や質問の様子など)と合わせて「解釈」することである。
また、解釈の結果、改善の方向性が示されたとき「創造的に」具体的改善策を検討することである。
例えば、「課題の量が多かった」との意見に対して、授業中に課題内容について学生と一緒に検討する時間を設ける、専門用語について解説を付記するなど、工夫次第で学生の捉え方は変わる。

授業内スタッツの測定

本学は、文部科学省「大学教育再生加速プログラム」において、授業評価の結果のみでは直ちに判明しない授業改善のポイントを可視化し、教育力の向上を図ることを目的に、授業内スタッツデータの測定を申請し、採択を受けた。スタッツデータとは、統計を意味するstatisticsに由来する言葉(stats)で、スポーツにおける選手のプレーヤチームの成績に関する統計数値のことをいう。たとえば、サッカーで言えば、パス数、パス成功率、アシスト数などがあたる。授業内スタッツデータの測定・分析・活用により、これまで「教員の聖域」とされてきた授業を客観データにより可視化し、授業改善を加速することが期待できる。具体的には、2つのデータの測定を行う。第一に、授業中の教員の位置を1分毎に記録し、教員の動きを可視化する「ムービングデータ」。第二に、教員が説明や机間指導などいずれの授業行動をとり、レジュメ、スライドなど、どのようなツールを用いているか、学生が質問やグループワークなどいずれの行動をとっているかを示す「パフォーマンスデータ」である。さらに、測定授業の教室エリア別(左前方、中央、右後方など)の受講態度も記録し、当日の授業に関する「授業後アンケート」もあわせて実施する。
これらのスタッツデータ測定により、第一に、教員個人が授業設計とスタッツデータを照合することにより、無意識に説明時間が過剰に長くなっていることや、一方的講義と演習の時間配分の調整の必要性などに気づくことができる。第二に、多様な教員のスタッツデータを蓄積し、統計的に分析することにより、教員の授業行動や学生の反応による授業のモデル化ができる。教員は、当初の授業計画および理想とする授業モデルと、自身のスタッツデータ(実績)を照合することにより、授業改善のポイントを具体的に知ることができる。これら2側面からの気づきにより、具体的な授業改善を加速していく。

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